藤の花 

ラッキーエビス 

ラベル 

普通のラベル 

 

 「お花見」というと、桜の花を愛でることである。平安の時代から「花」といえば、断りのない限り、桜の花を指しているからである。

 わたくしの寺には、ちょっとした木陰に、そして春には花も楽しめるようにとお檀家さんが植えてくれた大きな藤の木がある。毎年きれいな花をつけ、良い香りを漂わせてくれるので、ゴールデンウィーク前には、藤の花を楽しむ「藤見の会」がおこなわれる。
 住職とほぼ同じ世代か、すこし上の皆さんが中心となって青壮年部を結成して、人的交流、そしてお寺の行事から大掃除にいたるまで協力をいただいている。まずは「藤見の会」である。
 お酒やつまみの上に藤の花が落ちてくるのはなかなか風情があり、いっ時であるが、藤の香りをいっぱいに浴びながら、時を共有するのはとても楽しいものである。

 どれほど飲んだ時であろうか、ふと持ったビール瓶のラベルに目がいった。なんと、「鯛が2尾」いるのである。たいそう驚くとともに、単純に嬉しかった。
 ご承知のように、エビスビールのラベルは、七福神のなかの恵比寿さんが釣り竿を持った絵柄である。釣り上げたのであろうか、ふところには大きな鯛を抱えているのが一般的だ。だが、そのラベルには、後ろに背負った魚籠(びく)のなかにも、もう1尾の鯛が入っているのである。大漁で縁起の良いビールといえよう。

 酒屋さんの勧めもあって、華やかな宴会にはエビスビールを利用している。エビスビール瓶には、2尾の鯛のラベルがあることは以前から知っていたが、手にするのは初めてである。「ラッキーエビス」と呼ばれ、数百本に1本の割で入れられていると聞く。プレミアムがついて、ネットオークションでは数千円の値が付くともいう。今それを手にしているのである。
 お酒に関心のない人には興味のないことであるが、楽しい会であっただけに嬉しいできごとである。参加者は無論のこと拙寺にとっても、恵比寿天のご加護があるように思われてならない。単なる偶然かもしれないが、素直に喜べる心と感謝の心を持つことができたことを大切にしたい。

 エビスビールの「遊び心」を楽しみたい。ネットでは、酒屋さんがチョイスして特別のお客さんやイベント等に使っている話もあるが、無粋であることは言うまでもない。

                           天主君山現受院願成寺住職 魚 尾 孝 久

 


 寺伝によりますと、頼朝公が三嶋大社に百日祈願の折、当願成寺を宿舎といたし、その願が成就いたしたことから「願成就寺」の寺号を賜りましたといわれております。その故事により、観音堂にて諸願成就の法会が盛大に厳修されました。当日は「餅まき」「模擬店」「野菜青空市」等大勢の参詣者で賑わいました。(写真提供、前島芳彦氏、鈴木隆司氏)


                           天主君山現受院願成寺住職 魚 尾 孝 久

 

 

 

 

 

 

 


      

光源氏(京都 風俗博物館) 

 

(前話は、願成寺ホームページ「メルマガお申し込み」のバックナンバーにあります。)

 光源氏は12歳になり元服なされた。同時に結婚を意味し、左大臣家の婿となった。

 光源氏は、帝がいつもお召しになりお離しにならないので、心やすく里住み(左大臣の屋敷、葵の上のところ)もおできにならない。
 心の内では、ただ藤壺の御ありさまを世に類ないとお思いになられて、藤壺のようなお方を妻としたいが似かよった人はいないものだと、お考えであった。確かに、葵の上は大切に育てられておられたが気に入ることがなく、幼心にはたいそう苦しいまでに、藤壺をお思いになれている。

 元服なされてからは、帝もいままでのように藤壺の御簾(みす)のうちにお入れになられない。管弦の遊びの折など、藤壺の琴に自分の笛の音を吹き合わせ、ほのかに御簾から漏れ聞こえる御声を慰めとして、宮中の生活のみを好ましくお思いになるのであった。五、六日宮中におられて、大殿(左大臣の屋敷、葵の上のところ)には二、三日と絶え絶えにご退出になられるほどであったが、左大臣は幼いほどであられるので咎めることもなさらず、女房達には選りすぐった人々を仕えさせ、お世話されるのであった。
 
 宮中では母親の桐壺更衣がおられた淑景舎を御曹司(みぞうし)とされ、更衣に仕えた女房たちをそのまま光源氏に仕えさす。更衣の里邸は、修理職(すりしき)内匠寮(たくみづかさ)に宣旨(せんじ)が下り、ふたつとないほどに改められた。光源氏は、こうしたところに藤壺のような人を迎え住みたいものであると嘆き思われる。

