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次回配信日は、5月1日です。



光源氏(京都風俗博物館より)


購入した切手

 京都にある風俗博物館をしばしば訪れる。源氏物語の世界を1/4縮尺の六条院や人形で再現してあり、メルマガ源氏を発信するものには、いろいろな情報を提供してくれる博物館である。
また井筒法衣店が開設した博物館なので、直衣や十二単衣が用意され、誰でも自由に着ることもできる。機会があったならば一度着てみたいが、博物館へはひとりででかける習慣があるので、お姫さま役がいない。

 本山など京都に出かけた折、ついでに見学しようとすると、おおかた時間がなくなってしまうことが多い。最近でははやく出発して、最初に訪れるようにしている。京都駅から歩いて15分ほどの距離であるので、歩いていく。西本願寺御用達の宿やお店の前を通ると、京都の息吹を感じ、人形とはいえ光源氏の世界に再会する高揚感を禁じ得ない。

 駅の隣は京都中央郵便局であり、ビルの前で小さなテーブルをおいて記念切手を販売していた。3月下旬の京都、歩くには心地よいが、露天商のごとく切手を売る社員には少し寒いであろう。コートを着ての販売であり、あまり売れない社員にとっては寒いようにも思われる。
 「こんにちは」と、声をかけて切手を見せていただく。勝手な想像であるが、久しぶりの客であろうか、心なしか笑みを浮かべている。好みの切手を5枚注文する。10枚で1シートであるので半分に切ろうとするので、「いや、ごめんなさい、5シートのことです」というと、また心なしか笑みが大きくなる。お寺では比較的切手を使う機会が多いので、こうした露天の切手売り場をみると、必ず買うようにしている。法人であるので領収書をいただくあいだ、その土地の人とお話をさせていただくのも旅の出発には快いものがある。あまり売れないのであろうか、ひとり販売している人の喜ぶ顔もいい。

 三島での出来事であるが、ある小さな郵便局に出かけた折、窓口の社員と郵便為替の値上がり話が及んだ。80円から120円とは急な値上がりであると話したところ、奥にいた局長さんが、「あんたたちが郵政民営化に賛成したからしょうがないだろう」という。この局長さんは何を言うのであろう。振替を利用することが多いだけに、単に値上がりを確認しただけであるが、窓口の人の困惑な顔がわすれられない。こうした局長さんがいるから民営化が必要と得心をした。

 そういえば国鉄の民営化でも、駅員の言動に不快感をもったことがある。特に三島の住人は、JR東海とJR東日本のあいだを利用するだけに、JRの民営化の縄張り争いにお付き合いをさせられた。
 こんどは郵政である。いずれも民営化後入社した社員が中心になるまで、時には不快な思いをするのであろうか。

 ところでわたしもひと昔前の世代といわざるを得ない。自らの立ち振る舞いを考えなければいけない。
 きっと息子にいわせれば、「同じだよ」の一言がかえってくるだろう。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


(前話は、願成寺ホームページ「メルマガお申し込み」のバックナンバーにあります。)

第3巻「空蝉」その2

「光源氏ののぞき見」

 小君は、子供心にも、どのような機会にお連れいたしたらよいのか思案しているときに、紀伊守が国に下ったりして、女たちがのどやかである夕闇にまぎれて、自分の車にのせてお連れする。この子も幼いから「いかなるであろうか」と思われたが、そんな風に考えていたならどうにもならないので、さりげない姿で門などに鍵をかけられぬうちにと、急ぎお出かけになる。人気のないところから車を引き入れて、お下ろしになる。子供であるので、宿直人(とのいびと)なども注意もせずへつらうこともしない。

 東の妻戸にお立たせになって、自らは南の隅の間から、格子を叩き騒ぎながら入った。女房たちは「まる見えです」といっているようだ。小君が、

「どうして、こんなに暑いのに格子を下ろしてあるのですか。」と問うと、

「昼から西の対の方がお渡りになられて、囲碁をお打ちになっておりますので。」という。

 源氏の君は、ふたりが囲碁をしている姿を見たいと思って、やおら歩み出でて簾と格子のあいだにお入りになる。小君の入った格子はまだ閉めていないので、隙間の見えるところによって西の方をご覧になると、格子の際に立ててある屏風も端が畳んであって、目隠しの几帳なども、暑いためであろうか帷子(かたびら)上げてあって、たいそう中まで見入れられる。

 碁盤の近くに灯火がともされている。母屋の中柱のところで横向きになっている人が、自分が思っている人かとまず目をお止めになると、濃い綾の単襲(ひとえがさね)であろう、何かわからないものの上に着て、頭が細やかで小柄な人の物憂げな姿をしており。その顔などは差し向かっている人にもはっきりと見えないように気をつかっている。手つきは痩せていて、たいそう袖を引いて顔を隠している。

さてもう一人は?

との‐い【宿直】(「殿居」の意)
@宮中・役所などに宿泊して勤務・警戒すること。万葉集2「君ませば常つ御門みかどと―するかも」
A天子の寝所に奉仕すること。御添臥。源氏物語桐壺「御方々の御―なども絶えてし給はず」(広辞苑)

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


青表紙本源氏物語「空蝉」(新典社刊)


「空蝉」本文


囲碁をする女たち(京都風俗博物館より)


 

第263回 辻説法の会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
4月18日(金) PM7:00〜8:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
如来寺 荻田 宣史 師
参 加 費
無料
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
5月16日(金) 同時刻  慶昌院 磯田 浩一 師

 

大施餓鬼会のお知らせ

 本年もお施餓鬼会法要を、下記のごとく厳修いたしたくご案内申しあげます。ご先祖の供養とともに、一日ではありますが、みほとけの教えにふれます良い機会ともいたしたく存じますので、お誘いのうえお申し込み下さい(当日ご参加できません方には、当寺にてお塔婆をお墓に立てさせていただきます)。

日   時
5月15日(木)  【13時】法要、 【14時】奉納ピアノ演奏
演   奏
瀬川  玄
未定
供 養 料
3,000円
申 込 み
お参りの折、電話、FAX、E-mail(前日までに)

 

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。


ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

「燃えないゴミ(ビン・カン)」
市のゴミに出します
「土に返すゴミ(花・香花)」
寺にてチップにして土に返します
「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
寺にて土に返します
「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。


 

▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
 現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
 ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開催日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場所
 願成寺庫裡
費用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。

 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


 

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