願成寺ホームページは、 こちら(http://ganjoji.com/)です。

次回配信日は、2月15日です。



餅つき1


餅つき2

 年末年始ハワイに里帰りをいたしました。今回は、お正月を迎える準備として、ラハイナ浄土院でおこなわれましたお餅つきのお話をさせていただきます。ハワイでのお盆踊りのように驚きかも知れませんが、ここにもまた日系文化を見ることができます。アメリカは多民族の国で、やはり様々な文化の風景を見ることができます。むろん、白人社会が一番目立ちますが、よく見てみますとさまざまな人種やいろいろなバックグラウンドの人たちがいます。英語ではよく diversity という言葉で、その多様性を表現します。

 毎年のことですが、ラハイナ浄土院では日系のメンバーの皆様が年をとり大変ながらも皆集まってお餅つきをします。たまに日本からハワイに冬のバカンスで来る方が、ラハイナ浄土院を訪ね、お餅つきに参加し、「ここは日本より日本らしい」とよく言います。日本の1つの伝統として、今でもハワイで見られる風景です。むろん、ハワイの日系人の独特な文化(例えば、ハワイ訛りのピジョン・イングリシュと自分の故郷の方言を混ぜて喋ったり、ハワイ風の日本料理を作ったりします)もありますが、やはり古きよき故郷の思い出を心に抱き、その文化を子供や孫たちに伝えたい気持ちで、日系人は様々なかたちをとりながら表現しています。その1つが、お寺や家族で、集まってお餅つきをすることです。

 初めて日本人移民が海を渡ってハワイに来てからはもう百年以上経っていますので、お盆踊りと同じく、お餅つきも日本人のような顔をしている人ばかりではありません。中にはお寺の近所に住んでいる人やお寺のメンバーの友達たちが、手伝いに駆けつけて来ます。ラハイナ浄土院では、12月28日の午前5時からかまどで火を焚き、もち米を蒸し、7時から2つの臼でつき始め、午後1時までかかります。お昼はつきたてのお餅を、お醤油や大根おろしや黄粉とお砂糖などで食べるのが毎年の楽しみです。

 お餅つきが終わったら、ハワイでも次の年中行事は大晦日の法要と除夜の鐘です。ラハイナでは夜の11時に様々な方が法要に集まり、引き続き108回の除夜の鐘を打ちます。そしてハワイ式に爆竹を鳴らし、そのあと皆お寺のパビリオンで簡単な御節料理を召し上がっていただきます。

 私にとって、メンバーたちが集まる姿は心が暖まる光景です。皆いつも笑顔で頑張っている姿が生き生きして素晴らしいのです。毎日、手を合わせて感謝の気持ちで南無阿弥陀仏と唱えるお祖父ちゃんとお祖母ちゃんたちの姿が目に浮かぶと、その真心と信仰心が素晴らしいのです。彼らの笑顔と頑張る姿に私は励ませられ、また自分も笑顔で頑張る気になります。お念仏を申すことは、本当の喜びを感じ、生き生きした毎日をおくることができることで、お餅をついている人たちには、それを感じるのです。

 原 真 理


 メルマガの「ネタ」がなくなると、しばしば登場した我が家の愛犬、いろいろと問題を起こすようになった。
 十数年前、就寝中に寺に泥棒にはいられ、私の小遣いを奪われた。台所の出窓を破り、居間に掛けてあった背広のポケットから、私のその月の飲み代を持っていかれた。警察によると、眼が覚めずに良かったという。はち合わせをすると、泥棒が強盗になり危険だという。
 私が鍵を閉め忘れたのならばいざ知らず、破壊してまでの侵入の対策を尋ねると、寺などの施設は防犯業者に警備を依頼すること、また犬を飼うのもひとつの方法であるとの一言が、犬を飼い始めたきっかけである。

 息子が犬を飼いたがっていた時でもあり、獣医さんに相談に乗っていただき、飼いやすさと少しでも威圧感のあるようにと黒いラブラドールを家族として迎えた。家来のできた息子には良き遊び相手であり、私ども夫婦にとっても、息子とともに鎹(かすがい)の役を務めてくれている。

 今年で16才になる犬は、人間でいうと大型犬であるだけに90才をとうに超えているという。さすがに老いは隠せず、介護を要するようになってきた。
 眼は半分も見えないであろう、最近はドライアイで目薬がはなせない、昔は目の前を横切る蟻にさへ興味を持ったのに、今は時に物にぶつかる。自分のウンチを踏んでしまう次第である。眠りから覚めると、すぐに餌箱に顔を突っ込む。先ほど食事は済ましているのに。食べることしか興味がなく、冷蔵庫の開け閉めには反応するが、庭先を通る人には全く関心が無くなってしまった。ご用聞きの人や出前の人に、犬は元気かと聞かれる始末である。大きな声では言えないが、防犯にはほとんど役に立たなくなってしまったといってよい。

 基本的には居間で飼っており、普段は居間とベランダとの境の柱に繋いである。用便などは、ベランダで用をたすように教育をした。しかし最近は用便をするためベランダに出て行くのであるが、後ろ足の力が弱り、排便スタイル(中腰の姿勢)が長く続けられないため、立ち上がって居間に戻って来てしまう。したがって用便はベランダで半分、居間に半分ということになる。
 食事は、我々も犬も同じ部屋で一緒に取る。犬はすぐに食べ終える。いや3分以内に食べ終えるようでなければ、どこか具合が悪いことになる。食べ終えると、時としてウンチである。いやはや我々は食事どころではない。女房はすぐに食事をやめて始末する。いやな顔をせず、テキパキとかたづける女房の姿に感動すら覚える。すべての処理が終わって、食事が再開される。

 人間と犬と一緒にしては申し訳ないが、人間でいえば介護度3というところであろうか。息子も世話をするのを厭わないように見受けられる。盃をかたむけながら、我が家の介護は完璧であると嬉しく思った。
 もし私が同じように要介護となったとき、女房は同じように始末や介護をしてくれるであろうか。息子がやさしく手を差しのべてくれるであろうか…………。いや私が先に要介護となるわけでは…………。

 我が家では、そろって犬によって介護の学習中である。

 老いぼれた犬の写真の掲載は、あまりにもかわいそうである。そういえば若々しいときに叔父が描いてくれた絵がある。写真の代わりとしたい。
 このこと、泥棒には他言無用である。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


画 魚尾昭夫氏


 

観音堂大祭(諸祈願)のお知らせ

 春のお彼岸に観音堂の大祭を厳修いたします。寺伝によりますと、頼朝公が三嶋大社に百日祈願の折、当願成寺を宿舎といたし、その願が成就いたしたことから「願成就寺」の寺号を賜りました故事により、諸願成就の祈願をおこないます。当日ご参加できません場合には、お札は郵送申しあげます。また、当日前年のお札等を炊きあげますのでご持参ください。当日は「餅まき」「模擬店」「野菜青空市」等を予定いたしておりますので、お誘い合わせてお出かけ下さいませ。

日   時
3月20日(春分の日) 【11時】法要、【12時】餅まき
祈 願 料
3,000円 特別祈願料 1万円
申 込 み
暮れのお参りの折、電話、FAX、E-mail (前日までに)

 

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。


ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

「燃えないゴミ(ビン・カン)」
市のゴミに出します
「土に返すゴミ(花・香花)」
寺にてチップにして土に返します
「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
寺にて土に返します
「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。


 

▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
 現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
 ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開催日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場所
 願成寺庫裡
費用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。

 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


 

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