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次回配信日は、9月1日です。



モンスター(キアゲハの幼虫、ミカンの葉を食い荒らす)

 米倉涼子が演ずる弁護士、高村樹季がモンスターペアレント(Monster Parent)とたたかうテレビドラマが話題を呼んでいる(フジテレビ、毎週火曜、夜10時)。いわゆる自己中心的な考えから無理難題を学校や教師に突きつけてくる保護者で、子供が不味いという給食費は払う必要がないとか、演劇の主役やリレーのメンバーを必要以上に要求する保護者たちである。番組では、モンスターペアレントを、「学校に対して理不尽な要求をくり返し、正常な学校運営を妨げる保護者を意味する和製英語である。当然、正当な要求や苦情を訴える保護者はここに含まれない。」と定義している。
 このような保護者の要求があると、学校や教員はその対応に時間と労力を奪われ、本来の教育に支障が生ずる。また、学校や教員にとっても負担が大きく、過労や精神的負担から休職するもの、自殺者までが出ているのが現実である。

 理不尽な要求が問題となっているのは教育界ばかりではなく、やはり病院などの医療機関で自己中心的で理不尽な要求や、医師や看護師に暴言・暴力をくり返す患者およびその保護者が多く、モンスターペイシェント(Monster Patient)と呼ばれている。
 また、産科医療機関では、分娩経過観察のため妊婦の内診をしたところ、男性医師の診察に同席の夫がセクハラであると抗議、失業中だから入院費は払えない、陣痛の妻を「こんなに痛がっているのに、何もしてやれないのか」と抗議など、モンスターハズバンド(Monster Husband)も大きな問題となっている。

 こうしたモンスターペアレント対策として、「教職員のための保護者クレーム対応マニュアル 」(学校リスクマネジメント推進機構刊)が刊行されるまでにいたっている。悪用防止のため教職員以外への販売は行なっていないという。

 ところで、自分の子供のことしか考えないモンスターペアレントは、どうも今始まったことではないようである。
 お盆の由来をたずねると、盂蘭盆(うらぼん)経に、つぎのごとくある。
  
   お釈迦さまの弟子で神通力にすぐれた目連尊者(もくれ
  んそんじゃ)が、その神通力で亡き母をみますと、餓鬼の
  世界に堕ちていました。お釈迦さまに相談いたしますと、
  「あなたの母は、あなたを愛するばかりで他を省みなかっ
  たようですね。その母を救うのに一人の力ではどうする
  こともできません。そこで、7月15日に修行を終えた僧が
  集います。その僧たちに飲食(おんじき)を施して供養なさ
  い。また、多くの人々にも同様に供養しなさい。そうすれ
  ばその功徳であなたの母も救われるでしょう」と導く

 目連尊者のお母さんも、ある意味でモンスターペアレントであったようだ。目連尊者のお母さんは、お釈迦さまによって救われたが、現実のモンスターたちはまだまだ横行するに違いない。
 最近は、若者も年寄りも、何か切れやすくなったように思われてならない。宗教者の責任はますます重くなってきていることを自覚せねばならない。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


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第3巻「空蝉」「屋敷からの脱出」

 この人(軒端荻)の生意気な心もなく若やいでいるので心を打たれ、やはり心を込めてお約束をなさる。
  「人に知られてしまったことよりも、このような心寄せのが気持が
  まさるものよと、昔の人もいっている。あなたも心をよせて下さい
  よ。多少立場というものがないわけではないので、心に任せるわ
  けにはいかないのです。またあなたのしかるべき人々もお許しに
  ならないでしょうから、胸が痛みます。忘れずに待って下さいよ」
など、なおざりにお話になられる。
  「人がどのようにお思いになるであろうことが恥ずかしく、お便り
  はできません。」
と、無心にいう。
  「世間に知らせたならば、あるまじきことです。この殿上童に伝え
  て申しあげましょう。気がつかれないようになさいなまし。」
などいって、あの女(空蝉)が脱ぎ捨てたと思われる薄衣をとってお出になられる。

 近くに臥している小君をお越しになられる。小君は、源氏の君を気にしながら寝たので急に目を覚まし、戸をそっと押しあけると、老いた女房の声で「あれは誰ぞ」と仰々しく尋ねる。小君はわずらわしくて、「私ですよ」と答える。
  「夜なかに、そなたはなぜ歩くのですか。」
と、ものしり顔に出口にくる。小君はわずらわしくて、
  「何でもないよ。ただここから出るだけだよ」
と、源氏の君を押し出し申すに、暁近き月の光がさし込んで、ふと人影が見えると、
  「さらにおいでになるのは誰ですか。」
と尋ねる。
  「民部のおもとのようだな。立派な背の丈であるな。」
背の高い人の常に笑われていることをいっているのであった。老いた女房は、小君が背の高い民部を連れて歩いていると思い、
  「今にも、小君も同じ背丈になりますよ。」
と言い、本人も戸口から出てくる。困惑するが、部屋へ帰すこともできず、源氏の君は渡殿口にへばりつき隠れておられると、この女房が近づきて、
  「おまえは、今宵はご主人(空蝉)にお仕えしておったのか、わた
  しは昨日より腹ぐあいが苦しくたいそうつらいので、自分のところ
  に控えていたが、人少なとお召しになったので、昨晩上がりまし
  たが、やはりつらくて。」 
と憂いている。返事も聞かないで、
  「ああ、腹が腹が。改めて。」
と、通り過ぎたので、源氏の君はやっとのことでお出になる。

 このような外出というものは、軽々しく危ういことだと、いよいよ懲り懲りになられたであろう。


てんじょう‐わらわ【殿上童】‥ジヤウワラハ
@(→)童殿上わらわてんじように同じ。
A蔵人所くろうどどころに属して殿上の雑事に使われた職。こどねり。(広辞苑)

わらわ‐てんじょう【童殿上】ワラハ‥ジヤウ
平安時代以降、宮中の作法を見習うため、名家の子供が殿上に仕えたこと。また、その子供。赤色の闕腋けつてきの袍ほうをつけるのを例とした。うえわらわ。てんじょうわらわ。源氏物語少女「せうとの―する」(広辞苑)

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


青表紙本源氏物語「空蝉」(新典社刊)


「空蝉」本文


 

第267回 辻説法の会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
8月22日(金) PM7:00〜8:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
植松鍼療院 植松 博 師
参 加 費
無料
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
9月19日(金) 同時刻  本法寺 清水 俊匡 師

 

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。


ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

「燃えないゴミ(ビン・カン)」
市のゴミに出します
「土に返すゴミ(花・香花)」
寺にてチップにして土に返します
「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
寺にて土に返します
「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。


 

▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
 現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
 ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開催日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場所
 願成寺庫裡
費用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。

 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


 

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