願成寺ホームページは、 こちら(http://ganjoji.com/)です。

次回配信日は、11月1日です。




アジャンタの石窟群


鳳凰が飛ぶ


完成間近かの飛天


多くの人々が交代で制作中

 天井画を5月頃から制作していて、私にとって初体験である。この機会を作ってくれたのが、北海道利尻島慈教寺の嶋中上人だ。
 親しくなったのは、平成22年5月に中国西安香績寺二祖対面法要と西域シルクロードの旅を、8日間20名の僧侶の方々と一緒に行った内の一人だったからだ。

 今にして思うと、それからの多くの事が、天井画を制作する準備であった。
 始まりは、敦煌莫高窟だった。周りはゴビ砂漠に囲まれているが、気候が温暖、水源が豊かで、砂漠のオアシスになっている。
 莫高窟は仏教芸術の宝庫であり、画家として特に興味深かったのは壁画の数々だ。今までの表現方法の伝統を踏襲しながら、外からの技法を絶えず受け取り、時代とともに変化し、大きく絵巻を形成していくことが感じられたからだ。なかでも観無量寿経変図・飛天など色鮮やかに描かれた作品群は、かつての人々が莫高窟の諸仏にご加護を願い、表現したであろう気迫が伝わってきた。

 次に壁画を拝観する機会は、平成23年2月に、インドのアジャンタとエローラ石窟群を訪れたからだ。アジャンタ石窟群はデカン高原西北部の断崖に建造された、インド最古の仏教石窟群といわれている。この場所は、周囲の厳しい環境のなかで、仏教者や芸術家が何にも妨げられることなく修行できるように作られていると、丘の上から全体の風景を俯瞰(ふかん)した時に思った。
 洞窟の壁画や彫刻は、お釈迦さまの人生や、ジャータカ物語などが詳しく述べられていた。さらに、当時の家庭生活や風景、動物なども表されていて、自由な発想と表現力が多岐にわたっている蓮華手菩薩や金剛手菩薩は、優雅で気品に溢れていた。
 素晴らしい技術・表現力の豊かさと、宗教的な思いからの表現が、独自な美に昇華されていた。祈ることができて、毎日生活する場所として、非常に満足した心を持てたのであろう。奇跡的に保存された壁画や彫刻が、それを教えてくれる。
 もうひとつのエローラ石窟群は、デカン高原北部にある。古代インドに栄えた三つの宗教、仏教、ヒンドゥー教、ジャイナ教がともに巨大岩盤に彫り込まれた最大規模の石窟寺院だ。こちらは、彫刻が素晴らしい石彫芸術の傑作が揃っている。

 そして、平成23年5月に、利尻島の慈教寺に春季法要の法話のため訪れ、嶋中上人との仏縁が続いた。そのとき、本堂を建て替える話を聞き、天井画を依頼されることとなった。
 利尻島は、百名山のひとつになっている利尻富士がある。慈教寺から山の全貌が見える、その裾野にある寺だからだ。
 本堂内陣の格天井(ごうてんじょう)に描くので、ご本尊の方向に、極楽浄土に誘ってくれる鳳凰が大きく羽根を広げて、利尻富士の頂上に向かって飛ぶイメージだ。その後から飛天が利尻に咲く花々を両手で抱えて続く。奏楽菩薩が音楽を奏でて、すべての衆生を極楽浄土へ導いてくれる。全体の色は空の色、白群青にした。私の知る限りでは、今までに例がないと思う。
 本尊さまの両脇壇下地袋絵が2ヵ所。それぞれ縦60センチメートル、横2メートルほどだ。そこには阿弥陀経にある蓮の花で青、黄、赤、白を池に咲かせる。

 中国の敦煌莫高窟、インドのアジャンタとエローラの石窟群に共通して感じられたことがある。長い年月をかけた、人々の力の結集と篤い信仰があってできたのだと思う。
 今回の天井画制作では、その精神を少しでも学ばせてもらい、多数の方々とともに制作している。仏縁に感謝したい。そして、完成は11月中を予定している。

