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次回配信日は、2月15日です。




『天災と国防』  寺田寅彦 著

 我が家の居間のテーブルには、何冊かの雑誌と本が常に置かれている。家族それぞれが読んでしまった本を置くのである。口に出して言うほどでもないが、家族にも読んで欲しいと思うときに置くようである。それぞれが何となく手にするのである。

 先日、『天災と国防』と題する文庫本が置いてあった。災害と宗教について関心を持つ息子が置いた。この度の東日本大震災後に、寺田寅彦の随筆集から12遍を掲載して講談社学術文庫として、この6月に発行されたものである。編集者である畑村洋太郎の冒頭部分の解説を引用させていただく。
   寺田寅彦は大正から昭和の初期にかけて活躍した戦前の物理
  学者である。研究者としては、地球物理学関連のもの以外に、身
  近な現象を科学的に考察した「金平糖の角」や「ひび割れ」の研究
  などユニークな業績を残している。 (中略)
   一方で寺田は、自身でも執筆活動を行い、多くの随筆を残してい
  る。後生の人々には、研究者としてより、むしろこちらの顔のほうが
  有名のようである。本書は、寺田が残した多くの随筆の中から、とく
  に災害に関連するものを集めて再構成している。 (中略)
   古い時代に書かれた寺田の随筆には、状況や事情が今とは大き
  くちがっている部分が随所に見受けられる。その点は注意しながら
  読まなければならない。しかしながら、それが必ずしも寺田の随筆
  の価値を下げているとは思えない。ものの見方や文章の裏に垣間
  見える多くの示唆に富んだ考えは、いま読んでも驚くほど豊かであ
  ることに変わりはない。書かれたときからすでに80年近く経っている
  が、まったく輝きを失っていないように見えるから本当に不思議であ
  る。

 「天災と国防」の書き出しは、「「非常時」というなんとなく不気味なしかしはっきりした意味のわかりにくい言葉がはやりだしたのはいつごろからであろうか」とある。今回の大震災でも「未曾有」「千年に一度」という言葉がよく使われているが、その言葉によって「仕方がない」に結びつけられてしまいそうになる。それを警告するかのように、「文明が進めば進むほど天然の暴威による災害がその激烈の度を増すという事実である」と、また「文明が進むに従って人間は次第に自然を征服しようとする野心を生じた。そうして、重力に逆らい、風圧水力に抗するようないろいろの造営物を作った。そうしてあっぱれ自然の暴威を封じ込めたつもりになっていると、どうかした拍子に檻(おり)を破った猛獣の大群のように、自然があばれ出して高楼を倒壊せしめ堤防を崩壊させて人名を危うくし財産を滅ぼす。その災禍を起こさせたもとの起こりは天然に反抗する人間の細工であるといっても不当ではないはずである。」という。
 誠にその通りであり、原子力発電という文明が、まさしく未曾有の災害を起こしたのである。やはり、自然の驚異に打ち勝とうとする近代文明が、もろくも崩壊したのである。ガソリンで走る車を電気で走るようにして、「エコ」と称して自画自賛するのではなく、車社会自体のあり方を考えるべきではなかろうか。それこそ寺田に「エコ」ではなく、「エゴ」ですよと、言われてしまうであろう。自然に寄り添う生き方を考えなければいけないのである。

 私は、必ずしも原発を否定するものではない。正直言って判らないのである。原発なくして、経済立国である我が国は、世界経済に太刀打ちできるのであろうか。我々は、昭和40年頃の生活水準に戻ることができるのであろうか。どうもあらゆる政治家や官僚の説明では納得のいく答えがないからである。また起きてしまった原発事故に、東京電力、政治家、官僚の猛省が感じられないことに、腹が立つのは私だけであろうか。やはりどこか「未曾有」「千年に一度」という言葉で免罪符としているように思われてならない。
 むしろ、政治家、官僚、電力事業従事者こそ、千年の計を持て、物事の判断を下して欲しい。
  寺田寅彦の『天災と国防』、ご一読あれ。政治家や役人は身震いが起こるのではなかろうか。

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久








 寒い日が続きますが、御身体にお変わりないでしょうか。久しぶりに東京で雪が降っているのを見ると、小学生の時に雪が降った日は朝早く小学校へ行き、溶ける前の雪で遊んだことを思い出しました。

