願成寺ホームページは、 こちら(http://ganjoji.com/)です。

次回配信日は、11月15日です。





鬼の念仏(願成寺版瀬川真画)


念仏帳


画帳1頁

 大津絵の「鬼の念仏」をご存じであろうか。鬼が法衣を着て、奉加帳、鉦(かね)、傘を持っている姿で、無慈悲で冷酷な人が表面だけ神妙に振舞うこと、柄にもなく殊勝に振舞うことの譬(たとえ)に使われている。
 昔、京の都には、「酒呑童子(しゅてんどうじ)」を代表に、いくつかの鬼伝説があって、悪事を働く鬼とそれを退治する話である。そこから派生したのであろうか、改心した鬼が、荒廃した都の寺院修復のため、奉加帳を持って町のなかを勧進する姿ともいわれる。応仁の乱で荒廃した都であったので、伝説の流行と重なるところもある。

 先日、三島で美術の教員を勤めながら、「鬼の念仏絵」に邁進された瀬川真氏のご遺族から作品の寄進を受けた。その大半が「鬼」の絵である。じつに自由闊達(かったつ)な作品群である。
 戦後まもなくの頃から先代住職と交流があり、瀬川氏が鬼を描かれた時から、その絵柄を色紙や団扇(うちわ)として、お檀家さんに配布したことがある。

 瀬川氏がどうしてこれまでも「鬼」に傾倒していったのか知るよしもなかったが、今回頂戴した作品群のなかに、その動機が記されていた。
 「鬼念帳」と題する冊子がある。昭和27年2月23日から3月10日に描かれたもので、次の文で始まる。

  又兵衛が鬼
  むかしの夢にあらず
  
  朝夕に
  心に湧き出ずる
  鬼奴等の
  姿
  筆にて止めん
   題して
     「鬼念帳」
        二十七年三月一日記

 次に三島市にある臨済宗妙心寺派の龍沢寺管主中川宋淵師(号、密多窟)の言葉をいただいている。

  鬼佛
  同行
    就山中
            密多

 そして自由奔放の鬼達の登場となるのである。跋文は次のごとくである。全文を記す。

   「想い出」               十日朝記
 もう十四五年になるだろう。
 美しい春の月が銀座の夜空に
 ポッコリ浮んだ夜
 友と別れの酒をくみ交して
 その妹との問題を
 美しいロマンチックの夢として
 懐しい母のもとへ歸ることを心願った
 アの夜―
   私を驚かした一枚の画―
 それは露天の汚い片隅に在った
 又兵衛の鬼念佛の古画であった。
 故郷に歸って父の墓前にぬかずいた時
 百枚の鬼を描き千枚の鬼をと
 父の霊に誓ひ、自分の心にも誓ったー。
 日月はこの誓ひを待たず
 流れ去って了った今日
 同じ春の月が大空に浮かんだ夜
 私の心の奥に忘れ去られてゐた
 誓ひが湧き出て来たー。

 これからご紹介させていただく。鬼、人間、佛は同行、そしておのれの心なかの鬼達を。

【大津絵】おおつ‐え
(1)江戸時代、近江国(滋賀県)大津の追分、三井寺辺で売り出した、あらく走り書きした戯画。追分絵。大谷絵。土佐絵。JK「日本国語大辞典」

【鬼の念仏】
1 無慈悲、冷酷な人が、表面だけ神妙に振舞うこと。また、柄にもなく殊勝に振舞うこと。鬼の空念仏とも。
2 大津絵の画題の一つ。法衣を着た鬼が傘を負い、奉加帳、鉦(かね)、撞木(しゅもく)を持っている図柄。この絵を壁に張っておくと子供が夜泣きをしなくなるという。JK「仏教語字典」

【酒呑童子・酒顛童子・酒天童子】しゅてん‐どうじ
〔一〕昔、鬼をよそおって財物、婦女子を掠奪した盗賊。丹波国(京都府)大江山と近江国(滋賀県)伊吹山に住む(伊吹童子)ものがいる。大江山のは源頼光とその四天王が勅命を奉じて退治したという。絵巻、御伽草子、草双紙、浄瑠璃、歌舞伎などの題材となった。JK「日本国語大辞典」

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久









朝日テレビカルチャースクール三島(第3期)

「 源氏物語」を味わう  〜 光源氏が誘う平安貴族の世界 〜

 源氏物語は、今から千年もの昔に作られた物語ですが、そこに描かれている世界は色あせることなく、現在に生きる私たちに数々の感動を与えてくれます。光源氏の案内で、恋の世界・親子の世界・夫婦の世界、そして死の世界を訪ねてみましょう。きっと新しい人生観を垣間見ることができますよ。

開 催 日
第1・3金曜日 13:30〜15:00
会   場
朝日テレビカルチャースクール三島校(随時入学可、一回受講)
講   師
願成寺住職、大正大学非常勤講師  魚尾 孝久
受 講 料
3ヶ月 全6回 ・・・ 14,256円   1回 ・・・ 下記へお問合せ下さい
申   込
TEL:055-971-4041

 

第378回 辻説法の会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
11月17日(金) PM6:00〜7:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
蓮光寺 佐久間 清人 師
参 加 費
無料 (飲み物は各自でお支払いください)
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
12月15日(金) 同時刻  大泉寺 小島 健布 師

 

十夜法要のご案内

 本年もお十夜の季節となりました。一日ではありますが、ご先祖のご供養とともに、み仏の教えにふれますよい機会ともいたしたく存じますので、お誘いのうえお申し込み下さい。
 お檀家の皆さまには、10月中旬に郵便にてご案内申しあげます。

日   時
11月19日(日)14時より
会   場
願成寺 本堂
法   話
     
講   師
未定
供 養 料
3,000円
申 込 み
専用ハガキ、電話、FAX、E-mail (前日までに)

 

宗祇法師の会 (11月例会)

 日大名誉教授藤岡武雄先生を中心といたしまして、宗祇法師の顕彰と研究をする会です。
どなたでも参加できます。申込は不要ですので当日お出掛けください。

日   時
11月20日(月) PM1:30〜3:30
会   場
願成寺 TEL:055-975-1763
参 加 費
無料
主   催
三島ブランド 三島宗祇法師の会

 

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。



ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

  「燃えないゴミ(ビン・カン)」
 市のゴミに出します
  「土に返すゴミ(花・香花)」
 寺にてチップにして土に返します
  「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
 寺にて土に返します
  「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
 市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。








▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開 催 日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場  所
 願成寺庫裡
費  用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。







 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久


 







本メールマガジンがご不要な方は、
下記URLから配信を解除できます。


http://ganjoji.com/mlmaga.html(解除・退会)