願成寺ホームページは、 こちら(http://ganjoji.com/)です。

次回配信日は、6月15日です。




願成寺施餓鬼法要(5月30日)

 あるお檀家さんがお参りに見えた。そして癌であることを告げた。

 「わたし癌なんです。そう長いことはないと思います。近くなのに、もうお寺まで歩いて来ることができません。車なら何とか。あとを宜しくお願いします。」

 淡々と、自らの癌のこと、そして余命幾ばくもないこと、あとを頼むことを話されました。私の返事は、「はい」の一言である。何か返事をと思うが、住職として何一つ言葉が見つからないのである。ただ、お檀家さんの話を静かに聞くことしかできなかった。今でも、何と返事をすればよいのかわからない。きっと、お檀家さんも何か返事を求めて話されたのではなく、報告をなされたかに思う。

 身近な人が、そう遠くない最期の日に向かっていることを思うと、その人の心が思いやられる。癌そして死を告知された時のお気持ち、避けることのできない事態を奥さまやお子さまとどのように共有されたのでしょうか。そして最期をどのように受容されたのでしょうか。そこには計り知れない葛藤があられたと思います。なぜ自分が癌にならなければならないのか、自らのことに置き換えて考えるのですが、所詮、置き換えは私にとっては現実ではないのです。何ら言葉が出てこないのです。
 そしてそのままご葬儀を勤めさせていただきました。

 お会いしたときのお顔が絵画のごとく脳裏に焼き付けられ、決して忘れることがない。年忌法要は無論のこと、お墓の前を通ったとき、奥さまにお会いしたとき、そのお顔とお姿が思い出される。同時に「宗教とは」「仏教とは」「僧侶とは」と考えさせられるが、答えは出てこない。ただ、いろいろなことを考えさせてくれた方として、大切にしている。

 ご浄土で再会するのが楽しみである。そのときには、きっといろいろとお話ができるように思われる。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久








 今年も梅雨の季節がやってきました。例年になく台風が早く日本に接近したりと、今年は自然の脅威を感じることが多い年のようです。

 さて今号では、「花まつり」について書こうかと思います。6月号でなぜ「花まつり」?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、私の所属している宗教学研究室の授業の一環として、去る5月8・9・10日に「花まつり」をおこないました。4月におこなう所もありますが、旧暦でおこなったので5月となったわけです。
 大正大学が支援しているNPO法人「でもくらしぃ」は、巣鴨地蔵通りに庚申塚商栄会と共に地域交流点として、コミュニティスペース「大正さろん」を設立しており、「花まつり」は「大正さろん」にて利用者の方々、地域の方々と一緒におこなわせていただきました。さらに、今年は東日本大震災で亡くなられた方々の追悼も一緒にお勤めし、10日には巣鴨地域の空襲を経験された方のお話もしていただきました。
 私は研究室に入って一年目なので、諸先輩方に教わりながら準備や、来られた方々とお話させていただきました。日頃、お寺においてお檀家さんと話すことは多いのですが、こういう機会を持っていろいろな方々とお話をするのは初めての経験でした。二日目には、「花まつり」の法要の導師もさせていただき、緊張の連続でした。

 甘茶を振る舞いながら、学部生や大学院生、利用者の皆さん、地域の方々、通りがかった方とも、仏教について時には悩みごとなどについてお話をしていると、これも一つの僧侶の姿なのだろうと思いました。6年程、総本山知恩院で天幕伝道という、境内で参拝の方々に法話を聞いていただくということをしていますが、地域の方(大学周辺に住んでいらっしゃる方々)に法話を聞いていただいたり、僧侶としてお話できることをお伝えさせていただくのは、person to personの対応ができ、大きく言えば社会に小さいところでは地域に、僧侶がどのように貢献していけるのかを考える機会となりました。

 東日本大震災以降、宗教者ができることは何かということに目が向けられています。もちろん、過分な期待である部分があるようにも思いますが、この様に今まで向けられていなかったものが、向けられるようになったというのは、仏教や宗教にとって大きな転換期に来ているのかもしれません。いきなり大きいことはできないかもしれませんが、願成寺としても、私個人としてもできることから“できること”をしていこうと思います。

 天主君山現受院願成寺副住職
 魚 尾 和 瑛


花まつり法要


弓山達也先生









東北地方太平洋沖地震義援金のご報告

 お彼岸のあいだ玄関でお寄せいただきました「東北地方太平洋沖地震義援金」 と 観音堂大祭の経費の一部を、浄土宗を通し見舞金といたしまして被災された方々にお送りいたしました。誠にありがとうございました。

「義援金箱」
      77,303 円
「観音堂大祭経費」
     100,000 円

 

第301回 辻説法の会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
6月17日(金) PM7:00〜8:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
福泉寺住職 岩佐 善公 師
参 加 費
無料 (飲み物は各自でお支払いください)
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
7月22日(金) 同時刻  願成寺住職 魚尾 孝久 師

 

墓地清掃

 恒例となりました、お盆の墓地清掃をおこないます。檀信徒総出でのお掃除の機会でもあり、また、「そうめん流し」も用意いたしておりますので、ご家族とともにご参加いただけますようお願い申し上げます。

日   時
7月3日(日) 9時より(雨天決行)

 

7月のお盆棚経

 お盆の棚経は、「ご自宅へ伺っての棚経」 と 「お寺での棚経」 とがあります。7月上旬にハガキにてご案内申しあげますので、ご希望をお知らせ下さい。

「ご自宅での棚経」
7月13,14,15日のうちお伺いする日を連絡します。
「お寺での棚経」
7月13日10時、13時いずれかに本堂へ。
前日までにお電話で連絡をお願いします。

 

お盆灯籠流しの販売

 7月16日、三島市仏教会主催の「灯籠流し」が水泉園(白滝公園)でおこなわれます。7月3日より、灯籠を販売いたします。

 

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。



ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

「燃えないゴミ(ビン・カン)」
市のゴミに出します
「土に返すゴミ(花・香花)」
寺にてチップにして土に返します
「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
寺にて土に返します
「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。








▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開催日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場所
 願成寺庫裡
費用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。







 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久


 







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