願成寺ホームページは、 こちら(http://ganjoji.com/)です。

次回配信日は、7月1日です。



紫陽花


女性専用車

 本格的な梅雨の季節になりましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。私は汗かきなので、湿っぽい季節は法衣が体にまとわりつき、うっとうしく感じます。ですので、この雨がなければ作物が実らないという、当たり前のことを自分に言い聞かせながら日々過ごしております。

 そんなことから、友人の女性から聞いた話を思い出しました。

 東京圏の鉄道では、しばらく前から通勤通学の時間帯に限って、「女性専用」という車両があります。大体1編成に1、2両です。「女性専用」といっても、小学校までの子供や高齢者、障害のある方などは乗車が可能になっています。
 「簡単に言ってしまえば、青壮年の男性はご遠慮下さい」ということで、この車両の目的は、痴漢被害を防ごうというものです。

 その考え方の良し悪しや痴漢対策の効果などは別にして、実際に乗ると、これが中々大変なのだそうです。
 大変というのは2つの意味があって、異性がいないことから来る精神的なものが1つ。教えてくれた友人は「女子高がそのまま動いているみたい」と表現していましたが、私には感覚的にはわかりません。
 もう1つ、これは物理的な現象で男性がいないということは、いる場合に比べて一人平均の筋力が圧倒的に低い。だから、カーブや発車時など一方向の力がかかると雪崩のように皆よろけるのだそうです。
 「骨折した人がいる」とも聞きました。押し付けられる力で肋骨が折れたそうです。「満員電車というのは、要所々々で踏ん張る男性がいるからバランスがとれている」としみじみ言っておりました。

 「いなくなってみて、初めて役に立っていたことがわかった。」

 彼女はそう申しておりました。続けて「いれば、いたで、うっとうしいこともあるけど。」とも言っておりましたけれど。

 そこで梅雨時にこの話を思い出したわけです。

 うっとうしく感じることもあるけれど、なくなると大変なもの。それがあるときは当たり前すぎてありがたみに気がつかないもの。
 あなたにとって、それは何でしょうか?

 国内開教使 林海庵中 八 幡 正 晃


(前話は、願成寺ホームページ「メルマガお申し込み」のバックナンバーにあります。)

第4巻「夕顔」その7(頭中将の忘れられぬ女)

 源氏の君をほんのわずかご覧になる人でさへ、関心を持たない人はいない。情緒も知らない山人でも花の影には休みたくなるのであろうか、この源氏も君を拝する人々は、それぞれの身分に応じて、自分のかわいいと思う娘をお仕えさせたいと願い 、あるはそれなりに思う妹などのいる人は、卑しい身分であっても、やはり君のおそばにお仕えさせたいと思わない人はなかった。
 まして、しかるべき折のお言葉でも心ひかれる者で情趣を知る人は、どうしておろそかに申しあげることができようか。
 君が朝夕につけてお出ましになられないのを、中将は心もとなく思っているのであった。

 そうそう、惟光に預けた垣間見のことは、たいそうよく調べて申しあげる。

  「誰であるのかまったく見当がつきません。人目にた
 いそう隠れている様子でございますが、つれづれな折
 には南側の半蔀のある長屋に渡ってきて、車の音な
 どがすると若い者などが覗き見などをするようで、こ
 の主と思われる女も近づいて来るようでございます。
 顔立ちはほのかにしかみえませんが、たいそうかわい
 らしくてございます。
  ある日、前駆払いして通る車がございましたのを覗
 いて、童女が急に「右近の君、早くご覧なさいませ。
 中将殿がこれからお渡りでございます。」というと、さ
 らに立派な大人が出てきて、「ああやかましい」と注
 意をして「どうしてそうわかるのか。出てみよう。」とや
 って来る。打橋のような道にて通ってこられます。急い
 で来たので、衣の裾を者に引っかけよろけ倒れて端
 から落ちそうなので、「いや、この葛城の神は、なんと
 いう作りであるか。」と、覗き見の気持も失せてしま
 ったようです。
  「君は直衣姿で御随身どももおりました。だれ、か
 れ。」など数えたのは頭中将の随身や小舎人童を証
 拠にいっているのでした。」