 さて、今月は雪と全く反対の題名の本を書いたある学者について書こうと思います。『悲しき熱帯』という本をご存じでしょうか?これは、フランスの人類学者、クロード・レヴィ=ストロースが記した1930年代のブラジルの紀行文で、いわゆる未開社会の分析がなされており、西洋中心主義批判、そして文化人類学や構造主義のバイブルとして大きな影響を与えた本です。
 レヴィ=ストロースは、構造主義の祖の一人として日本でも構造主義の流行とともに大きく取り上げられましたが、何より私個人としては誕生日が同じという点から大変興味を持ちました。私は現在宗教学研究室に所属をしていますので、もちろんレヴィ=ストロースを読むことは、必携の本であります。しかし、中々読もう読もうと思っていても手が出せていないのが実情です…読まなきゃいけない本の優先度や、他の事で忘れてしまうことなど様々にあります。これは、何も本だけに限らず色々な事に対してあるかと思います。
 今回偶然ですが、授業でも読まなければいけないことや、誕生日が同じということを知ったことで読む機会といいますか、読もうという決心がつきました。100歳まで生きた学者なので様々に本が出ていますが、自分はその中でも先に挙げた『悲しき熱帯T・U』と『神話と意味』を読んでいます。『悲しき熱帯』は先に書いたようにブラジルの紀行文ですが、『神話と意味』は、カナダのラジオ局でレヴィ=ストロースが学生などの質問に答える番組を再編集した本であり、音楽と構造主義など深い学問的な話ではなく、身近なものからレヴィ=ストロースの考え方が示されています。

 本を読むというのは、必要で読むものだけでなく、書店でたまたま手に取ったものや、紹介されたものなど、まさしく御縁で読むことが多いと思います。インターネットで本が簡単に買うことができる世の中になりましたが、書店に行き、手にとって本を見て読むことは、その本と御縁があったのだと思っています。私自身、書店に行って本を眺めることをして、おもしろそうな本を見つけるのも、一つの楽しみだと思っています。このメールマガジンも、インターネットを媒介として、皆様に配信しておりますが、やはり紙の媒体で本を読むことは大事なことだと、改めて考えさせられました。

 天主君山現受院願成寺副住職
魚 尾 和 瑛


『悲しき熱帯』  レヴィ=ストロース 著









第309回 辻説法の会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
2月17日(金) PM6:00〜7:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
三明寺 大嶽 正泰 師
参 加 費
無料 (飲み物は各自でお支払いください)
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
3月16日(金) 同時刻  延命寺 高橋 俊行 師

 

3・11東日本大震災犠牲者慰霊          
          並びに復興祈願法要の集い

 2011年3月11日に発生した東日本大震災と原発事故は、自然や科学技術と人間との関わり、自己の生き方を、私たちが真剣に見つめる契機となりました。
 世界中の誰もが「生かされている」ことを実感し、復興へと歩み始めました。神仏から賜ったこの尊い命を、「どのように働かせるのか・・・」の原点を、祈りを込めて、多くの方々にお届けし、ひとりひとりの真心を結ぶ絆となる行動を興しましょう!

日   時
3月11日(日) PM1:30〜3:00
会   場
本山 妙法華寺 (玉沢)
内   容
慰霊法要(焼香)
現地の方の体験発表
慰霊と復興に向けての祈りの言葉
参 加 費
無料
主   催
三島市地区宗教者懇話会

 

観音堂大祭(諸祈願)のお知らせ

 春のお彼岸に観音堂の大祭を厳修いたします。寺伝によりますと、頼朝公が三嶋大社に百日祈願の折、当願成寺を宿舎といたし、その願が成就いたしたことから「願成就寺」の寺号を賜りました故事により、諸願成就の祈願をおこないます。当日ご参加できません場合には、お札は郵送申しあげます。また、当日前年のお札等を炊きあげますのでご持参ください。当日は「餅まき」「模擬店」「野菜青空市」等を予定いたしておりますので、お誘い合わせてお出かけ下さいませ。

日   時
3月20日(火) 【11時】法要、【12時】餅まき
祈 願 料
一般祈願料 3,000円  特別祈願料 1万円
申 込 み
お彼岸のお参りの折、電話、FAX、E-mail (前日までに)

 

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。



ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

  「燃えないゴミ(ビン・カン)」
 市のゴミに出します
  「土に返すゴミ(花・香花)」
 寺にてチップにして土に返します
  「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
 寺にて土に返します
  「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
 市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。








▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開 催 日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場  所
 願成寺庫裡
費  用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。







 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久


 







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