願成寺ホームページは、 こちら(http://ganjoji.com/)です。

次回配信日は、9月1日です。




金色堂新覆堂の前に立つ


中尊寺蓮のスケッチ(永田英司画)


浄土宗寺院での百万遍念仏数珠繰り


毛越寺の浄土庭園

 私が初めて死に触れてしまったのは六歳の時だった。それは、父親が四十一歳の年齢で亡くなったからだ。
 そのポッカリと空いた穴を、軽減し埋めてくれたのが絵を描く事で、ひたすら写生をしたりして、いろいろな方法で創作し表現する事を続けていった。幸いにも、絵の制作は今日までに至っている。
 仏縁があって僧侶となってからも、更に人の死に触れる機会が多く、個人的にも親しい人々を最近亡くし、悲しい思いは現在も続いている。

 「悲しみの母親・キサーゴータミー」という物語が、古い経典の「長老尼の詩」にある。
    お釈迦さまの時代にコーサラという国があり、そこにはキサーゴ
   ータミーという美しい女性がいました。彼女は恵まれた人生を過ご
   し、裕福な商人とも結婚し幸福な日々を送っていました。そして子
   供も生まれましたが、一歳の頃に病気で死んでしまいました。
    初めて大きな悲しみを味わったキサーゴータミーは、子供を生
   き返らせたいと思い、薬や呪術師、賢者達を尋ね歩きました。す
   るとある賢者から「貴方が求める奇跡が出来るのは、お釈迦さま
   だけです」と言われ、子供の死体を抱きお釈迦さまに会いに行き
   ました。
    「私の大切な子供の命を蘇らせてください。できなければ、私も
   生きていられないのです」そう話すキサーゴータミーに、お釈迦さ
   まは次のように話しました。
    「私に芥子(けし)の実を一粒持ってきてください。ただし一つ条
   件があります。その実は、家族の誰も死んでいない家からもらっ
   た物にしてください」
    当時、芥子の実は潰してマスタードや食用油を作っていたの
   で、どこの家にもあったのです。
    キサーゴータミーは、気が遠くなるほどの家々を必死に回りま
   した。しかしどんなに探しても、家族が誰も亡くなっていない家
   は、貧富の差に関係なく、何処にも無く見つかりませんでした。
    「芥子の実は見つかりましたか?」お釈迦さまは聞かれました。
    「いいえ、私には必要なくなりました。あまりの悲しみに子供を亡
   くす不幸は、自分自身だけだと思っていました」
    「現世は無常です。死者の命を蘇らせることは出来ません。そ
   の事を思い生きてゆくのです」
    この出来事があって後に、キサーゴータミーは仏教に帰依しま
   した。それまでは裕福であり、着飾った日々でしたが、質素な衣を
   着て修行していたので、「粗衣第一」といわれ、人々の為に生きて
   いったのです。

 お釈迦さまは、人間とは「苦」なる存在であると説かれた。
 「苦」とは思うままにならない事、欲するようにならない事。生・老・病・死の四苦だという。

 昔、この世の苦を乗り越えて、現世での浄土世界を建立した人々がいた。奥州藤原氏四代の人々だった。初夏の頃、みちのくの古都である、平泉の中尊寺を参拝し広い山内を歩く事が出来た。
 中尊寺は、初代清衡により十二世紀初めの頃に、大規模な堂塔の建立が行なわれた。目的は十一世紀後半の長きに渡り、東北地方での戦乱で亡くなった全ての人々を供養する場を作る事であった。
 清衡の「中尊寺建立供養文」の中に、中尊寺は「諸仏魔頂の場」(しょぶつまちょうのにわ)であると述べている。この境内に入り参拝すれば、ひとりとも漏れなく諸仏の功徳を受けられる、と。確かに私が訪れた時も、清浄な空気が漂い、本堂や皆金色(かいこんじき)の阿弥陀堂の、金色堂と毛越寺の浄土庭園その周辺等、祈りの世界が満ち溢れていた。

 そして、三十数名の方々と東北震災地百万遍念仏数珠繰り回向巡礼を、浄土宗寺院がある宮城県気仙沼、岩手県陸前高田市と大船渡市にて、念仏を唱えさせていただいた。

 桂林寺住職  永 田 英 司








 8月15日、今年もお盆がやってきました。また、67年目の終戦記念日を迎えることとなりました。東日本大震災以降、人の命や絆の大切さが見直されてきましたが、終戦記念日を迎えるにあたり、改めて命の大切さや生活の大切さを考えさせられます。

 今年も浄土宗総本山知恩院で開催されている、「おてつぎ子供奉仕団」の指導員として参加してきました。今回は、被災した東北三県から子供達を招待する、特別ブロックが開催され、私はそのブロックの指導員として参加してきました。岩手教区は、夏休みの始まりなどの関係から、他の日程になってしまいましたが、福島教区・宮城教区から53人の子供達が元気に参加してくれました。
 知恩院としても、指導員達にしても、様々に被災地の子供達の受け入れということで準備をおこなってきました。カウンセラーを指導員に入れることや、食事や家族のことなど、普段簡単に使ってしまう言葉に気をつけることなどと、指導員達も相談しながらブロック運営をおこない、連日夜遅くまでミーティングをいたしました。
 しかし、気にしすぎるだけでなく、せっかく京都まで総本山まで来て貰ったのだから、楽しい思い出を作って貰いたいと思い、お寺での生活体験や外での散策などと様々に行事を開催しました。特に福島から参加した子供たちは、原発の避難地域の子供も多くいたため、外で遊んだのが久しぶりだということを口にしていました。外で遊べるのが楽しいと言う子供達の笑顔を見ると、原発事故が奪ったものの重さを改めて感じさせられ、これからどうなっていくのか、早期の収拾を願わずにはいられませんでした。
 また、食事なども普段のおてつぎこども奉仕団では、片付けの説明や食べるマナーなどを教えることが多いのですが、被災し避難所で生活を送った子供は、自発的にマナーを守り、片付けをする子供が多かったことが印象に残っています。本来なら、避難生活はおくらない方がいいことなのは明白でしょう。しかし、そこから何かを学び、生活している子供達の姿は頼もしくもあり、支えてあげなければならないような脆さも窺えました。

