河津桜(願成寺にて) 

三島駅 

富士山を型どった駅舎 

富士山を型どった交番 

 そろそろ河津桜が開花し始め、春がすぐそこまで来ているよう、静岡は春の観光シーズンを迎えたといってよいでしょう。時に春の行楽シーズンはその暖かさのためでしょうか、忘れ物と迷子が多くなるそうです。忘れ物は失敗してしまったですみますが、迷子はひとつ間違えれば生命に関わることですので失敗ではすまされません。

 ところで、動物園での迷子について、つぎのような報告があります。迷子と再会した母親のかけた言葉の第1位は、なんと49.5%が「どこへ行っちゃたの、だめじゃない!」「ちゃんと、付いてきなさいと言ったじゃないの!」と、我が子を叱る言葉だったそうです。
 しかしよく考えてみますと、幼い子供がどこかに行かないように手をつなくとか、常に気にかけていなければならないわけで、子供が迷子になった責任はすべて親にあることです。ですから、わが子に謝らないまでも、決して叱れる立場ではありません。

 乗り合いバスのなかで、子供がはしゃぎ始めますと、すかさず母親が「バスのなかで騒ぐと、運転手さんに怒られますよ!」と注意をしました。なかなか気を使っているようですが、やはりお母さんの勘違いであります。バスのなかで大きな声を出したりすると、みんなに迷惑をかけることを教えるべきでしょう。まちがっても運転手さんに怒られるといけないから静かにしなさいと、いうべき問題ではないだろう。

 「悪いことをすると、おまわりさんに叱られますよ!」など、いずれも母親の心情はわかるのですが、こうした勘違いは、私たちの身のまわりにはよくあることのように思われます。時には自分の言っていることを考えてみることもよいでよう。


【河津さくら】
 河津桜?って言われてもピンとこない方もいるかもしれませんが、河津桜とは静岡県賀茂郡河津町で毎年3月上旬に満開になるピンク色の桜です。
 この桜は染井吉野のようにパーっと咲いてパーっと散るって感じの桜ではありません。伊豆の温暖な気候と早咲きの特色を生かし毎年2月上旬から開花しはじめ約1ヶ月を経て満開になります。この桜は本州でも早咲きの種類に分類され開花の過程を楽しめ更に満開を長く維持できる特徴もあります。    数年前までは無名の河津桜もここ数年で全国に浸透し現在150〜200万人規模のイベントになりました。ただ河津桜は開花の予想がヒジョ〜に立てづらく、早い時にはお正月から開花する場合もあったり、遅い時は2月中旬に開花が始まったりとなかなかワガママな、ツアー観光客泣かせの桜とも言えるでしょう。
 「まったく人騒がせな桜だ!」なんて思っている方も多いかもしれませんが、一度ご鑑賞あれ。きっと貴方の心を癒し春を感じさせてくれるでしょう。砕けた前説になりましたがこんな感じの桜?!なんです
   合掌

http://www.kawazuzakura.net/html/sakurafaq.html

                          天主君山現受院願成寺住職 魚 尾 孝 久

 


 願成寺メールマガジンのより充実そして何よりも継続のため、観智院の土屋正道上人の応援を仰いだ次第です。8月号より10回に渡って特別寄稿を頂戴いたすこととなりました。上人と仏縁をいただいたことが嬉しく思える、お会いいたして癒される上人の人柄に惚れてのお願いであります。ぜひともお読みいただき、人の輪に加わってほしいと思っております(願成寺住職 魚尾孝久)。

 ♪光の国から僕らのために、来〜たぞ 我ら〜が ウル〜トラマ〜ン♪
昭和30年代生まれの私には、ウルトラマンはヒーローでした。皆さんの中にもファンがいらっしゃることでしょう。いや、まだウルトラマンシリーズは続いていますから、新しいファンを獲得しつつあります。私の息子もその一人です。
「おとうさん。ウルトラマンは赤い球になって地球にやってくるんだよね?」
「そうだよ。青い球になった怪獣ベムラーを追ってやってくるんだ。」
息子は6歳ですから、ウルトラマン誕生の巻は見たことはありませんが、私が寝物語で何度も話したので、見てきたようにしゃべります。
 科学特捜隊のハヤタ隊員はビートル(科学特捜隊の飛行機)に搭乗中、赤い球に激突、意識を失います。知らぬ間に、赤い球の中に横たわっていたハヤタは、やがて自分を呼ぶ声に気づきます。
「お前は誰だ!?」
「ゾフィ、ゾフィ、ゾフィ………(エコーがかかっている)」
声の主は、自分たちがM78星雲「光の国」からやってきた宇宙警備隊員であり、怪獣を追って地球に飛来したことを話します。そして、ハヤタは激突で命を落としたが、自分たちの生命を分け与えることを伝え、変身用のカプセルを渡します。カプセルのスイッチを押すとウルトラマンに変身できるのですが、子供の私には、光とともにウルトラマンが飛来してハヤタと一体になるように感じられました。
 大人になるにつれて、いつの頃からか、私には、この「光と一体になる」感覚や、「生命の再生」が、阿弥陀仏の救済、極楽往生と重なるように感じられるようになりました。

 阿弥陀の語源はアミターユス(無量の寿命)、アミターバ(無量の光明)といわれています。阿弥陀仏が無量寿如来、無量光如来とも呼ばれる所以です。(如来は、真如から来たり生じたもの)
お念仏の前に称える摂益文(しょうやくもん)には

如来の光明は、あまねく十方の世界を照らして、念仏の衆生を、摂取して捨てたまわず。
(仏様の光明は、すべての世界を照らして、念仏を申す生きとし生けるものを、必ずお救いになり、決してお捨てになりません。)