 桂林寺住職  永 田 英 司








 所用により上京、日本橋で人に会うため、日本橋三越で待ち合わせをした。いわゆる三越のライオンの前である。ふと、そのいわれをホームページに求めた。

   待ち合わせの場所として親しまれながら、本館正面玄関でお客様
  をお迎えする2頭の「ライオン像」。この像が誕生したのは大正3年
  (1914)のことです。
   この「ライオン像」の注文主は、三越百貨店の基礎を築いたとされ
  る当時の支配人、日比翁助。その日比が百貨店開設の準備のた
  め欧米を視察したときにイギリスで注文したものです。
   ロンドンのトラファルガー広場にあるネルソン記念塔の下の4頭の
  獅子像がモデルとされ、英国の彫刻家メリフィールドが型どり、バ
  ルトンが鋳造したものです。
   完成までに3年の歳月を要したこの仕事はイギリスの彫刻界でも
  相当な話題となりました。
   現在ではその気品と店格を象徴して、三越の象徴的存在でもあ
  り、また、東京名物の一つとしても親しまれています。

 百獣の王たる品格を象徴としたことがわかり、納得するところである。ところで「獅子吼(ししく)」という言葉をご存じであろうか。しばしばお経のなかに出てくることばであり、「獅子」いうまでもなく「ライオン」のこと、「吼」は、音読みは「く」、訓読みは「ほえる」である。獅子が吼えると他の動物がそれに従うさまにたとえたもので、「仏陀の説法」の意として使われる。
 浄土宗の所依の経典である『無量寿経』に「爲衆開法藏 廣施功コ寳 常於大衆中 説法師子吼」とあり、日常的に読誦されている。「阿弥陀さまは、衆生のために法蔵を開き、広く功徳を施して、大衆のなかにあって、説法をお説きになられる」というのである。

 明治になって僧侶にも姓をつけることが命ぜられるが、僧が名字を持つことは還俗につながるとして、強い抵抗があった。しかし宣布には随わざるを得ない僧たちは、仏教語を名字としたなかに、「獅子吼」姓の誕生があった。

 説得力のある文章、お話ができるように精進するものである。

【還俗】
いったん出家して僧籍に入った者が,再び俗人に戻ること。復飾。「僧侶が―する」(広辞林)

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久


三越前のライオン









宗祇法師の会 (10月例会)

 日大名誉教授藤岡武雄先生を中心といたしまして、宗祇法師の顕彰と研究をする会です。
どなたでも参加できます。申込は不要ですので当日お出掛けください。

日   時
10月15日(月) PM1:30〜3:30
会   場
願成寺 TEL:055-975-1763
参 加 費
無料
主   催
三島ブランド 宗祇法師の会

 

十夜法要のご案内

 本年もお十夜の季節となりました。一日ではありますが、ご先祖のご供養とともに、み仏の教えにふれますよい機会ともいたしたく存じますので、お誘いのうえお申し込み下さい。
 お檀家の皆さまには、10月下旬に郵便にてご案内申しあげます。

日   時
11月11日(日)14時より
会   場
願成寺 本堂
法   話
「落語入門」
講   師
落語家 林家 正雀 師匠
塔婆供養料
3,000円
申 込 み
専用ハガキ、電話、FAX、E-mail (前日までに)

 

第318回 辻説法の会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
11月16日(金) PM6:00〜7:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
如来寺 荻田 宣史 師
参 加 費
無料 (飲み物は各自でお支払いください)
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
12月21日(金) 同時刻  大泉寺 小島 健布 師

 

ハワイ「ラハイナ浄土院」100周年

 ハワイのマウイ島にあります「ラハイナ浄土院」は、大正元年、カフルイ浄土院を開いた原聖道師がラハイナに土地を借りて仮布教所を設置、翌年着任した斉藤原道師が寄付などを集めて大正3年に堂を建てたのが始まりとなっているが、昭和5年、同じラハイナの海に面した現在地に土地を購入して移転している。同院は他のハワイの寺院と違って日本的に作られているのが特徴である。昭和43年、火災で本堂が焼失し、原源照師らの努力で3年後に再建された。日本から大工を寄せて、日本式本堂と三重塔を建てたのである。境内には、このほか鎌倉大仏を縮小したミニ大仏、鐘楼、山門、東屋などがあって、観光客が多く訪れている。
 今年の10月21日に開教100年の大法要が催されます。住職が代表いたし参拝いたして参ります。

 

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。



ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

  「燃えないゴミ(ビン・カン)」
 市のゴミに出します
  「土に返すゴミ(花・香花)」
 寺にてチップにして土に返します
  「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
 寺にて土に返します
  「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
 市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。








▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開 催 日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場  所
 願成寺庫裡
費  用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。







 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久


 







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