願成寺ホームページは、 こちら(http://ganjoji.com/)です。

次回配信日は、3月15日です。



ベトナムのフエのお寺でお経を唱えてる僧侶


サイゴンの永巌寺でお参りする若い参拝者

 三月といいますと、博物館の春の特別展の準備や確定申告の時期で忙しく感じます。しかし、少しづつ暖かくなり、季節として元気な気分になる時期でもあります。春はやはり様々な面でわくわくと期待感をもちます。また、お正月と違いまして、気持ちが新たに切り替えるときだと思います。常夏のハワイで生まれ育った私にしては、はやり冬から春という時期は奇跡のようです。自然のなかでは、新しい植物が生えてきたり、冬の間静かにしていた鳥の鳴き声が聞こえてきたり、山の雪が溶けて川の水として流れたり、様々な自然現象がおきます。

 そのためか、人の気持ちも同じで、芽生えたように色々な新しい発見をします。ものごとを新たな視点から見るようにもなります。(勿論、この季節は良いことばかりではありません。知り合いの間では花粉症に悩まされたり、うつ病になる人もいます。でも、大多数の方は四季の中で、春は格別な時期だと思う人は多いと思います。)

 私は、この春のいろいろな新しい発見や出会いを楽しみにしています。ひとつは、先月、40歳になったことです。ある人生のターニング・ポイント(turning point, 転換期)として、20代や30代とまた違う視点から世界を見るようになったと感じます。人生経験や仕事の面で、とても面白いというか楽しいときだと思います。また最近は、親にいわれてきたことを初めて理解できるようになったと感じます。これは親が子育てをしていた歳に、自分も到達したからでしょうか?あるアメリカ人の先輩にこう云われました、「40 is the new 20」(40歳は新しい20歳)。彼女が言っているのは、今はもはや40歳は若いのですよということです。勿論、体は20代とは違いますが、やはり気持ちを若々しくすることが大切なのかも知れません。

 あとひとつは、仏教大学で開教師(海外のお寺で活躍する浄土宗の僧侶)のための英語を教えないかと声がかかり、普段一人で翻訳者として缶詰状態で仕事している私が、4月からまた学生の前に立つことになりました。教壇に立つのは2年ぶりなので、この新学期、学生だけでなく私も緊張を感じます。

 最後に、今年からエンゲージド・ブディズム (Engaged Buddhism) という勉強会に知り合いから誘われ、参加させていただいています。この会では様々な仏教のテーマの本や記事を読書して、それについて論じます。大学院生、学者、と私のように仏教に関心持つ人が十数人、宗派問わず参加している勉強会です。「エンゲージド」という言葉は、辞書では、様々な意味合いを持っています。「婚約」という意味も持ちますが、この場合、「積極的に関与、参加する」という意味です。したがって、エンゲージド・ブディズムというのは、「社会的に関わる仏教」と解釈します。ここでは、社会の中でどのように仏教が活躍しているかと考えさせていただいています。もともと、このコンセプトはベトナムで反戦運動をした僧侶などに関して使われましたので、日本だけではなく、大きな社会を指します。

 春は、いろいろな新しい始まりの季節でありますが、改めてチャレンジすることを見直す素晴らしいチャンスだと思います。この春はどのような新しい出発点を楽しみにしますか?

 原 真 理



 小生59才になり、来年は還暦を迎える。

 厚生労働省白書(平成19年版)によって、数値的なことを考えてみよう。平均寿命は79歳(女85.18歳、以下カッコ内は女)、昭和22年が50.06 歳(53.96)、男女とも60歳を超えるのは昭和26年であることを考えると、長寿社会になったものである。
 私の余命を考えると、23.23歳(28.82)あるという。しかしこれはあくまでも統計上の平均であり、私の余命を保証してくれるものではないことは言うまでもないことである。明日かもしれないし、90歳まで生きるかもしれない。ただ、先々代住職が65歳で遷化、先代住職が65歳で倒れ70歳で遷化されていることを考えると、安穏としてはいられない。

 昔は還暦を迎えると、赤いチャンチャンコに赤帽子、紫の座布団で祝ったものであるが、いまそのようなことをする人はいないであろう。家系からいって古希を元気で迎えることは無理のようにも思われるので、還暦の祝いをしたいと思っている。
 実は私は、40歳のときに「四十賀(よそじのが)」といって、長生きのお祝いをしている。20数年前より、お檀家さんたちと写本で源氏物語を読んでいる。その中で光源氏は40歳の祝賀を盛大におこなっているのに因んで、みんなと一緒に祝った次第である。
 源氏物語の書かれた平安中期の平均寿命は40歳ぐらいといわれている。いや、ついこのあいだまでは「人生わずか50年」といわれていたことを考えると納得いただけるでしょう。つぎは「五十賀」と約束したのだが、実行にいたっていないことから、還暦は盛大に祝いたいと思っている次第である。

 実のところ、すでに準備ができているのである。3年ほど前あるお檀家さんに還暦の話をしたところ、おばあちゃんが 呉服屋さんに注文して作ってくれたのである。イベント用の化繊のチャンチャンコではなく、正絹で作っていただき今は大切に法衣箪笥に眠っている。還暦の賀にはお披露目したい。

 平均寿命は国連の統計によると、混乱の続くジンバブエが34.0歳、アンゴラが39.9歳とアフリカでは30〜40代の国がいくつもある。戦乱のなかにあるアフガニスタンが42.6歳、アジアでもガンボジアが54.6歳、ミヤンマー58.9歳と50代止まりの国がある。
 我が国が世界1の長寿国であることは、素直に喜ぶべきであるが、同じ地球上に日本の半分にも満たない国々があることを忘れてはならない。ひとりの人間として、仏教徒として、何をすべきか考えねばならないことである。

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久



 

観音堂大祭(諸祈願)のお知らせ

 春のお彼岸に観音堂の大祭を厳修いたします。寺伝によりますと、頼朝公が三嶋大社に百日祈願の折、当願成寺を宿舎といたし、その願が成就いたしたことから「願成就寺」の寺号を賜りました故事により、諸願成就の祈願をおこないます。当日ご参加できません場合には、お札は郵送申しあげます。また、当日前年のお札等を炊きあげますのでご持参ください。当日は「餅まき」「模擬店」「野菜青空市」等を予定いたしておりますので、お誘い合わせてお出かけ下さいませ。

日   時
3月20日(春分の日) 【11時】法要、【12時】餅まき
祈 願 料
3,000円 特別祈願料 1万円
申 込 み
暮れのお参りの折、電話、FAX、E-mail (前日までに)

 

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。


ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

「燃えないゴミ(ビン・カン)」
市のゴミに出します
「土に返すゴミ(花・香花)」
寺にてチップにして土に返します
「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
寺にて土に返します
「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。


 

▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
 現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
 ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開催日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場所
 願成寺庫裡
費用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。

 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


 

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