 光る君という名は、高麗人のおほめになっておくられたと言い伝えられている。

*いままで母のごときにしたっていた藤壺が、元服することによって会うこともままならなくなると、藤壺の存在が満たされぬ恋愛の出発となり、物語に一貫して流れるテーマとなる。(次回より第2巻「帚木」)

【曹司】ぞうし  宮中または官署などの官吏または女官の用部屋。また、貴族や武家の邸宅内で子弟に与えられる部屋。「広辞苑」

【修理職】すりしき  平安時代以降、皇居などの修理・造営をつかさどった令外の官司。818年(弘仁9)初置。「広辞苑」

【内匠寮】たくみづかさ  中務省に属し、宮中の調度の製作、殿舎の装飾をつかさどった役所。728年(神亀5)設置の令外の官。「広辞苑」

【宣旨】せんじ  平安末期以降、天皇の命を伝える公文書。その本来の形である詔勅は発布にきわめて複雑な手続を要したのに対し、宣旨は内侍から蔵人に、蔵人から太政官の上卿に伝え、上卿は少納言または弁官をして外記または大史に命じて文書に作らせ発行した。「広辞苑」


                          天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久

 


 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月一回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。


                           天主君山現受院願成寺住職 魚 尾 孝 久

 

  

 

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▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
 現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
 ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開催日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場所
 願成寺庫裡
費用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。



お念仏と法話の集い(第2回)

 季節が移り変わるなかで、ふと日々の生活を省みることがあります。物はあふれるほどの豊かな時代になりました。しかし一方では、その中で暮らす人々の心は、いたずらに常に何かを探し求め、必ずしも安らかな日々を迎えられているとはいえません。
 時には、争いやいがみ合いに苦しんだり、冷たい心や、わがままな心に悲しみ、ただ何げなく毎日を過ごしている自分を見たとき、そこに何か物足りなさと、やりきれなさが、心の中にひろがってまいります。
 法然上人はそんな私達に「このいたらぬ私でさえもその身そのままで救われるお念仏」のみ教えをお示し下さいました。
 この集いは、5回にわたり順を追ってお念仏のみ教えをわかりやすく皆様にお伝えする法会であります。今までの我が人生とこれからの自己を深く見つめる機会でもあります。そして何時の日か「お念仏と法話の集い」に参加してよかったと思う日が必ずやってくると思います。
 お忙しいことと存じますが、万障繰り合わせて、この機会に勝縁なりますこの集いにご参加下さいますようおすすめいたします。

日   時
6月18日(土)11時より
会   場
善龍寺  御殿場市中畑
講   師
大正大学専任講師 林田 康順 先生
参 加 費
1,000円
申 込 み
6月10日まで願成寺に
持 ち 物
袈裟と数珠

 

墓地清掃

 恒例となりました、お盆の墓地清掃をおこないます。檀信徒総出でのお掃除の機会でもあり、また、「そうめん流し」も用意いたしておりますので、ご家族とともにご参加いただけますようお願い申し上げます。

日時
7月3日(日) 9時より(雨天決行)

 

7月のお盆棚経

 お盆の棚経は、「ご自宅へ伺っての棚経」 と 「お寺での棚経」 とがあります。6月下旬にハガキにてご案内申しあげますので、ご希望をお知らせ下さい。

「ご自宅での棚経」
7月13,14,15日のうちお伺いする日を連絡します。
「お寺での棚経」
7月13日(水)10時、13時いずれかに本堂へ。
前日までにお電話で連絡をお願いします。

 

お盆灯籠流しの販売

 7月16日(土)、三島市仏教会主催の「灯籠流し」が水泉園(白滝公園)でおこなわれます。7月3日より、灯籠を販売いたします。

 

8月のお盆棚経

 お盆の棚経は、「ご自宅へ伺っての棚経」 と 「お寺での棚経」 とがあります。7月下旬にハガキにてご案内申しあげますので、ご希望をお知らせ下さい。

「ご自宅での棚経」
8月13,14,15日のうちお伺いする日を連絡します。
「お寺での棚経」
8月13日(土)11時、本堂へ。
前日までにお電話で連絡をお願いします。

 

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。


ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

「燃えないゴミ(ビン・カン)」
市のゴミに出します
「土に返すゴミ(花・香花)」
寺にてチップにして土に返します
「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
寺にて土に返します
「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。