願成寺ホームページは、 こちら(http://ganjoji.com/)です。

次回配信日は、2月2日です。



大本山増上寺

 朝日コム1月13日に「モンチッチ」の35歳を記念した記事がある。

    今月26日に誕生35年を迎えるぬいぐるみ「モンチッ
   チ」の限定バージョンが11日、横浜人形の家(横浜市
   中区)で売り出され、午前10時の開館直後に完売し
   た。人形の家では昨年12月からモンチッチの企画展
   を開催中で、同月の限定バージョン2種も完売してい
   た。25日には4種類目が発売される。
    モンチッチは、東京都葛飾区の人形・ぬいぐるみメー
   カー「セキグチ」が、モンチッチくんとモンチッチちゃん
   が双子という設定で74年に発売。欧州やアジアでも
   人気を呼び、これまでに全世界で4千万個以上売れた
   という。

 モンチッチ生みの親はワシの良春(わしのよしはる)氏で、キャラクターデザイナーの第一人者あった。日立 世界ふしぎ発見!の『ひとし君人形』の作者でもあり、『宮崎をどげんかせんないかん様』人形は、氏の最後の作品となった。

 じつは、ワシの良春氏の葬儀を勤めさせていただいたのだ。古くからのお檀家さんである。多くの参列者とともに、モンチッチをはじめとする多くのキャラクターに見送られての葬儀であった。むろんモンチッチからも大きなお花が届けられていた。
 生前、「おもちゃのデザイン、みんなが考えるようなものではないよ」と語ってくれたことを思い出す。氏の情熱と厳しさが伝わってきた。

 ご子息リョウ氏が、ブログで父を語っている。

   父は作品に対して厳しかった。
   古くから父をご存知の業界の方なら周知の通り。
   ぬいぐるみのデザイナーでは草分けだった。
   父は、叱ると怒る。
   つまり、子どもを叱る時に重ねて怒られる。
   「お父さんはおもちゃを創っているんだ。
   お前を叱ると、お父さんは楽しくない。
   お父さんが楽しくないと、おもちゃが楽しくなくなる
   だろ。」
   半ば強引だが、解らなくもない理論だ。

 わたしにとって、モンチッチは、今ではただのぬいぐるみではない。ワシの良春氏の生きざまと重なっている。
 出棺の折、氏のデザインした印半纏を羽織った多くの地元人々の姿も、氏を語るものであった。

 改めて「南無阿弥陀仏」のお念仏をささげた。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


(前話は、願成寺ホームページ「メルマガお申し込み」のバックナンバーにあります。)

第4巻「夕顔」その2

 光源氏は、車を門のなかに引き入れて、お降りになる。随身惟光(これみつ)の兄の阿闍梨(あじゃり)、娘婿の三河守、娘などが集まっているところで、こうして君がお越しになられたよろこびを、無上のこととかしこまる。

 尼君も起きあがって、
   「惜しい身ではないけれど、この世を棄てがたく存じております
   ことは、ただこのように御前にお伺いしてお会いできなくなって
   しまいますことが、惜しく存じまして躊躇しておりましたが、受
   戒のおかげでよみがえりまして、こうしてお渡りくださいますお
   姿を拝見申しあげますと、ただ今は、阿弥陀仏の来迎も心清
   く待つことができます。」
など申しあげて、弱げに泣く。

君は、
   「近ごろ、ご回復の遅れるご様子を心配いたしておりまして、こ
   のように尼の姿でいらっしゃるのが、たいそういたわしく思われ
   ます。長生きをして、わたくしがさらに高い位になりますことな
   どを見守ってください。それでこそ、九品の上にも障りなく往生
   することができましょう。この世に少しでも恨みの残りますこと
   は、悲しいことと聞いておりますので。」
など、涙ながらおっしゃる。

 乳母のようにこどもを可愛がる立場の人は、欠点のある子でもあさましいまで大切になさるのに、この君のような方に終始お仕えできたことがたいそう名誉なことなのに、わが身までも案じてくれることが、畏れ多いと思われたのであろう涙がちである。
 みずから背いたこの世であるのに去りがたいかのように泣いているのを、子どもたちはたいそう見苦しいこと思って、突っつきあい目配せをする。


あじゃり【阿闍梨】〔仏〕(アザリとも。 軌範師・教授・正行と訳す)
@師範たるべき高徳の僧の称。
A密教で、修行が一定の階梯に達し、伝法灌頂により秘法を伝授された僧。
B日本で、天台・真言の僧位。

じゅ‐かい【受戒】
仏門に入るものが仏の定めた戒律を受けること。納戒。大鏡道長「―にはやがて殿のぼらせたまひ」

らい‐ごう【来迎】‥ガウ(ライコウとも)
〔仏〕臨終の際、仏・菩薩がこれを迎えに来ること。特に浄土門でいう。末灯鈔「臨終をまつことなし。―をたのむことなし」

く‐ほん【九品】〔仏〕
@極楽浄土に往生する者の生前に積んだ功徳の違いに応じて分けた九等の階位。上品・中品・下品げぼんの三品に、それぞれ上生・中生・下生げしようの三等がある。三三品さんさんぼん。観無量寿経に基づく。
A九品浄土または九品蓮台の略。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


青表紙本源氏物語「夕顔」(新典社刊)


「夕顔」本文


 

第272回 辻説法の会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
1月16日(金) PM7:00〜8:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
善教寺住職 土山 和雅 師
参 加 費
無料 (飲み物は各自でお支払いください)
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
2月20日(金) 同時刻  講師未定

 

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。


ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

「燃えないゴミ(ビン・カン)」
市のゴミに出します
「土に返すゴミ(花・香花)」
寺にてチップにして土に返します
「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
寺にて土に返します
「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。


 

▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
 現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
 ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開催日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場所
 願成寺庫裡
費用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。

 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


 

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