三寒四温をくり返しながら、春がそこまで来た。この2〜3日の寒さは「花冷え」とでもいうのであろうか、その前が5月を思わせる暖かであっただけに、とても寒く感じられる。
三島の拙寺では、サクラ(染井吉野)は五分咲きというところであろうか。やはり「染井吉野」は、白に近い薄いピンク色で品格があるように思う。散々「河津さくら」を褒めておきながら、虫の良い感をまぬがれないが、「染井吉野」に心を奪われる。子供のころからサクラといえば、「染井吉野」を見てきたからであろう。
小学校の入学式に、学帽をかぶり真新しいランドセルをしょって、黒の羽織を着た母親に手を引かれ歩く姿が思い出される。そこに桜の花びらが、学帽に一枚、母親の髪にそして黒の羽織に一枚とのっている光景は絵になった。やはり「染井吉野」でなければいけない。淡いピック色の花びらが、醸し出す世界であろう。
諸外国では、入学や進級が9月とするところが多いようであるが、すこし時期がずれる地域もあるが、4月が良い。サクラに祝福されての入学式は最高であり、願わくば「染井吉野」でありたい。
時節がら、報道もサクラに感心がいっているなかに、
三重県四日市市の桜の名所・海蔵川沿いで開催される「海蔵
川桜まつり」。毎年およそ10万人が訪れる人気イベントです
が、今年は中止に。その理由は「桜の高齢化」です。
昭和20年代に植えられたとされる海蔵川沿いの「桜並
木」。70年以上経つことから、去年、専門家に木の状態を調
べてもらったところ、一部の木が“倒木の危険性がある”と診
断されたといいます。(ヤフーニュース)
とお花見の中止が伝えられる。全国的にサクラは、河川敷に植えられているが、植え替えも難しくなっている。
AIによると、
河川敷の桜の植え替えは、河川法の改正により新たな植え替
えができない場合があります。
【背景】
安全安心を優先するために、樹木があることで堤防の強
度を下げてしまう可能性があるためです。
とあり、確かに河川敷は川のためにあり、サクラのためにあるのではなく、共有できないことも至極当然のことである。
また、植え替えが可能なところでも寿命の長い品種が選ばれ、寿命の短い「染井吉野」は避けられているという。残念でならない。
拙寺にも樹齢100年にもなろうという「染井吉野」があり、今にも倒れそうである。さらに悪いことに、洞(うろ)にヤマモミジが生えており、崩壊の一途である。
子供のころから親しんで来ただけに、我が身と重なってならない。
【染井吉野の寿命】
ソメイヨシノの寿命は60〜80年程度と言われています。樹齢40〜60年になると根元の内側に腐った部分ができて空洞化が進み、倒れる危険が高まります。(AIによる)
【虚】うろ
内部がからになっているところ。うつろ。ほらあな。
*和訓栞〔1777〜1862〕「うろ、〈略〉俗に老樹の空洞河中なとの洞窟をもいへり。或はをよめり。玉篇に山穴と注せり」
天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久
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