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次回配信日は、12月1日です。



我が家のジャンボ落花生

 朝日新聞の「青鉛筆」の欄に、ジャンボ落花生の記事を見つけた(2007.10.27朝刊)。落花生の産出額全国1位の千葉県が、輸入品に押され気味な落花生の「超大型新人」救世主としてジャンボ落花生を開発したという。さやの長さ5〜6センチで一般の約2倍、開発に14年の歳月がかかり、軟らかく甘みのあるジャンボ落花生が09年ころから出回るという。

 じつは、わたくしもこの秋わずかであるが、ジャンボ落花生を楽しんだ。家庭菜園でできたジャンボ落花生は、大きさ、甘み、軟らかさといい、まさしく記事のとおりである。なにか千葉県を先取りしたようで、小気味よい空気が食卓に漂った。

 ジャンボ落花生を作るきっかけは、ひょんなところから始まった。息子が大学の研修でドイツに行くことになり、大学に勤めている関係で、成田まで夫婦して見送りにいった。帰りの折、空港ビルの片隅で農家の方が地場産品を販売していた。そこにジャンボ落花生が売られていたのに、豆好きの女房が見逃すことはなかった。ジャンボ=大味というイメージがあったが、一袋500円にケチをつけることはない。女房はさすがに電車の中では開けることはなかったが、帰宅すると早速試食となった。思いの外、美味しい。あっという間に食べてしまったが、また簡単に買いに行けるわけでもなく、常時販売しているようにも思われなかったので、ジャンボ落花生は一時の清涼剤として終わった。

 その春、家庭菜園の種をもとめて種苗店を訪れた。ふと床に目をやるとジャンボ落花生の種が売られているのではないか。店の方に尋ねると、売れるかどうかわからないが、珍しいので少し仕入れてみたという。普通、落花生の種は殻をむいてあるが、泥付きの莢(さや)のままである。早速購入して箱に播いたが、発芽しない。なんと、ネズミが種を掘り出して食べていたのである。数十粒の種から、わずか10株の苗しかとれなかった。1年目は大切に育て、種を採ることにした。ほんのわずかを味わっただけで、おおかたは種とした。今年は多少収穫することができ、来年こそは、みんなで楽しもうと思っていたとき、新聞の記事にであったのである。

 開発に14年もかかった種が、もう売られていることに多少の疑問を感ずるが、美味しいものに出会えた喜びは、何物にもかえがたいことだけは確かである。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


(前話は、願成寺ホームページ「メルマガお申し込み」のバックナンバーにあります。)

第2巻「帚木」その27

 空蝉との出会い

 それから5〜6日して、紀伊守が例の子をつれて参上した。すべてが美しいというわけではないが、優雅なようすで上品なことが見える。お召しになってたいそう親しくお話になる。子供心にもたいそう立派で迎え入れられたことをうれしく思う。君は、姉君のことを詳しくお聞きになる。しかるべきことなどは、お答え申しあげなどして、恥ずかしそうに落ち着いているので、さらに姉君のことを言い出しにくい。しかし、たいそう丁寧に説得してお話になられる。このようなことであるかとひとまず心得るが、思いの外のことであったので、幼心にもとくに詮索もしない。

 君からの手紙を持って帰ってきたので、姉君は浅ましいことにと涙まで出てきた。この子の思っていることもきまりわるく、しかたなく御文を顔を隠しながらひろげた。たいそう多くのことが書いてあり、

「見し夢を あふ夜ありやと なげく間に 目さへあはでぞ ころも経にける」
(夢にみたことが正夢になってお会いできる夜があるであろうか、嘆くうちに目までが合わなくなってしまい何日も過ぎてしまった、夢さへ見ぬ夜であるので。)

などと、目も及ばない筆遣いのさまも涙で見えなくなり、心づもりのない宿世に合うわが身の上を考えながら横になられた。

 次の日、君が小君をお召しになったので、小君は参上いたすのでご返事を求める。

「このような御文を見る人もいませんと、申しあげよ。」

とおっしゃると、小君はうち笑いて、

「まちがいなどございませんと申しあげましたものを、どうしてそのようなことが申しあげられましょう。」

というと、残りなく申しあげ知らせていると思うに、つらく思うこと限りない。

「さて、大人びたことは言わないがよいぞ。そうでなければ参上なさるな。」

と、不快に思われる。小君は、

「お召しあるのに、どうして参上しないことができましょう。」といって参上した。

(小君の役割は?)

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


青表紙本源氏物語「帚木」(新典社刊)



 

十夜法要のご案内

 本年もお十夜の季節となりました。一日ではありますが、ご先祖のご供養とともに、み仏の教えにふれますよい機会ともいたしたく存じますので、お誘いのうえお申し込み下さい。
 お檀家の皆さまには、10月下旬に郵便にてご案内申しあげます。

日   時
11月18日(日)13時より
会   場
願成寺 本堂
法   話
「法然上人800年遠忌を健康で迎えるために」
講   師
慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター整形外科診療部長
橋本 健史 先生
塔婆供養料
3,000円
申 込 み
専用ハガキ、電話、FAX、E-mail (前日までに)

 

暮れの墓地大掃除のお知らせ

 毎年12月の第2日曜日は、暮れの墓地および境内地の大掃除となっております。お忙しい折とは存じますが、ご家族でご参加下をお願いいたします。当日は「温かい豚汁」を用意いたしておりますので、お掃除終了後お召し上がり下さい。

日   時
12月9日(日) 9時より (小雨決行)
お 願 い
できますならばお掃除の道具をご持参下さい。
駐車場が少ないのでご注意下さい。

 

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。


ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

「燃えないゴミ(ビン・カン)」
市のゴミに出します
「土に返すゴミ(花・香花)」
寺にてチップにして土に返します
「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
寺にて土に返します
「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。


 

▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
 現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
 ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開催日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場所
 願成寺庫裡
費用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。

 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


 

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