願成寺ホームページは、 こちら(http://ganjoji.com/)です。

次回配信日は、8月18日です。



お寺の境内に準備された盆踊りのやぐらと輪


お盆の準備風景

 現在私が住んでいる京都は、いよいよ本場の夏になりました。蒸し暑い日が続き、エアコンもない私の家は、かなり暑いです。でもハワイ育ちなので、寒さよりは暑さの方が我慢できますが、ハワイは日本ほど湿気がありません。ところで、先月は、十日間ほど、ハワイに、父の寺、ラハイナ浄土院の盆踊りを手伝いに帰りました。

 去年も(2007年8月1日号に)、ハワイの盆踊りの話をさせていただきましたが、夏はハワイ中の寺で盆踊りを行っています。ラハイナ浄土院があるマウイ島では、数十件のお寺があり、6月から8月にかけて、毎週末どこかで盆踊りがあります。そのたび、皆が島中の盆踊りに駆けつけます。とても賑やかで、楽しいものです。小さい子からおじいちゃんやおばあちゃんたちまで、宗教、人種を問わず、皆がエンジョイしています。もちろん、そのための準備は大変ですが、皆が一緒に一生懸命頑張っている姿は素晴らしいものです。
 お祭りの雰囲気ですが、初盆の家族にとっては悲しい、寂しい時でもあり、またご先祖さまや先立たれた方を思い出し、感謝をする時でもあります。今年も、ラハイナ浄土院を長年支えてきた90代のメンバー何人かが亡くなりました。沖縄団子をいつもお盆に作っていた佐藤さんのおばちゃん、いつも冗談をハスキーな声で言っていた渡辺さんのおばちゃん、そしていつもニコニコ笑顔をしていた大工さんの清野さん。子供の頃からお世話になっていた方が亡くなることは言うまでもなく寂しいことです。また、だんだん日系人が消えていくことは、小さなラハイナの町にしても悲しいことです。昔は素朴で、のどかな町で、皆近所の人たちが知合いであって、助け合ったところでした。今は、地元の人はどうでもいい、観光客の楽園になってしまいました。そのようなところで生まれ育った私は、この変化にたいして時々絶望的な気持ちになります。今まで、頑張ってきた人たちは何のために頑張ってきたのか分からないと思ったりします。

 ですが、盆踊りの夜、渡辺さんのホテルのマネージャをしているお孫さんにお悔やみを言いますと、お孫さんは、「お祖母ちゃんがいないのは寂しいけど、死ぬのを分かっていたので、死ぬ前に思う存分お祖母ちゃんと時間を過ごせたので本当に良かったのよ」と答えました。
 お祖母ちゃんが死ぬ前に一緒に最後の数ヶ月を過ごせたから良かった、私はこの言葉に心が打たれました。自宅で家族に囲まれて亡くなっていった、阿弥陀さまに見守られて渡辺さんは幸せに往生したと思います。いつも楽しそうで、親切で、いつも家族や人を大切にしていた渡辺さんにふさわしい最期だと思います。
 清野さんのおじさんは亡くなる前の日に、母と訪ねました。結構弱っていて、口も殆どきけませんでしたが、いつものようにニッコリ笑顔で迎えてくれました。帰る前に、三人で合掌し、お念仏を一緒に唱えました。清野さんは殆ど声が出ませんでしたが、静かに「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏・・・」と唱えていました。

 身近な方がなくなると、いかにも人生の尊さや短さを考えさせられます。大好きな人たち、親や兄弟、友達などが、いつまでもそばにいたり、いつまでも元気でいるわけではありません。いつかは、みな死んでいきます。ですから、今を大事にしなければなりません。僅かな時間を大切に過ごさなければいけません。命の尊さに気づかなければなりません。そして、家族や身近の人たちを大切にすること、仲良く生きていかなければなりません。
 誰もが元気なときは死のことを考えるわけではありませんが、幸せに感謝の気持ちで精一杯生き、そして死ぬときも安心して死んで行きたいと思います。やはり、一人で生きているようで、実は目に見えないお蔭様の重なり、そして阿弥陀様の大慈悲に生かされているのです。
 私も最期に、手を合わせ、お念仏を唱え、阿弥陀様の極楽浄土に行きたいと思います。                合掌

