願成寺ホームページは、 こちら(http://ganjoji.com/)です。

次回配信日は、12月15日です。



子供の時からお世話になったハワイのお檀家さんと家族の写真
(私は左から4人目、8歳)

 この一年間は本当に早く感じます。もう12月になってしまいましたね。今月はまた時間の速度が一層速まる気がします。日本では古くからこの月を「師走」と呼ばれるのは納得できます。一年の中でもはやり年末と言えば、どこもが特に忙しい時期ですよね。ハワイのお寺でも、お餅つきや除夜の鐘の準備でとてもバタバタします。ラハイナ浄土院では、除夜の鐘の後にお寺に来ていただいた大勢の皆様方にお餅や御節料理を召しあがっていただきますので、この料理の準備が大変です。1年お寺に色々とお手伝いしていただいた方々に感謝の気持ちをこめての御馳走なので、毎年母は頑張って何日もかけて御節料理を作ります。

 日ごろお世話になっている人たち、そして目に見えない阿弥陀様のご加護に感謝をすることは、年末になるとなぜか強く感じられます。このようなことは忙しい毎日のなかでは忘れがちですが、やはりこの時期になると、その1年間や人生のことを考えます。誰でも自分の人生を振り返る機会が何やら多くなると思います。例えば、除夜の鐘は108回鐘を撞きしますが、これは108の煩悩を払って、新しい年を迎える意味だと言われています。除夜の鐘は、一年を振りかえったり、人生のことを考えたり、自己反省をしたりする良い機会となります。

 アメリカはクリスチャンの人が多いので、年末年始よりクリスマスが重視され、家族が集まって、一緒に楽しいひと時を過ごします。クリスマスになると、よく人生のことや家族や人のことを考えたり、色々と自分のことを反省したりすることが、アメリカでは多いのです。テレビではチャールズ・ディキンズの「クリスマス・キャロル」というお話が(日本では「忠臣蔵」のようによく、「Sound of Music」と並び)、よく放映されます。心の貧しい主人公エバニーザ・スクルージが、過去、現在、未来の霊を訪れ、クリスマスの本当の意味、そして人生で一番大切なもの(人を愛すること、思いやること)を学ぶというお話です。

 やはり日本でも年末年始になると、どんなに忙しくても普段より人生のことをふっと考えたり、家族や周りの人のことを思ったりしませんか?そしてこの時期になると「今年は私にとってどのような1年だったかな」と思いませんか?

 この時期こそ、日ごろ当たり前にしていることに感謝を示すときだと思います。人間にとって一番大切なものは真心ではないでしょうか。真の心は、優しさと思いやりです。優しさは、決して弱さではなく、精神が強くなければなりません。思いやりは自分のことばかりではなく、周りの環境を意識して考えることです。世の中をよくしていくためには、やはり思いやりが大切です。これは小さい行為から始まると思います。
 例えば、よく道を歩いていると、ポイ捨てしている人を見ます(これは中年のサラリーマンには限らず、若い女の子や男の子も結構マナーが悪い人が増えてきたのか、よく見ます)。このような人は、周りのことを一切考えているとは思えません。ポイ捨てに限らず、他の人が始末したり、解決してくれ、自分の行為に責任を取らない人が(最近増えてきたのなのかどうか分かりませんが)多いと思います。

 我々は生かされていると認識すれば、無責任な行動や態度はとれないはずです。自力でやっているつもりが、じつは目に見えない阿弥陀様の大慈悲のなかに我々は生かされているのです。
 この年末年始はどうぞ手を合わせ、じっくりとこの一年、そして自分の人生を見つめ、家族や周りの人々に感謝をして、今ここに生かされている阿弥陀様を念じ、心から「南無阿弥陀仏」とお唱えください。

Wishing you and your family a wonderful winter holiday!
この一年有難うございます、良いお年を。また来年もよろしくお願い申し上げます。

 原 真 理


 団体客が降りた後の新幹線に乗った。乗客は私を含めて1車両に数人である。きっと今までの賑やかさが嘘のような静寂が車内を占めている。乗客は通勤客であろうか、一人ずつ座っており、話し声一つ聞こえてこない。
 「ひかり」号であるだけに、東京まで停車することなく、いわゆる電車が走る音だけが車内を支配している。いつもの日課であるが、これから大学で講義する資料に目を通す。

 ふと、耳なれない音が気になる。本から目を離して車内を見まわすがよく分からないまま、また本に目をやる。やはり気になる、何かカチャカチャする音である。改めて探索を始めると、2列前の女性が化粧をしている。化粧ポーチから次々と化粧品や道具?を取り出している。その瓶たちの触れる音であった。原因が分かると気にならなくなったが、「ひかり」号がかなりのスピードで突っ走る音のなかで、わずかな音が気になるのであろうか。
 今度は、それが解決できないと本に集中できない。急に「なぜだろう」と、この疑問に頭のなかは占領されてしまった。

 生活をしている限り、まわりからいろいろな音が聞こえてくるのはごく自然なことである。新幹線に乗っていれば、電車の走る音、風を切る音、わずかに聞こえてくる乗客の声(子供の騒ぐ声、酔っ払いの大声、携帯電話等は除く)と、いろいろな音がするが気になることはない。ときには電車に乗っているときはこの音が子守唄となり、おおかたの人は眠っているのである。
 やはり化粧品の音は、電車の中では聞きなれない音であるから気になったのであろう。人間は、いわゆる理解できないあるいは想定できない音だけに、気になるのである。新幹線のなかでは、電車の走る音は想定範囲であるので気にならず、やはり化粧の音は想定外の音であった。得心すると同時に化粧の音が気にならなくなった。

 人間は繊細な動物である。想定できる範囲ことは、音に限らずかなり過酷なことであっても対応できるものである。しかし想定できないことには、かなり警戒や不安を駆り立てるであろう。

 話は変わるが、妻が嫁いたばかりの頃、仏さまにお供えした林檎を食したところ、お香の匂いがするという。わたしは寺に生まれ寺で育ったので、林檎の香の匂いはまったく気になることはない。寺に嫁して充分の歳月をすごしている妻は、仏さまにお供えしたものを美味しくいただいている。きっと、想定内のことになったのであろう。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


大本山増上寺


 

暮れの墓地大掃除のお知らせ

 毎年12月の第2日曜日は、暮れの墓地および境内地の大掃除となっております。お忙しい折とは存じますが、ご家族でご参加下をお願いいたします。当日は「温かい豚汁」を用意いたしておりますので、お掃除終了後お召し上がり下さい。

日   時
12月9日(日) 9時より (小雨決行)
お 願 い
できますならばお掃除の道具をご持参下さい。
駐車場が少ないのでご注意下さい。

 

修正会(新年会)のお知らせ

 恒例の新年の初参り、護持会総会、新年会を開催いたします。ご申込は、暮れのお参りの折、またお電話にて前日までにお願いいたします。

日   時
1月4日(金) 11時より
内   容
初参り、護持会総会、福引き、会食
会   費
2,000円
申 込 み
暮れのお参りの折、電話、FAX、E-mail (前日までに)

 

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。


ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

「燃えないゴミ(ビン・カン)」
市のゴミに出します
「土に返すゴミ(花・香花)」
寺にてチップにして土に返します
「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
寺にて土に返します
「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。


 

▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
 現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
 ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開催日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場所
 願成寺庫裡
費用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。

 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


 

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