願成寺ホームページは、 こちら(http://ganjoji.com/)です。

次回配信日は、3月1日です。



ゆべし

 メルマガを書いていると、台所に立ちたくなる。お茶をいれ、またコーヒーを立てる。お腹が空くと焼きそばを作り、時には天ざる蕎麦さへ作る。主婦から、「昼間、ひとりで自分のために天ぷらまで揚げるとは」驚愕される。ひとりの食事は、余り物でということであろう。
 このところ、焼売に凝っている。別に毒入り餃子が問題になったからではない。先週も今週も週に3日作った。毎日焼売を食べさせられる家族は、たまったものではないだろう。いや妻はおかずを作らなくてすむことを評価しているように思う。

 お寺の案内などを封筒詰めする作業の時は、そうでもない。大量の仕事であっても時間を経過すれば終わりがくるが、原稿を書くことはそうはいかない。パソコンに何時間向かったからといって、原稿ができあがるわけではない。
 思うように筆が進まないと、気分転換と称して台所に立つのである。いろいろな物を作るが、どうも「おつまみ」系が多いようである。原稿を書き終えたならば、一杯飲もうという魂胆であろうか。

 ちょうど1ヶ月前の原稿を書くにあたって、やはり作ったものが「ゆべし」である。先般、輪島に旅行したお檀家さんから「柚餅子」をいただき、美味しく頂戴した。広辞苑に「米粉・小麦粉・砂糖・味噌・胡桃くるみなどをまぜ、柚ゆずの果汁や皮を加えて、こねて蒸した菓子」とあるように、とても上品な和菓子である。
 これがきっかけで、おつまみの「ゆべし」の創作とあいなった。柚子、味噌、クルミ、松の実を用意。くり抜いた柚子に味噌、クルミ、松の実等を詰めて蒸す。軒先で寒風に1〜2ヶ月さらして完成である。薄く切って酒の肴とする。

 メルマガを続けていくには、これからも台所に立つことが多いであろう。調理?こそ、気分転換の最高のアイテムといえよう。
 メルマガが発信されたら、「ゆべし」を取り込んでおこう。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


(前話は、願成寺ホームページ「メルマガお申し込み」のバックナンバーにあります。)

第2巻「帚木」その30

 空蝉との出会い

 源氏の君は、小君が(空蝉とのことを)どのようにはからうであろうかと、まだ幼いことを心配しながら横になっておられるところへ、思うようにならなかったことを知らされると、女の珍しいほど退ける心のほどを、「わが身もたいそう恥ずかしくなってしまうことであるな」と、たいそう残念なご様子である。しばらくは何もお話しにならず、たいそううめいて、つれないことであると思っておられる。

 「帚木の 心をしらで その原の 道にあやなく まどひぬるかな
 (あなたさまの心も知らないで、あなたをもとめる恋の道に、迷い
  込んでしまったことであるな。)
申しあげる方もなくて。」
と、おしゃる。女もさすがにお休みになることができなかったので、

  数ならぬ 伏屋に生ふる 名のうさに
            あるにもあらず 消ゆる帚木
 (物の数にもはいらぬ卑しい家に生まれたことの辛さに、居ること
  もできない消える帚木でございます。)

と、申しあげた。
 小君はたいそうお気の毒に思われて、眠ることもできず戸惑い歩くを、女君は人が怪しく思うのを案ずる。

 供人たちは眠っているが、君はむやみにつらく思いになられ、女君のほかの人とは違った心の様子がなお消えず保たれているのが妬ましく、またこんな女であるからこそ心がひかれるのだと一方では思いながら、やはりつらいのでどうにでもなれとお思いになるけれど、思い切ることもできず、
「女の隠れているところに連れて行け」
と、おっしゃるが、
「たいそうむさくるしそうに籠もってしまいまして、人がたくさんおりますので、恐れ多くて」
と申しあげる。小君は気の毒であるともっている。
「よし、おまえだけは私を見捨てないでおくれ」

と、おっしゃって、小君をかたわらに伏せさせた。小君は君の若く慕わしいご様子をうれしくめでたいことと思っていたので、源氏の君は連れない人よりもかえっていとおしく思うのであった。

 (帚木 完)

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


青表紙本源氏物語「帚木」(新典社刊)



 

観音堂大祭(諸祈願)のお知らせ

 春のお彼岸に観音堂の大祭を厳修いたします。寺伝によりますと、頼朝公が三嶋大社に百日祈願の折、当願成寺を宿舎といたし、その願が成就いたしたことから「願成就寺」の寺号を賜りました故事により、諸願成就の祈願をおこないます。当日ご参加できません場合には、お札は郵送申しあげます。また、当日前年のお札等を炊きあげますのでご持参ください。当日は「餅まき」「模擬店」「野菜青空市」等を予定いたしておりますので、お誘い合わせてお出かけ下さいませ。

日   時
3月20日(春分の日) 【11時】法要、【12時】餅まき
祈 願 料
3,000円 特別祈願料 1万円
申 込 み
暮れのお参りの折、電話、FAX、E-mail (前日までに)

 

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。


ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

「燃えないゴミ(ビン・カン)」
市のゴミに出します
「土に返すゴミ(花・香花)」
寺にてチップにして土に返します
「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
寺にて土に返します
「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。


 

▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
 現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
 ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開催日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場所
 願成寺庫裡
費用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。

 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


 

本メールマガジンがご不要な方は、下記URLから配信を解除できます。

http://ganjoji.com/mlmaga.html (解除・退会)