昨年の5月、施餓鬼法要にてご講演をいただきました木村彰男先生が、日本経済新聞に「医師の目」(全5回)と題しリハビリにつきまして連載をされました。高齢者社会を迎え、ますますリハビリの重要性が指摘されておりますので、木村彰男先生ならびに日本経済新聞社のご許可をいただき、ここに全文を掲載させていただきます。


 

 


 慶應大学月が瀬リハビリテーションセンター所長
 木 村 彰 男 先生

 こちらが医者だと分かると、初対面の方は「専門は何科ですか?」と聞いてこられます。「リハビリテーション(リハビリ)科」とお答えすると、少しけげんな顔をされ、「そんな科があるのですか」と聞き返されることもしばしばです。リハビリという言葉は日常的に使われるようになりましたが、リハビリ科という診療科があることや専門の医者がいること、どのような患者を扱うのかを知らない方が多いようです。

 リハビリ科を一言で言えば、運動障害を扱う診療科です。診療科は臓器別に消化器、循環器、呼吸器などに分かれていますが、リハビリ科は臓器別ではなく、神経、筋肉、骨、関節疾患を中心に、運動障害を起こす原因となる疾患全てを扱います。特に多いのは、障害を克服するために多くの支援を必要とする脳卒中、骨折、腰痛、膝(ひざ)、関節痛、脳下傷、脊髄(せきずい)損傷、関節リウマチ、四肢切断、パーキンソン病などです。

 従ってリハビリ科では疾患を診るという従来の医療に加え、患者の障害に対応して歩行をはじめ日常生活動作を不自由なくできるように訓練します。そのためリハビリの現場では理学療法士、作業療法士などの専門職が働いています。疾患・障害に付随する経済的問題を解決したり杜会復帰を果たすため、ケースワーカーも重要な役割を担っています。つまり多くの専門職によるチーム医療が展開されているわけです。

リハビリは既成の医療とはかなり性格が異なりますが、障害を克服し社会復帰するには必要不可欠な分野です。超高齢化社会では、障害を持たないように積極的に予防することが必要で、その意味でもリハビリはますます重要になっています。


(前話は、願成寺ホームページ「メルマガお申し込み」のバックナンバーにあります。)

第2巻「帚木」その19

 女性論のまとめ(左馬頭) 

 「すべて男も女もとるにたりない者は、わずかな知識のこともすべて見せようと思っていることが、残念でなりません。女が三史五経などの学問の道をはっきりと習得しようとすることは愛敬のないことですが、女であるからといって世の中にある公事や私事について、まったく知らないではすまされないでしょう。改めてことを習いませんでも、少しでも才気のある人は、自然と耳や目にとまることが多いでしょう。知識にまかせて漢字を走り書いて、漢文では書かない女の文に、半分以上も漢字で書いてありますのは嘆かわしく、たおやかであったならばと思われます。自分自身ではそうは思わないでしょうが、自然ときつい声で読まれたりして、特別なものとなってしまいます。こうしたことは、身分の高い女に多いでしょう。

 自分では歌を詠むことができると思っている人が、そのことにとらわれて、まずおもしろい故事などを取り込むことなどは、歌を詠むべきではない時には不快なものです。返歌をしなければ風情のないことになりますし、できないことははしたない者となるでしょう。 しかるべき節会などで、たとえば端午の節会に急に参内する朝、菖蒲の根の歌を詠みかけられたり、重陽の宴で、むずかしい詩の心に思いをめぐらして暇のない時に、菊の露によせて歌を詠みかけてくるなど、間の悪いことをしなくても、自然と後になって思えば趣も心うたれると思われることが、考えもせず詠み出すのはかえって気のきかないようにも思われます。

 何ごとにおいても、そうした方がよいとかそうしない方がよいとか判らないような心では、風流ぶったりしないが無難でしょう。すべて、知っていることも知らぬような顔をして、言いたいこともひとつふたつは言わないのがよいのです。」

と、左馬頭が言うにつけても、光源氏はひとりの方(藤壺の宮)の様子を心の内にお思いになっておられる。この話に(藤壺の宮は)足らないこともなく過ぎたることもなくなされる方であるなと、胸が一杯になられる。

 どちらになるとも決着することもなく、最後はけしからぬ話になって夜を明かしてしまった。


さん‐し【三史】
中国古代の史書、史記・漢書・後漢書の総称。

ご‐きょう【五経】‥キヤウ
儒教で尊重される五種の経典。すなわち、易・書・詩・礼らい・春秋。先秦時代に存したと伝えられる六経のうち、亡失した楽経以外の経書けいしよで、漢代に諸家の流伝をもとに復元編纂。唐代の五経博士が、詩・春秋の諸家のうち毛氏の詩、左氏の春秋を正科として以来、易経(周易)・書経(尚書)・詩経(毛詩)・礼記・春秋(左氏春秋)の五種が五経となった。ごけい。(広辞苑)

せち‐え【節会】‥ヱ
古代、朝廷で、節日その他公事くじのある日に行われた宴会。この日、天皇が出御して酒食を群臣に賜った。元日・白馬あおうま・踏歌とうか・端午たんご・重陽ちようよう・豊明とよのあかり・任大臣など。せち。(広辞苑)

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


青表紙本源氏物語「帚木」(新典社刊)



 

第248回 辻説法の会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
1月19日(金) PM7:00〜8:30
会   場
西福寺(茶房「欅(けやき)」東側50メートルくらい)
講   師
善教寺住職 土山 和雅 師
参 加 費
無料
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、ひとりでも
多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
2月16日(金) 同時刻  三明寺住職 大嶽 正泰 師

 

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。


ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

「燃えないゴミ(ビン・カン)」
市のゴミに出します
「土に返すゴミ(花・香花)」
寺にてチップにして土に返します
「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
寺にて土に返します
「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。


 

▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
 現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
 ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開催日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場所
 願成寺庫裡
費用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。

 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月一回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


 

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