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次回配信日は、8月1日です。



寺号標札


ご本尊阿弥陀如来さま

 かねてより準備をして参りましたが、去る7月1日をもって私のところが正式にお寺として認められました。「浄安寺」という名前で、神奈川県相模原市にあります。
 新しいお寺と申しても、まだ普通の家の一部を改装して、御本尊様をお招きいたし、ちょっとした御法事などができる程度です。外見は一般の民家そのものですが、そうはいっても新しくお寺を始めるということも、なかなか稀なことでありますので、何回かその経緯を書いてみたいと思います。

 私がまだ京都の道場で修行中だったころ、浄土宗に「国内開教使」という制度ができました。この制度にはいくつかの目的がありますが、その1つが大都市、主に東京の周辺地域でのベッドタウン化が進み、人口は増えたけれども寺院の数は江戸時代のまま、という大変つりあいの悪い状態を解消しよう、ということでした。
 当初から興味はあったのですが、本格的に国内開教使の志望を固めたのは昨年の冬のことです。ですからおよそ1年半で開教使として任命され、また新しくお寺として認めていただいた、ということになります。

 世間一般の感覚では決めてから1年半もかかっているという事実は決して早いとは思えないかもしれませんが、実際のところ、私は大変幸運に恵まれていましたので、これは非常に早い結果です。

 何が幸運かといえば、まず浄土宗の側で実務を担当していた方が自分の中学校の同級生だったこと。私たち僧侶の世界は、何かしらのつながりがあることが多いのですが、それでもこれは大変珍しいことではあります。
 さて、この方は非常に公正な方ですので、同級生だから何か手心を加えてくれる、といったことは一切ありませんが、私にとっては、何事につけても相談しやすく、尋ねやすいといった恩恵がありました。

 無論手続きというものは定められていますので、その通りに進めれば良いのですが、実際には細かな部分というものは、往々にしてやってみなければ分からないものです。そんな時に担当者が全く面識のない方だと、やはり気後れしてしまいがちです。そのような意味合いで、心強い味方でした。
 しかも、彼が開教関係の担当になったのが昨年の四月からでした。全く、これを幸運といわずして何を幸運と言うべきでしょう。

 この他にも、ある方から制度ができた時の担当の和尚さんをご紹介いただいたり、以前から親しくご指導いただいていた和尚さんが、浄土宗内で現代の布教を研究する研究員で、貴重な助言をいただいたり、ということもありました。
 あまり付き合いの広くない私の交友範囲の中に、なぜかそういう方面の方が多くいる、こういうことは計画してできることではありません。

 ですから、このように早くものごとが進んだのは、全くもって運が味方してくれたからと言えましょう。

 自分が発願したのですから努力するのは当たり前のことですが、それ以上に私が気にかけていたのは、自分の力で進んでいると勘違いしないようにすることでした。
 人間は愚かなもので、順風の時は自分の力だと思いがちですから。

 浄安寺住職  八 幡 正 晃


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第5巻「夕顔」その8(夕顔に魅せられる光源氏)

 その女が誰であるかもお尋ねにならず、君も名乗ることはなさらず、たいそうやつれた格好で、いつもとは違って歩いてお出かけになられるのは、特別なお気持ちと思われるので、惟光は自分の馬を君にゆずられてお供に走り歩く。「懸想人のたいそうみすぼらしい足もとを見られてしまうのも辛いことですな」といいながらも、人に知らせぬままに、かの夕顔のことを知っている随身と、相手に知られていない童ひとりばかりを連れてお出かけになる。もしも女のことが知られてしまうのではと、隣(乳母)に中宿りもなさらない。
 女も、たいそう不思議に思って、君からの使いの人の後をつけさせたり、君のお帰りのおりなどはお住まいを知ろうとするが、さすがにかわてしまい、それでいて逢わずにはいられないほど、御心にかかるので、軽々しいことと思い返しになられても、たいそうしばしばお出かけになる。

 こうした恋のことには、まじめな人ほどとり乱すことがあるのだが、今まではたいそう簡単にうまくして人の咎めを受けるようなことはなかったが、今度は不思議なまで、今朝別れたばかりで、また夜には逢うことのできることであるのにお苦しみになる。
 一方では、 もの苦惜しいほどのことではあるまいと、気をお静めになろうとなさるのだが、女の気配はたいそう柔らかでおおようであり、もの深く重き方については遅れており、ただただ若いようであるが世の中を知らないというわけでもなく、高い家柄の女というわけでもなく、どこにこんなにまで心が留まってしまうのであろうとお思いになる。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


青表紙本源氏物語「夕顔」(新典社刊)


「夕顔」本文


 

お盆灯籠流しの販売

 7月16日、三島市仏教会主催の「灯籠流し」が水泉園(白滝公園)でおこなわれます。7月5日より、灯籠を販売いたします。

 

第278回 辻説法の会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
7月17日(金) PM7:00〜8:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
願成寺住職 魚尾 孝久 師
参 加 費
無料 (飲み物は各自でお支払いください)
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
8月21日(金) 同時刻  常林寺住職 山田 太壱 師

 

8月のお盆棚経

 お盆の棚経は、「ご自宅へ伺っての棚経」 と 「お寺での棚経」 とがあります。8月上旬にハガキにてご案内申しあげますので、ご希望をお知らせ下さい。

「ご自宅での棚経」
8月13,14,15日のうちお伺いする日を連絡します。
「お寺での棚経」
8月13日11時、本堂へ。
前日までにお電話で連絡をお願いします。

 

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。


ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

「燃えないゴミ(ビン・カン)」
市のゴミに出します
「土に返すゴミ(花・香花)」
寺にてチップにして土に返します
「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
寺にて土に返します
「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。


 

▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
 現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
 ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開催日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場所
 願成寺庫裡
費用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。

 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


 

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