願成寺ホームページは、 こちら(http://ganjoji.com/)です。

次回配信日は、3月15日です。




河津桜


河津桜の木肌

 最近、河津桜(かわづざくら)がブレイクしているようである。ちょうど今が満開の時期であり、多くの人が訪れているようである。伊豆というので新幹線の三島で降りてタクシーに乗り、「河津まで」とくるお客があるという。まず料金が2万円以上かかること、そして何よりもルートがひとつしかないので渋滞により何時に着くかわからないことである。普段であれば90分もあればよいが、シーズンは違う。数年前であったが、4〜5時間かかった経験がある。また出かけてみたいと思うが、渋滞を考えると二の足を踏む。
 しかし、河津川沿いに3qに及ぶ桜並木は壮観であり、ソメイヨシノと違い見頃が1ヶ月にも及ぶところがよい。各種イベント、夜のライトアップと、期間200万人にも及ぶ花見客で賑わう。周囲は山に囲まれ、普段は川沿いの静かでのどかな町が、大都会の雑踏と化すのである。散策路は、暮れのアメ横と違わない人出である。

 河津桜は、その公式サイトの「河津桜の由来」によると、次のごとくある。
   河津桜の原木を、河津町田中の飯田勝美氏(故人)が1955年(昭
  和30年)頃、偶然発見したさくらの苗を、現在地に植えたものです。
  1966年(昭和41年)から開花が見られ、1月下旬頃から淡紅色の花
  が約1ヶ月にわたって咲き続けました。
   伊東市に住む勝又光也氏は1968年(昭和43年)頃からこのサクラ
  を増殖し、このサクラの普及に大きく貢献されました。
   一方、県有用植物園(現農業試験場南伊豆分場)は、賀茂農業改
  良普及所、下田林業事務所(現伊豆農林事務所)や、河津町等と、
  この特徴ある早咲きサクラについて調査をし、このサクラは河津町
  に原木があることから、1974年(昭和49年)にカワヅザクラ(河津桜)
  と命名され、1975年(昭和50年)には河津町の木に指定されました。
   カワヅサクラは早咲きオオシマザクラ系とヒカンザクラ系の自然
  交配種と推定されています。

 ある人が河津桜の幹を見ている。花に見とれている人は大勢いるが、幹に関心を寄せているのはその人だけであろうか。曰わく、「きれいな肌ですね!桜細工の茶筒と全く同じなんですね。」、桜の皮を利用した細工物はたくさんあり、総皮茶筒は数万円もする。秋田の角館の製品が有名であろうか。山桜の樹皮を磨き上げて桜皮の光沢の美しさを活かしたものである。

 必ずしも、河津桜の樹皮が皮細工に適しているとは思われないが、いろいろな人がいることに感心させられた。きっとその人は、すてきな桜皮製品を持っているのであろう。
 お花見で、こんなことを見ている私も同類であろうか。わたしを知る人は、肯(うなず)くのであろう。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久








 花粉が舞う季節になりましたが、花粉症など大丈夫でしょうか?私は、花粉が飛んでいるのを見かけるだけで鼻がムズムズしてしまいそうです。

 さて今号は、私がボランティアに行かせていただいている「きぼうのいえ」について書かせて戴こうと思います。
 「きぼうのいえ」は、身寄りのない人々向けのホスピスであり、東京の山谷地区にあります。初期は山谷ドヤ街でホームレスやドヤで末期ガンなどになったターミナル期の人々のためのホスピスでしたが、今では山谷だけではなく、身寄りのない人や生活保護の人なども受け入れています。
 私はあるご縁で、3年前からボランティアをさせていただいています。主に事務方をしていますが、介護方や聴聞、亡くなった方の生前の希望などによっては葬儀もおこなっています。入居者の中には様々な人がいますが、きぼうのいえに一番長くいらっしゃる方に、東京タワーを建てる際に鳶をしていたAさんがおります。今は失明されてしまいましたが、どのように東京タワーが建てられたのかなどのお話には感心させられてしまいます。また、Aさんによると、東京タワー建造時には、建造に関わった労働者が山谷地区にも多くいたようです。
 東京タワーは我が浄土宗の大本山増上寺のすぐ隣にあり、修行中には毎日見上げていたことから馴染みが深く、Aさんから東京タワーの話を聞くのが楽しみの一つとなっています。

 ところで、この山谷地区は台東区、荒川区にまたがった地区にあり、今何かと話題の東京スカイツリーをよく見ることができます。しかし、東京タワーの話を聞くと山谷地区からスカイツリーがよく見えることが複雑に感じてしまいます。もちろん、電波塔としての役割としてスカイツリーが必要なことは判ります。それでも、作った人たちが多くいたと言われる山谷からスカイツリーが日に日に大きく見えてくるというのは、一つの時代の流れと言いますか、何かAさん達の時代が移りゆく寂しさみたいなものを感じてしまいます。
 Aさんのお部屋には東京タワーの模型が置かれていて、東京タワーを建てたという誇りが感じられます。スカイツリーと東京タワー。世代交代ではありませんが、一つの時代が変わる時なのかもしれません。

 「やっぱ、東京タワーがいいね!」とAさんに言うと、「当然だ!俺が建てたんだから」と誇らしげに答えてくれるAさんの表情を見ると、東京タワーには色々なドラマがあるんだなぁと改めて思うようになりました。
 東京のどこかで東京タワーを見た時に、東京タワーを建てた人たちの様々な思いやドラマがあるのだと思い起こしてもらえればと思います。そして、スカイツリーも同じようにドラマを紡いでいくのだと思います。

 天主君山現受院願成寺副住職
 魚 尾 和 瑛


東京タワー


スカイツリー









第298回 辻説法の会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
3月25日(金) PM7:00〜8:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
整体師 泉  洋 師
参 加 費
無料 (飲み物は各自でお支払いください)
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
4月15日(金) 同時刻  書家 米倉 隆紀 師

 

観音堂大祭(諸祈願)のお知らせ

 春のお彼岸に観音堂の大祭を厳修いたします。寺伝によりますと、頼朝公が三嶋大社に百日祈願の折、当願成寺を宿舎といたし、その願が成就いたしたことから「願成就寺」の寺号を賜りました故事により、諸願成就の祈願をおこないます。当日ご参加できません場合には、お札は郵送申しあげます。また、当日前年のお札等を炊きあげますのでご持参ください。当日は「餅まき」「模擬店」「野菜青空市」等を予定いたしておりますので、お誘い合わせてお出かけ下さいませ。

日   時
3月20日(日) 【11時】法要、【12時】餅まき
祈 願 料
一般祈願料 3,000円  特別祈願料 1万円
申 込 み
お彼岸のお参りの折、電話、FAX、E-mail (前日までに)

 



お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。



ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

「燃えないゴミ(ビン・カン)」
市のゴミに出します
「土に返すゴミ(花・香花)」
寺にてチップにして土に返します
「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
寺にて土に返します
「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。








▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開催日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場所
 願成寺庫裡
費用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。







 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久


 







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