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次回配信日は、9月3日です。



うなぎ


とんかつ

 給食のおかず注文数を間違え、教諭が児童に口止め料を払うという、とんでもない事件が起きた。 
 新聞の報道によると、小学校の男性教諭(52)が選択給食のおかずを間違えて注文したミスを隠そうと、希望と違うおかずを食べ残した児童7人に、「口止め料」として100円ずつ渡していたという。

 市教育委員会や同校によると、教諭は4年生の学級担任。7月13日の選択給食のおかずについて、6月中旬に児童から注文を聞いた際、24人がトンカツ、8人がウナギの蒲焼(かばや)きを希望したのに数を逆に発注した。給食当日、希望と違った児童に謝ったうえ、「我慢して食べてくれないか」と頼んだが、ウナギが嫌いだった児童7人が食べなかったという。
 教諭は放課後、7人を教室に残らせ、「誰にも言うなよ」と言って自分の財布から100円ずつを7人に渡したという。教諭は校長に「自分だけで解決しようと焦ってしまった。教師としてあるまじき行為で反省している」と話しているという。 (『朝日新聞』2007年08月08日)

 学校教育の場でも時には、「失敗」や「間違い」は起こりうることであろう。そうしたことが起きないように十分注意することは必定であるが、問題は起きてしまった後の対処にあろう。やはりお金で口封じは問題外であって、決して教育の場にはあってはならないことである。それも52歳の教諭というから、大ベテランといえように、あまりにもお粗末な解決方法であった。
 起きてしまった間違えは取り返しがつかないが、教諭が詫びどう対処するかを子供たちと相談したならば、災い転じて良い教育の機会になったであろうと思うと残念でならない。

 ところで政治家や官僚の隠蔽(いんぺい)体質、基地や放射性廃棄物の最終処分施設移転や建設にともなう交付金などを考えると、現実に世の中は嘘とお金で物事を解決しているようにも思える。

 平成12年雪印乳業が集団食中毒事件を起こしておきながら、翌年には偽装牛肉事件を引き起こし、その後雪印乳業がグループの解体・再編を余儀なくされたことは記憶に新しい。そして最近の食肉加工販売会社「ミートホープ」の食肉偽装事件、昨日報道された北海道土産として全国的に知られたチョコレート菓子「白い恋人」の賞味期限の偽装、ブドウ球菌や大腸菌が検出された商品まで出荷していた事件と、同様の事件が繰り返されている。
 これらの事件に共通することは、すべて嘘と隠蔽である。そして事件が露見していくのは、すべて内部告発である。
 「嘘」「ごまかし」「隠蔽」からの離脱なくして、物事の解決はないということを肝に銘じることである。

 ところで、仮に他人をごまかすことはまた可能であるが、仏さまと自分自身は決して騙すことはできない。仏さまや神さまを騙せないことは説明がいらないかと思うが、自分で自分を騙すのはなかなか難しいのです。騙している自分を承知しているからである。

 後ほど、「うなぎ」と「トンカツ」を美味しくちょうだいした。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


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第2巻「帚木」その24

 空蝉との出会いU

 空蝉が気を失いそうになるほど戸惑っている姿が、光源氏はかわいらしく思い、「人違いをすることのない心の導きでまいりましたのに、お疑いになるとは心外なことです。好色めいたことなどお目にかけることはございません。思っておりますことをお話いたしだけで。」と言い、女は小柄であったので抱き上げて襖のところから出ようとすると、探していた中将らしい女房が来合わせた。
 「やぁ」とおしゃるので、怪しく思って探りよってみると、香の薫りがただよい、顔にも薫りがかかる心地がしたので、光源氏の君と気がついた。浅ましい、これはどういうことか思い惑うが、申しあげる暇もない。

 相手が普通の人であるならば、荒々しく引き離しもしようが、それだって周りの人たちに知れてしまってはどんなものであろう、動揺しながら光源氏の後について行くと、光源氏は平然と奥の御寝所にお入りになる。襖を閉めて、「明日の暁に迎えに参れ」と、おっしゃるので、空蝉は、光源氏と自分とが示し合わせたことと思われることが死ぬほどつらく、流れるほどの汗をかき、たいそう苦しげなるを、光源氏はいとおしく思うけれど、例によってどこから取り出す言葉であろうか、情け深くお話になるが、女はやはり、

「現実のこととも思われません。ものの数ならぬ身ではございますが、このように見下しになられるのは、お心ばえが浅いと思わないわけには参りません。このような無体なことをする身分の人はそれだけの身分の人でございます。」

と、無理強いをするのをたいそう情けなくつらいと思っている様子もほんとうにかわいらしく引け目を感じるので、

「まだその身分身分と言うことを知らぬ初事です。それを世間並みのこととお考えになるとは情けない。私のこともおのずから耳にすることがあるでしょう。無理強いをするような好き心を懐いたことは全くありませんのに。そうあるべき縁によるものなでしょうか、このように無体なことと思いになるのも無理からぬこと思います惑いは、自分でも不思議に思います。」

など、まじめにいろいろとおっしゃり、たいそうたぐいないご様子であるが、いよいようち解けてしまうことも侘びしかったので、無愛想と思われようと恋のことだけはわからずやとして過ごしてしまおうと思い、つれなく対処した。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


青表紙本源氏物語「帚木」(新典社刊)



 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。


ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

「燃えないゴミ(ビン・カン)」
市のゴミに出します
「土に返すゴミ(花・香花)」
寺にてチップにして土に返します
「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
寺にて土に返します
「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。


 

▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
 現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
 ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開催日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場所
 願成寺庫裡
費用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。

 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


 

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