願成寺ホームページは、 こちら(http://ganjoji.com/)です。

次回配信日は、5月15日です。




「霊峰富士山」平成18年3月14日撮影

 富士山が世界遺産に登録されるべく、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関から勧告が出されたとの発表があった。6月にカンボジアで開かれるユネスコの世界遺産委員会で最終決定され世界遺産となる。

 富士山は早くから世界遺産への登録を目指していたことを考えると、「やっと」の感がある。そもそも世界遺産とは何であろうか。「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」では、文化遺産及び自然遺産を人類全体のための世界の遺産として、損傷、破壊等の脅威から保護・保存するため、国際的な協力・援助の体制を確立することを目的としている。あくまでも保護保存が目的であるが、登録によって観光資源としての価値が上がり、経済効果を願う自治体や観光に関わる業者の思惑も見え隠れする。また富士山も入山料が新設される検討もあるという。

 ところで世界遺産には3つのカテゴリーがある。
  「文化遺産」 顕著な普遍的価値をもつ建築物や遺跡など。
  「自然遺産」 顕著な普遍的価値をもつ地形や生物、景観などを
          もつ地域。
  「複合遺産」 文化と自然の両方について、顕著な普遍的価値を
          兼ね備えるもの。
 日本の世界遺産は「文化遺産」と「自然遺産」で 「複合遺産」はない。「文化遺産」は、法隆寺地域の仏教建造物、姫路城、古都京都の文化財(京都市、宇治市、大津市)、白川郷・五箇山の合掌造り集落、原爆ドーム、厳島神社、古都奈良の文化財、日光の社寺、琉球王国のグスク及び関連資産群、紀伊山地の霊場と参詣道、石見銀山とその文化的景観、平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺産群の12遺産がある。「自然遺産」は、屋久島 、白神山地、知床 、小笠原諸島の4遺産である。世界的にみても、圧倒的に文化遺産が多い。
 富士山は一見するに自然遺産のように思われるが、文化遺産である。山としてのその美しさだけは世界遺産とはならなず、富士山に関わる文化が評価の対象となっているのである。まさしく「霊峰富士」の「霊峰」が評価されたといえよう。確かに山そのものが信仰の対象となり、文学や絵画のテーマとなることはまさしく守らなければならない文化遺産ということになる。

 少し文句を付けるようであるが、遺産という言葉に違和感を感じる。辞書的には「遺産」は「前代の人が残した業績」であるので、姫路城などは武士社会が遺した遺産であるが、日本の世界遺産のおおかたは、現在もその文化が継承されている。京都奈良の寺々が登録されているが決して遺産ではなく、連綿と続く信仰であり文化であり、遺産という言葉がなじまないようにも思う。

 これを機会に、富士山や世界遺産ばかりでなく、地域の文化や自然の遺産にも目を向けようではないか。

【世界遺産 】
 日本は、1992年、ユネスコの世界遺産条約(「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」−1972年採択、1975年発効)を締結し、翌1993年、我が国から初めて、「法隆寺地域の仏教建造物」及び「姫路城」の2件が文化遺産として、「白神山地」及び「屋久島」の2件が自然遺産として、世界遺産一覧表に記載された。その後、1994年に「古都京都の文化財」、1995年に「白川郷・五箇山の合掌造り集落」、1996年に「原爆ドーム」及び「厳島神社」、1998年に「古都奈良の文化財」、1999年に「日光の社寺」、2000年に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」、2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」、2007年に「石見銀山遺跡とその文化的景観」、2011年に「平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―」がそれぞれ文化遺産として世界遺産一覧表に記載されている。
(文化庁ホームページより)

【富士山入山料、来夏導入目指す】
 静岡県は8日、富士山の世界文化遺産登録に向けた同県の会合で、環境保全の財源に充てる「入山料」について、来年の夏山シーズンに合わせ、本格的な導入を目指す方針を示した。今年夏に試験導入したい考えだ。
 富士山の世界文化遺産登録は6月、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会で審議され、登録の可否が決まる。川勝平太知事は会合で「結果がどちらになったとしても、やらなくてはならないことだ」と、登録が見送られても導入の検討を進める考えを示した。登録に向け、地元として環境保全の強い姿勢を示す狙いもある。
(『日本経済新聞』平成25年4月8日)

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久








 5月になりました。まだ寒い日もありますが、確実に夏に向けて温かくなってきています。
 さて、今月は「天災」について書きたいと思います。昨日も淡路島で大きな地震がありました。311以降、震度5程度の地震が起きるのが半日常化している日本ですが、自然災害というのは、何も地震だけではありません。私自身が研究している台風などの気象災害だけではなく、害虫・害獣の大量発生も天災の1つとされています。

