エスカレータで上がったところのカメラ


改札口のカメラ群


通路のカメラ群

 何年前からであろうか、新幹線が品川駅に停車するようになり、渋谷方面に向かうには大変便利になった。わたしもしばしば利用させていただき、便利さを享受している。

 新幹線が品川駅に到着すると、新しいホームに、新しい構内、そして在来線への通路と都会の匂いが迎えてくれる。ところが、最近気になることがある。防犯カメラの多さである。ホームにある安全確認のカメラは別として、まさしく利用者すべてをチェックする防犯カメラである。
 ホームから何台もあるエスカレータに乗って、コンコースに向かう。エスカレータを登り切るところで、まず最初に迎えてくれるのが防犯カメラである。エスカレータの登り口だけに逃れることはできないであろう。そして改札口に向かうと、そこには20台近いカメラが蟻1匹たりとも逃さない体制である。さらに在来線への通路には数メートルおきに設置されているのである。

 やはりその目的は防犯であろうが、新幹線で品川駅を利用すると、どれだけ撮られているのであろうか。東京駅や三島駅ではほとんど見ることがないが。
 街の防犯カメラは犯罪の抑止力になるばかりでなく、事件やひき逃げ事故の解決に役立ったという報道を聞く。

 また、最近では家庭の玄関に取り付けられているインターホンにもカメラが着いており、来訪者を確認できるようになっている。最近のインターホンは、そればかりかインターホンを押した人の録画を撮っているのである。

 防犯という名のもとに、あらゆる所で顔を撮られているということである。いささか面白くなく思う私である。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


(前話は、願成寺ホームページ「メルマガお申し込み」のバックナンバーにあります。)

第2巻「帚木」その18

 式部丞の体験談(博士の娘)その2

「さて、たいそう久しく訪ねることがありませんでしたが、ことのついでに立ち寄ってみますと、いつものくつろいた場所ではなく、不愉快にも物越しにて会うのです。不機嫌かな、ばかばかしく物笑いの種になるとも、また別れるのにはよい機会と思いましたが、この賢い女は、軽々しいもの恨みなどするはずもなく、男女の道理を承知していて恨むこともありませんでした。

 声もせかせかと言いますには、『この幾月か風邪の重きに絶えかねて、解熱の草薬を服して、大変に臭いので対面することができません。直接会いませんまでも、しかるべき用事などはうけたまわりましょう。』と、たいそう感心することに、まことにもっともに言うのです。それに何と答えますか。ただ『承知いたしました。』といって立ち帰りますに、物足りなく思ったのでしょうか、『この臭いがなくなりましたら、お立ち寄りください。』と大きな声で言いますのを聞き捨てますのも可哀想で、しかししばらく留まりますこともはばかられますので、その臭いも強いので、逃げ目を使って、

  【式部丞の歌】
  さゝがにの ふるまひしるき 夕暮れに
          ひるますぐせと 言ふがあやなさ
  (男が訪ねてくるときに蜘蛛のしきりに動くという夕暮れに、
   蒜(ひる)の臭いがなくなってから来いとは、道理が合わない。)

いかなる口実かと、言い終わりもしないで走り出ようとしますと、女は後を追って、

  【女の歌】
  あふことの 夜をし隔てぬ 仲ならば
          ひるまも何か まばゆかるべし
  (会うことの隔てることのない仲ならば、蒜の臭いがしても
   恥ずかしいことないでしょうに。)

さすがに賢い女だけにすばやく返しがありました。」

と、静かに申すと、君達はあきれて「作り話だ」といって笑う。「どこにそんな女がいるのか。おだやかに鬼とでもさし向かった方がよい。おそろしいことだ。」と指を打ちならしながら話にもならないと、式部を非難して、「もっとましな話をしろ」と責めるが、式部丞は「これより珍しい話があろうか」といってそこに座っている。


ささ‐がに【細蟹】
(平安時代以降、形が小さいカニに似ているところからいう) 蜘蛛くもの異称。また、蜘蛛の網い。源氏物語賢木「浅茅が露にかかる―」(広辞苑)

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


青表紙本源氏物語「帚木」(新典社刊)



 

第247回 辻説法の会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
12月15日(金) PM7:00〜8:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F 055-971-5591
講   師
大泉寺副住職 小島 健布 師
参 加 費
無料(珈琲、甘味などの茶菓代は各自でお支払い下さい。)
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、ひとりでも
多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
1月19日(金) 同時刻  善教寺住職 土山 和雅 師

 

修正会(新年会)のお知らせ

 恒例の新年の初参り、護持会総会、新年会を開催いたします。ご申込は、暮れのお参りの折、またお電話にて前日までにお願いいたします。

日   時
1月4日(木) 11時より
内   容
初参り、護持会総会、福引き、会食
会   費
2,000円
申 込 み
暮れのお参りの折、電話、E-mail(前日までに)

 

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。


ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

「燃えないゴミ(ビン・カン)」
市のゴミに出します
「土に返すゴミ(花・香花)」
寺にてチップにして土に返します
「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
寺にて土に返します
「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。


 

▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
 現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
 ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開催日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場所
 願成寺庫裡
費用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。

 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月一回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


 

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