 原 真 理


 拙寺では、お盆を4回おこなう。いわゆる旧盆(8月13日〜15日)と、旧暦をそのまま新暦にした7月盆が一般的である。ところがお地蔵さんの日の24日を中心とする地蔵盆、7月31日〜8月2日かけての晦日盆(みそかぼん)あるいは朔日盆(ついたちぼん)である。お盆の期間は3日間であるので、のべ12日間がお盆ということになり、夏休みは半分がお盆といえよう。

 お盆の行事は、いわゆる「盂蘭盆経」に由来するが、仏教伝来のなかで、各国各地の民間信仰を吸収して、今日の形式になったのであろう。したがってお盆の迎え方も、日本各地で多少違いがあるようである。
 やはり、ご先祖さまが我が家に帰ってくるので、迎え火を焚き、たくさんのご馳走をお供えして、3日間お祀りするのが基本である。そしてお盆があけると、送り火を焚きお送り申す。送り火、灯籠流し、大文字焼き等がこれにあたる。以前、大文字の大きさを競う大文字焼きを批判したことがあるが、本来の主旨と違うからである。

 ご先祖さまがご自宅に帰ってこられると、私ども僧侶が各お檀家さんを訪ねご供養申しあげるのが棚経である。
 ひと昔までは、お盆のあいだ3日間、いつ訪ねても迎えてくれたが、昨今何日の何時頃ですかという問い合わせが多くなっている。拙寺では棚経は3日間にご供養にうかがうため、6人のお坊さんで対応しているが、お訪ねする日、訪ねるお坊さん、地域を割り振るには、パソコンが必要になるほどである。昔は3日のあいだであれば、いつ伺っても問題がなかったのであるが、忙しい現代はそうはいかない。

 ところで、江戸時代から職人や商家での休日で実家に帰れるのは、「藪入り」といってお盆とお正月の2回だけでした。
 近在の農家では、お盆までに田植え後の草取りを終えすべての農作業が一段落するときがお盆である。お蚕さんを飼っているとか、農作業の区切りに違いがあるため、地域によってお盆の時期が違ったのであろう。したがってお盆は、お盆休暇(おぼんやすみ)といい、3日のあいだ親族も集まっての慰労の時でした(地方によっては湯治にでるところも)。ですからお盆中に田や畑にでることは、農作業がかたづいていないということで、とても恥ずかしいことでした。
 専業農家が兼業農家になり、さらに自宅で消費する米や野菜を作る農家となると、お盆休暇をしなくなりました。時代の変化といえばしかたないが、一抹の寂しさを禁じ得ません。

 でも、こころよく迎えて下さり、ともにご先祖のご供養申しあげますことは、快いものがあります。

うらぼん【盂蘭盆】
(梵語ullambana  倒懸と訳され、逆さ吊りの苦しみの意とされるが、イランの語系で霊魂の意のurvanとする説もある) 盂蘭盆経の目連(もくれん)説話に基づき、祖霊を死後の苦しみの世界から救済するための仏事。陰暦7月13日〜15日を中心に行われ、種々の供物を祖先の霊・新仏・無縁仏(餓鬼仏)に供えて冥福を祈る。一般には墓参・霊祭(たままつり)を行い、僧侶が棚経(たなぎよう)にまわる。地方により新暦7月・8月など日が異なる。盆。うらんぼん。盂蘭盆会うらぼんえ。精霊会しようりようえ。(広辞苑)

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


精霊棚


 

8月のお盆棚経

 お盆の棚経は、「ご自宅へ伺っての棚経」 と 「お寺での棚経」 とがあります。7月下旬にハガキにてご案内申しあげますので、ご希望をお知らせ下さい。

「ご自宅での棚経」
8月13,14,15日のうちお伺いする日を連絡します。
「お寺での棚経」
8月13日11時、本堂へ。
前日までにお電話で連絡をお願いします。

 

第267回 辻説法の会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
8月22日(金) PM7:00〜8:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
植松鍼療院 植松 博 師
参 加 費
無料
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
9月19日(金) 同時刻  本法寺 清水 俊匡 師

 

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。


ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

「燃えないゴミ(ビン・カン)」
市のゴミに出します
「土に返すゴミ(花・香花)」
寺にてチップにして土に返します
「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
寺にて土に返します
「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。


 

▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
 現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
 ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開催日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場所
 願成寺庫裡
費用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。

 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


 

本メールマガジンがご不要な方は、下記URLから配信を解除できます。

http://ganjoji.com/mlmaga.html (解除・退会)