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次回配信日は、8月1日です。



モンステラの涙


我が家のミニトマト


トマトの気根

 毎日モンステラの世話が始まった。朝起きると、とりあえずは水をやることである。水をやりながら全体の様子を、葉1枚1枚の観察をしていく。いわゆる毎日の健康診断である。 よくよく観ると、モンステラが涙を流しているではないか。葉先のあちこちに水滴がついているのである。部屋の明るいところが住まいであるので、決して夜露ではない。余った水分を、老廃物を出しているのであろうか。毎日新しい表情を見せてくれるのが実に楽しい。

 そういえば、トマトなどの野菜も同じ現象が観られる。トマト好きのために数本のミニトマトが、ハウスのなかで育っている。甘いトマトのために最小限の水しか与えないが、やはり涙を流す。
 たぶん苗の植え付け時、活着のため3回ほど水を与えたが、それ以降は、1度もやっていない。ハウスの周りからしみこんでくる水だけで育っている。トマトは何とか水分を調達するために、気根をはやし空気中の水分の獲得に余念がない。
 隣のナスは、浴びるほどに水をを与える。ナスは水で育てろというくらいである。同じナス科であるが、あまりにも対照的である。 

 収量は少ないのかもしれないが、実に甘いトマトがなる。家族だけの秘密である。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


(前話は、願成寺ホームページ「メルマガお申し込み」のバックナンバーにあります。)

第3巻「空蝉」その5「垣間見」

 空蝉は、源氏の君が自分のことをお忘れになられるのをうれしいことと思いながらも、あやしくも夢のような出来事が心から離れる折もなくて、安心して眠ることのできないことを、昼は心さだまらず、夜は寝られないので、春でもないのに木の芽の暇もなく嘆かわしいのに、碁を打った君は、「今宵はこちらへ」と、現代的に語って寝てしまった。若い人は何の心配もなくたいそうよく寝るのであった。

 衣づれの音の気配がして、たいそうよい香りがただように、顔をあげると単衣の帷子を打ちかけてある几帳の隙間に、暗いけれどそっと寄ってくる気配がはっきりと判る。あさましく思われて、ともかくも理解できず、やおら起きあがって生絹の単衣をひとつだけ着て、すべるようにして部屋を出てしまわれた。

 君はお入りになって、ただひとりで臥しているのを心やすくお思いになる。長押の下には女房がふたりばかり臥している。衣を押しやりて、女のところにお寄りになるに、この前の感じよりは大柄に感じられるが、女が変わっているとは思いもよらなかった。ぐっすりと眠っているとはあやしく変わっていると、少しずつ不思議に思って、あさましいことと不満に思われたが、人違いであると判ってしまうのもおもしろくなく、女も不自然にお思いになるだろう。目的の人を訪ねよっても、これほどまで逃れようとする心があるようなので、それも甲斐のないこととお思いになる。灯の影にみえた女ならば、それはそれでよいと思いになるも、こまった源氏の君のお心であろう。

 女は目が覚めて、たいそう思いもよらぬことにあきれた様子であるが、君は何ら女の心を気遣うこともない。男と女のなかを知らないほどよりはくだけた方で、かよわいばかりではない様子である。
 私がだれであるか知らせないようにお思いになるが、この女はどうしてこのようなことになるのであろうと、あとで思いめぐらすであろうことは、私には特別なことではないが、あのつれない人が必死に世間を気にしているのもさすがに気の毒なので、たびたび方違えにかこつけになられ、こうして逢いにきたことをたいそう説明なさる。ことの次第を考える人ならば、今日のことを心得るであろうが、まだたいそう若い様子なので、ものごとがわかっているようであっても分別はつかない。憎いとは思わないけれど、特別にお心が止まる気持もなかったので、やはりあのつれない人の心をいみじくお思いになる。
 どこかに隠れて、間抜けであると思っているのも、しつこい人は滅多にいないと思っているであろうとお考えになると、やはり、逃げた女のことがはっきりと思い出しになられる。

すずし【生絹】
生糸きいとの織物で、練っていないもの。軽く薄くて紗しやに似る。源氏物語空蝉「―なるひとへ」。日葡辞書「ススシ」、(反対語)練絹ねりぎぬ (広辞苑)

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


青表紙本源氏物語「空蝉」(新典社刊)


「空蝉」本文


 

第266回 辻説法の会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
7月18日(金) PM7:00〜8:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
願成寺 魚尾 孝久 師
参 加 費
無料
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
8月22日(金) 同時刻  植松鍼療院 植松 博 師

 

8月のお盆棚経

 お盆の棚経は、「ご自宅へ伺っての棚経」 と 「お寺での棚経」 とがあります。7月下旬にハガキにてご案内申しあげますので、ご希望をお知らせ下さい。

「ご自宅での棚経」
8月13,14,15日のうちお伺いする日を連絡します。
「お寺での棚経」
8月13日11時、本堂へ。
前日までにお電話で連絡をお願いします。

 

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。


ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

「燃えないゴミ(ビン・カン)」
市のゴミに出します
「土に返すゴミ(花・香花)」
寺にてチップにして土に返します
「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
寺にて土に返します
「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。


 

▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
 現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
 ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開催日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場所
 願成寺庫裡
費用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。

 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


 

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