また、無量寿経の一節には

無量寿如来の威神(いじん)光明最尊第一にして、諸仏の光明及ぶことあたわざるところなり。このゆえに無量寿如来を無量光仏、無辺光仏、無礙(げ)光仏…中略…超日月光仏と号し奉る。
(無量寿如来の本質を変化させる光明が最も優れ、諸仏の光明が到底及びません。そのために無量寿如来を、はかり知れない光の仏、はてしない光の仏、さえぎられない光の仏…中略…太陽・月を越える光の仏と名を申し上げるのです。)

と12の光の性質を挙げて、阿弥陀仏の体(たい、姿)・相(そう、性質)・用(ゆう、能力)をお讃えしています。阿弥陀仏の救済は、遥かな「西方十万億土」の極楽に生まれさせていただくだけではありません。その"ウルトラ"な光によって、「今現にここでお救いにあずかることができる」のです。

 M78星雲は、オリオン座の中に本当にあるのだそうです。今日も望遠鏡で「光の国」をのぞいている天文ファンがいることでしょう。でも望遠鏡がなくても大丈夫、ウルトラマンは必ずやってきて私たちを危機から救ってくれます。私も内外の怪獣をやっつけるために、念仏を称えて如来の光明中の人になりたいものです。
「おとうさん、仏様はいつも守ってくれているんだよね?」
「そうだよ。ナムナムしていればどこにいたって、すぐにやってきて必ず守ってくれるのさ。」
                          合掌

                             観智院  土 屋 正 道

 

 

 


   

 

   

(前話は、願成寺ホームページ「メルマガお申し込み」のバックナンバーにあります。)

 桐壺帝は、桐壺更衣の里に靫負命婦(ゆげいのみょうぶ)という女官を遣わし、若宮(光源氏)の参内を促す。命婦は、遺品の御髪上(みぐしあげ)の道具を賜り帰る。

 帝は親しき四五人と白楽天の長恨歌の絵草紙を見ながら、命婦の帰りを待っていた。長恨歌は、唐の玄宗皇帝と楊貴妃との恋愛を題材として、その心情を七言の長詩としたものである。玄宗はその寵愛から政(まつりごと)を顧みず安禄山の乱がおこり、楊貴妃を失ってしまう。思慕の念が強く道士にその魂のありかを尋ねさせると、道士は形見としての螺鈿(らでん)の箱と釵(かんざし)を持ってきたという故事が述べられている。

 母君からの遺品をみた帝は、「これが更衣の住処を探し当てての釵であるならば」と思しめすが、それは甲斐のないことであった。

  (帝) たづねゆく まぼろしもがな つてにても 魂のありかを
      そこと知るべき
  (桐壺更衣の魂のありかを捜してくれる道士がいてくれたら、魂の
   ありか知ることができるのに)

 太液池の芙蓉(蓮の花)そして未央宮の柳ように美しかった楊貴妃というが、更衣はさらに親しみやすかったことをお思い出しになられる。二人のあいだでは比翼(ひよく)の鳥のように雄雌二羽が一緒になって始めて飛ぶことのできる鳥のように、あた連理の枝のように根は別であっても枝は連なっている木のようにと約束したが、今ははかなくなってしまった命の恨めしさを感じないわけにはいかないのであった。
床に入ってもお眠りになれず、朝餉(あさがれい)もほとんど召し上がられず、ご政務もままならない状態であった。人々からは玄宗皇帝と楊貴妃の例までもが引き合いに出される始末であった。
 風の音や虫の声を聞くにつけても悲しさがつのる時であったが、弘徽殿女御は参上されることもなく、月が美しいといって夜おそくまで管弦の遊びをなさっているようである。帝の嘆きなど、まったくお考えになることのない振る舞いであった。

【長恨歌抜粋】(小学館日本古典文学全集「源氏物語」による)

唯旧物を将ちて深情を表はさんと(今はただ昔の記念の品によって、皇帝に対する深い思 いを表そうとて)
鈿合金釵寄せて将ちて去らしむ (螺鈿細工のはこと黄金のかんざしを、使者にあずけ持 たせてやる)

帰り来たれば池苑皆旧に依る(都に帰ってみると、池も庭園もすべてもとのままである)
太液の芙蓉未央の柳(太液池の蓮の花や未央宮の柳)
芙蓉は面の如く柳は眉の如し(その蓮の花はその人の顔を思わせ、柳はまるでその人の眉のようである)

                           天主君山現受院願成寺住職 魚 尾 孝 久

 


 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月一回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。


                          天主君山現受院願成寺住職                                魚 尾 孝 久

 

  

 

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▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
 現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
 ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開催日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場所
 願成寺庫裡
費用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。



観音堂大祭(諸祈願)のお知らせ

 春のお彼岸に観音堂の大祭を厳修いたします。寺伝によりますと、頼朝公が三嶋大社に百日祈願の折、当願成寺を宿舎といたし、その願が成就いたしたことから「願成就寺」の寺号を賜りました故事により、諸願成就の祈願をおこないます。当日ご参加できません場合には、お札は郵送申しあげます。また、当日前年のお札等を炊きあげますのでご持参ください。当日は「餅まき」「模擬店」「野菜青空市」等を予定いたしておりますので、お誘い合わせてお出かけ下さいませ。

日   時
3月20日(春分の日) 【11時】法要、【12時】餅まき
祈 願 料
3,000円 特別祈願料 1万円
申 込 み
お参りの折、電話、E-mail(前日までに)

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。


ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

「燃えないゴミ(ビン・カン)」
市のゴミに出します
「土に返すゴミ(花・香花)」
寺にてチップにして土に返します
「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
寺にて土に返します
「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土い返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。