 古来から、ヨーロッパではネズミの大発生は、ペストが蔓延することから天災と恐れられていました。日本でも、自然災害の1つとして農業被害をもたらす害獣等が規定されています。そんななか、少し古い報道ですが、こんな自然災害も日本では想定されています。
 2007年に防衛省の報道官が、旧防衛庁内で机上研究の一環として、怪獣等の襲来、特にゴジラの襲来を想定した研究を行ったことを明らかにしました。この場合は、害虫・害獣等が大量発生した場合と同様、自衛隊法83条に基づく災害派遣として、自衛隊の出動が可能であり、暴れている場合は、「有害鳥獣駆除」の目的で、武器・弾薬の使用も可能であると結論付けました。あくまでも机上研究としてですが、「いかにも日本らしい」と思わせるような研究だと思います。研究としては、荒唐無稽のように見えますが、いるかいないか判らない以上、対処法を講ずるのは当然なのかもしれません。

 ゴジラは、水爆実験によって生まれた怪獣であり、作品中では「核の落とし子」などと呼ばれていました。途中から、人類の味方として扱われますが、平成に入ると、その立場はそれぞれの作品にて人類の敵であったり、味方であったりと大きく内容が変わっていきます。子どもの時分に、ゴジラの映画を見て、あの印象的な曲を聞いて育ってきた私にとっては、懐かしの映画であると共に、今なお夢中になれる作品だと思っています。
 しかし、福島での原発事故の発生から、改めてゴジラを「核の落とし子」として見直してみようと思いました。その中でも、1995年に公開された、「ゴジラvsデストロイア」では、ゴジラの心臓部である原子炉の核エネルギーが不安定になり、最後は東京でメルトダウンを起こして死んでいく、今見るとドキッとさせられるような作品があります。
 1995年当時に、メルトダウンやチャイナシンドロームといった用語が登場し、その内容がゴジラという作品を通じて説明されているとは、気づきませんでした。当時、私自身は小学4年生ですので、当然ですが…。
 この作品を見ていると、核エネルギーの持つ力とその不安定さ、もし何かあった場合の恐ろしさが、既に当時から見抜かれていたのではないかと思わされます。たかが、ゴジラという作品かもしれません。現実と作品との違いかもしれません。でも、その作品の中に隠された意図を見ていくことも大切なのだと思います。

 「天災はいつやってくるかわからない」という言葉があるように、東日本大震災は突如日本列島を震撼させました。自然災害研究をしている身としては、過去の災害から学ぶものが多いと思っています。
 そして、いつくるかわからないからこそ、備えておくことが大切なのではないでしょうか。

 天主君山現受院願成寺副住職
魚 尾 和 瑛


我が家のゴジラ









第324回 辻説法の会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
5月17日(金) PM6:00〜7:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
万松院 吉田 宏得 師
参 加 費
無料 (飲み物は各自でお支払いください)
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
6月21日(金) 同時刻  福泉寺 岩佐 善公 師

 

宗祇法師の会 (5月例会)

 日大名誉教授藤岡武雄先生を中心といたしまして、宗祇法師の顕彰と研究をする会です。
どなたでも参加できます。申込は不要ですので当日お出掛けください。

日   時
5月20日(月) PM1:30〜3:30
会   場
願成寺 TEL:055-975-1763
参 加 費
無料
主   催
三島ブランド 三島宗祇法師の会

 

大施餓鬼会のお知らせ

 本年もお施餓鬼会法要を、下記のごとく厳修いたしたくご案内申しあげます。ご先祖の供養とともに、一日ではありますが、みほとけの教えにふれます良い機会ともいたしたく存じますので、お誘いのうえお申し込み下さい(当日ご参加できません方には、当寺にてお塔婆をお墓に立てさせていただきます)。

日   時
5月30日(木)  【14時】法要
法   話
願成寺副住職 魚尾 和瑛
未定
供 養 料
3,000円
申 込 み
お参りの折、電話、FAX、E-mail(前日までに)

 

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。



ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

  「燃えないゴミ(ビン・カン)」
 市のゴミに出します
  「土に返すゴミ(花・香花)」
 寺にてチップにして土に返します
  「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
 寺にて土に返します
  「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
 市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。








▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開 催 日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場  所
 願成寺庫裡
費  用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。







 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久


 







本メールマガジンがご不要な方は、
下記URLから配信を解除できます。


http://ganjoji.com/mlmaga.html(解除・退会)