 震災から何年何ヶ月という数え方がありますが、7月のメルマガで書きましたように被災地は、まだ震災のまっただ中にいます。そこで暮らしている子供達が心から笑い、安心して生活できる日が来ることをただ祈るばかりです。
 この被災地の子供達の招待は来年以降も続くようなので、また成長した姿を来年も見にいこうと思います。

 天主君山現受院願成寺副住職
魚 尾 和 瑛


合宿長からの挨拶


朝礼


法然上人が25年修行した青龍寺にて報恩蔵をお参り









第315回 辻説法の会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
8月24日(金) PM6:00〜7:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
常林寺 山田 太壱 師
参 加 費
無料 (飲み物は各自でお支払いください)
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
9月14日(金) 同時刻  本法寺 清水 俊匡 師

 

宗祇法師の会 (8月例会)

 日大名誉教授藤岡武雄先生を中心といたしまして、宗祇法師の顕彰と研究をする会です。
どなたでも参加できます。申込は不要ですので当日お出掛けください。

日   時
8月24日(金) PM1:30〜3:30
会   場
願成寺 TEL:055-975-1763
参 加 費
無料
主   催
三島ブランド 宗祇法師の会

 

ハワイ「ラハイナ浄土院」100周年団参ツアー募集

 ハワイのマウイ島にあります「ラハイナ浄土院」は、大正元年、カフルイ浄土院を開いた原聖道師がラハイナに土地を借りて仮布教所を設置、翌年着任した斉藤原道師が寄付などを集めて大正3年に堂を建てたのが始まりとなっているが、昭和5年、同じラハイナの海に面した現在地に土地を購入して移転している。同院は他のハワイの寺院と違って日本的に作られているのが特徴である。昭和43年、火災で本堂が焼失し、原源照師らの努力で3年後に再建された。日本から大工を寄せて、日本式本堂と三重塔を建てたのである。境内には、このほか鎌倉大仏を縮小したミニ大仏、鐘楼、山門、東屋などがあって、観光客が多く訪れている。
 今年の10月21日に開教100年の大法要が催されます。みんなで参拝いたし、お祝い申しあげますとともに、日系の人々との交流をもいたしたく思っております。ご住職の原上人は、10年ほど前に三島の願成寺にもご法話に来て下さったことがあり、縁の深いお寺さんであります。

日   時
10月20日(土) 〜 10月26日(金) 5泊7日
主催申込み
願成寺 TEL:055-975-1763
参 加 費
26万7千円
(燃料サーチャージ、航空保険料、羽田空港施設使用料、現地空港税、
 羽田送迎バス代は含みません。)
日   程
下記日程表のとおり

【日程表】

10/20(土)
 【東京】
東京(羽田発)
00:05 全日空1062便にて空路ハワイへ
     
10/20(土)
 【マウイ】
ホノルル着
12:50
入国審査後、国内線に乗り換えマウイ島へ
ホノルル発
16:02
 
カフルイ着
16:39
専用バスにてラハイナ浄土院
   
【100周年法要前夜祭参加】
   
(朝:機内、昼:○、夜:○)
   
(ホテル泊)
10/21(日)
 【マウイ】
終日
 
【100周年法要参加】
   
(朝:○、昼:○、夜:○)
   
(ホテル泊)
10/22(月)
 【ホノルル】
カフルイ発
9:37
(HA145)
ホノルル着
10:11
専用バスにてハワイ浄土院別院
   
【ハワイ浄土院別院参拝】
   
(朝:○、昼:○、夜:○)
   
(ホテル泊)
10/23(火)
 【ホノルル】
終日
 
【終日自由行動】
   
(オプショナルツアーを用意しております)
   
(朝:○、昼:×、夜:×)
   
(ホテル泊)
10/24(水)
 【ホノルル】
終日
 
【終日自由行動】
   
(オプショナルツアーを用意しております)
   
(朝:○、昼:×、夜:×)
   
(ホテル泊)
10/25(木)
 【ホノルル】
ホノルル発
19:10
全日空1061便にて帰国の途へ
   
(朝:○、昼:○、夜:機内)
10/26(金)
 【東京】
東京(羽田着)
22:30
通関後、バスにて三島へ
     
※ホテル
【マウイ】
ハイアット・リージェンシー・マウイ・リゾート&スパ
【ホノルル】
ハイアット・リージェンシー・ワイキキ・ビーチリゾート&スパ

 

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。



ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

  「燃えないゴミ(ビン・カン)」
 市のゴミに出します
  「土に返すゴミ(花・香花)」
 寺にてチップにして土に返します
  「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
 寺にて土に返します
  「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
 市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。








▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開 催 日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場  所
 願成寺庫裡
費  用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。







 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久


 







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