と申しあげると、

  「たしかにその車のあるじを見るべきであった。」

とおっしゃて、もしも雨夜の品定めで頭中将が忘れることのできない、あの風流な人ではとお思いになり、たいそう知りたそうなご様子である。

  「わたくしの懸想もたいそういたしまして、案内を充
 分にしてくれるようにしておきながら、わたしも同じ仲
 間の女房としてものをいう若い人がおりますが、隠れ
 て通っております。」

など語って笑う。君は「尼君の見舞いにいくついでに、垣間見させよ」とおっしゃた。
 仮であっても住まいのことを思うに、これこそ頭中将がきめつけた下の品であろう。そうしたなかに思いの外におもしろいこともあるのかもと、お思いになるのであった。

 惟光はいささかのことであっても,君の御心にたがうことのないようにと思っているので、自分も女にはこよなき好き心があるので、このように細かに歩きながら、しいて君がお通いになられるようになさった。
 このあいだのことは煩わしくなるので、いつものように書くことはいたしません。


かいま‐み【垣間見】
(カキマミの音便)かいまみること。物の透き間からのぞき見ること。源氏物語(夕顔)「かの惟光があづかりの―は」(広辞苑)

は‐じとみ【半蔀】
上半分を外へ揚げるようにし、下ははめこみになった蔀。こじとみ。源氏物語(夕顔)「かみは―四五間ばかり上げ渡して」

ぜん‐く【前駆】
(古くはゼング・セングとも)騎馬で先導すること。また、その人。さきのり。さきけ。先駆。平家物語(1)「―(せんぐ)御随身(みずいじん)どもがもとどりきつて」

うち‐はし【打橋】
@かけはずしのできる、板や材木の橋。万葉集(2)「上つ瀬に石橋渡し下つ瀬に―渡す」
A建物と建物との間に仮にかけ渡した板の橋。源氏物語(桐壺)「―、渡殿のここかしこの道に

かずらき‐の‐かみ【葛城神】 カヅラ‥
葛城山(かつらぎさん) にいた一言主神(ひとことぬしのかみ)。役小角(えんのおづの)の命により葛城山と吉野金峰山(きんぶせん)の間に岩橋を架けようとしたが、容貌の醜いのを恥じて夜だけ働いたために完成しなかったという。

け‐そう【懸想】 ‥サウ
(ケンソウのンを表記しない形)異性におもいをかけること。恋い慕うこと。求愛すること。けしょう。源氏物語(若紫)「まことの―もをかしかりぬべきに」。「人妻に―する」

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


青表紙本源氏物語「夕顔」(新典社刊)


「夕顔」本文


 

第277回 辻説法の会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
6月19日(金) PM7:00〜8:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
福泉寺住職 岩佐 善公 師
参 加 費
無料 (飲み物は各自でお支払いください)
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
7月17日(金) 同時刻  願成寺住職 魚尾 孝久 師

 

墓地清掃

 恒例となりました、お盆の墓地清掃をおこないます。檀信徒総出でのお掃除の機会でもあり、また、「そうめん流し」も用意いたしておりますので、ご家族とともにご参加いただけますようお願い申し上げます。

日   時
7月5日(日) 9時より(雨天決行)

 

7月のお盆棚経

 お盆の棚経は、「ご自宅へ伺っての棚経」 と 「お寺での棚経」 とがあります。6月下旬にハガキにてご案内申しあげますので、ご希望をお知らせ下さい。

「ご自宅での棚経」
7月13,14,15日のうちお伺いする日を連絡します。
「お寺での棚経」
7月13日10時、13時いずれかに本堂へ。
前日までにお電話で連絡をお願いします。

 

お盆灯籠流しの販売

 7月16日、三島市仏教会主催の「灯籠流し」が水泉園(白滝公園)でおこなわれます。7月5日より、灯籠を販売いたします。

 

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。


ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

「燃えないゴミ(ビン・カン)」
市のゴミに出します
「土に返すゴミ(花・香花)」
寺にてチップにして土に返します
「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
寺にて土に返します
「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。


 

▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
 現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
 ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開催日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場所
 願成寺庫裡
費用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。

 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


 

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