願成寺ホームページは、 こちら(http://ganjoji.com/)です。

次回配信日は、6月1日です。




鈴蘭


法要看板


ダライ・ラマ法王


本堂内写真

 「なぜこのようなことが」という出来事が、人生にはしばしば降りかかります。それは大切な人との別離であるかもしれませんし、他者からの謂われのない仕打ちであったりするかもしれません。そのようなとき人は心から孤独になり、明日への光すら目に映らなくなってしまうこともあります。
 3月11日の被災ぶりを遠く横浜から目にしたとき、光はどこにあるだろうかと、私は途方に暮れました。規模があまりにも大きすぎ、不幸な目に遇った人々のあまりの多さを知るにつけ、被災してはいない自分がむしろ自失していることを、ふと思い知らされたのです。仏教徒のひとりとして、祈ること以上に何かできるだろうかと思いました。
 そのような折りに、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世の言葉を、直接に聞くことができました。さる4月29日、大震災の犠牲となった人々を悼む「四十九日特別慰霊法要」が、東京・護国寺で営まれたのです。約3000人の参加者たちをまえに、猊下はこのようなことを述べられていました。
 「私たちは国を失って以来、沢山の困難な状況に直面してきた。しかしそのような状況においてこそ、自分自身の精神をますます高めてゆくことができた。自分の内なる力というものを、高めることができた」
 悲劇に打ち負かされるのではなく、自分の状況を見極め、そして前を向いて将来に進んでほしいとも猊下は語りました。言い方としては平素ですが、困難をくぐり抜けて来た者の言葉の強さと祈りへの気持ちが、そこにはまっすぐに表れているように思われました。
 「なぜこんなことが」を、それでも次へ進む際の活力源としなければならないのです。そのなかにこそ心の成長があり、それは結果として必ずついてくると、猊下は伝えているようでした。
 5月に可憐な花をつける、スズランを描きました。小花が房状になって花茎に吊り下がるその様は、珠を連ねた数珠にも似ています。その花弁ひとつひとつに念をこめるようにして、内なる声と共に祈りを捧げました。悼み弔いつづけることで、光は向こうから射してくると信じています。

 国内開教使・桂林寺住職  永 田 英 司








 我が静岡県の電力事情は、富士川を境として中部電力と東京電力に分かれる。浜岡原子量発電所の運転中止にともない、県下の電力事情は著しく不安の要素を呈してきた。原発の中止による安全の担保として、何を差し出すのかが見えてこないところに不安があるのかもしれない。
 また浜岡原発運転中止の背景には、予測されている東海地震による安全確保にあることは明確であるが、東京都民1千3百万人の避難が不可能であることや首都を守るということが見え隠れする。今回の東日本大地震が「未曾有のこと」「千年に一度のできごと」「想定外のこと」であるというならば、それは我々人間が感知できない世界であるので、いずれの原発についてもいえることである。

 東京電力の営業範囲である三島は、計画停電に翻弄させられた町でもあった。我が寺でも、防犯灯は別として、不要な電気は無論のこと小まめに電気を消して歩き節電に努めた。普段と違って、今回は家族も協力的であった。
 震災後1ヶ月の電気料金こそ、家族の節電の効果がわかるものである。内心、1割の節電効果、うまくいけば政府が企業に求めている15%の節電に迫るのではなかろうかという期待があり、この夏の我が寺の節電計画の前提にもなろうとの思いであった。しかし、無情にも節電効果はまったくと言ってよいほどなかった。あの努力はどこに行ってしまったのであろうか。住職という立場からは検証しなければならない。
 確かに計画停電で電気が止められていることや家族の節電により、使用量は押さえられたかのように見えた。しかし、余震からの不安で外出が控えられたこと、会合やイベントが中止になり、家族全員が家に居ることが多かったことにより、電気の消費が増えたように思われる。もし地震がなかったならば、家族はそれぞれの行動をとり、日中などは外出をして誰もおらず、大方の電気は消され防犯装置の稼働だけとなろう。
 家に留まる家族は、それぞれの生活スタイルとなる。わたしは事務所で仕事を、妻は居間で………、息子は自分の部屋で………。電気を消して瞑想にでもふけっていない限り、それぞれの部屋で照明と電気器具が電力の消費となる。家族の自宅での活動が電力消費を押し上げ、小まめに消して歩くという努力を相殺してしまったのである。
 4月分の電気使用量は15%の減となったが、これは節電の効果ではなく、暖房の空調が止まったからであり、家族の節電努力とは言いがたい。住職という立場からは、積極的な節電計画を立てなければならない。

 ところで夜に計画停電がある時には、夕食は電灯のついている時間帯に済ませてしまい、風呂は停電が終わってからと言うことになる。本堂から拝借してきた大きなローソクを居間にたてて居ることになる。必然的に家族が集まることになるが、2時間ほどすれば明かりが戻るという安心感があるので比較的悲壮感はない。何もすることがない家族が、久しぶりにとりとめのない会話をすることとなった。正直、停電でもなければありえない「ひととき」であり、楽しいものであった。

 晩酌は顰蹙(ひんしゅく)をかった。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


竹とんぼの先祖(紅葉の種)









東北地方太平洋沖地震義援金のご報告

 お彼岸のあいだ玄関でお寄せいただきました「東北地方太平洋沖地震義援金」 と 観音堂大祭の経費の一部を、浄土宗を通し見舞金といたしまして被災された方々にお送りいたしました。誠にありがとうございました。

「義援金箱」
      77,303 円
「観音堂大祭経費」
     100,000 円

 

第300回 辻説法の会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
5月20日(金) PM7:00〜8:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
養雲寺住職 青野 溥芳 師
参 加 費
無料 (飲み物は各自でお支払いください)
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
6月17日(金) 同時刻  福泉寺住職 岩佐 善公 師

 

大施餓鬼会のお知らせ

 本年もお施餓鬼会法要を、下記のごとく厳修いたしたくご案内申しあげます。ご先祖の供養とともに、一日ではありますが、みほとけの教えにふれます良い機会ともいたしたく存じますので、お誘いのうえお申し込み下さい(当日ご参加できません方には、当寺にてお塔婆をお墓に立てさせていただきます)。

日   時
5月30日(月)  【14時】法要
法   話
長谷川 三恵 先生 (戒法寺寺庭)
パネルシアター
供 養 料
3,000円
申 込 み
お参りの折、電話、FAX、E-mail(前日までに)

 



お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。



ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

「燃えないゴミ(ビン・カン)」
市のゴミに出します
「土に返すゴミ(花・香花)」
寺にてチップにして土に返します
「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
寺にて土に返します
「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。








▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開催日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場所
 願成寺庫裡
費用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。







 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久


 







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