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次回配信日は、11月1日です。



麻婆茄子の素

 お寿司をつくろうと、NHKの「きょうの料理」やレシピ本そしてインターネットからレシピを探す。数多くのレシピを取得するが、ひとつとして同じものがない。特殊な酢飯は別として、ひとつとして同じレシピがない。当然なことなのかもしれないが、酢、塩、砂糖の量が微妙に違うのである。さらに、お酢や砂糖の種類からすると、無限のレシピが存在することになる。やはり基本のレシピからはいって、数多くつくって、好みのレシピに到達するのであろう。

 そういえば、この夏にはしばしば家庭菜園で採れた茄子をつかって「麻婆茄子」を楽しんだ。2日に1度はつくるので、家族には楽しみを通り過ぎているかもしれない。
 レシピを自分のものにするには、とにかく回数多くつくることである。各社から発売されている「麻婆茄子の素」と称する製品をすべて試してみて、まずいわゆる麻婆茄子の味を舌に教え込むことから始める。つぎに基本のレシピ、豚肉、豆板醤、甜麺醤、豆鼓、ニンニク、生姜、唐辛子、砂糖、塩、鶏がらスープ、紹興酒でタレをつくる。炒めた茄子、ときには焼いた茄子と合え、仕上げに刻み葱、花椒、ごま油、溶き片栗粉で仕上げる。
 つくるたびにそれぞれの材料の量を変えていき、好みの味を探す。味が一定になるころには、材料を計量スプーンやカップで量ることはない。すべて感であるので、レシピを聞かれると材料をいうことができるが、量はいえない。
 あまりのしつこさに多少気が引けたので、「麻婆豆腐」や「麻婆春雨」と目先を変えた。熱湯をくぐらせた豆腐といえども水が出てタレが薄くなり、春雨はタレを吸ってしまい、タレは同じであるが、料理としては別物であった。いやタレの甘さなども素材によって違うようで、茄子は甘めを控えたのが好まれるが、豆腐はときには甘目のものもよい。
 私としては、唐辛子の辛さと花椒の辛さのバランスにあるとの結論で、秋茄子のシーズンを終えた次第である。

 宗教も、仏教、キリスト教、イスラム教はじめ世界には無数の宗教が存在する。宗教の究極の目的は、人間の幸福を追求するところにあるとするなら、慎重に選択しなければならない。ただすべての宗教を知るなどとは不可能でもある。そこでまず先祖が大切にしてきた信仰を知ることから出発したらどうであろう。代々受け継がれたものには、安心感があり、選択肢のひとつである。
 わたくしは寺に生まれたので、阿弥陀さまに手を合わせることから出発をしたが、今でもそれでよいと思っている。生まれながらにして選択肢がなかったのではなく、阿弥陀さまを選択したと確信している。

 先日、家族と中華料理を食べにいった。無論、麻婆料理を注文した。「お父さんのが美味しいね」の妻の一言が嬉しかった。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


(前話は、願成寺ホームページ「メルマガお申し込み」のバックナンバーにあります。)

第3巻「空蝉」その8「垣間見」

 小君が空蝉のところにいくと、姉君が待ち受けていてうるさくおっしゃる。

「とんでもないことなので、いろいろと紛らわしたが、人の思うことは避けるところがないので、たいそう無体なことです。このようにたいそう幼いあなたの気持をどのように思っているのでしょうか。」

といって、お責めになる。
 光源氏そして姉君にすまないと思うけれども、あの御文を取り出した。さすがに手にとってご覧になる。君が持ち帰ったあの衣が伊勢の海女の脱ぎ捨てた衣と同じように汗臭いかと思うと、気がかりで、たいそういろいろと思い乱れるのであった。

 西の対の君(軒端荻)ももの恥ずかしい心地がして、自分の部屋に帰ってしまった。だれの知ることではないので、人知れず思い悩んでいた。小君があちらこちら歩くにつけても胸がどきどきするけれでも,なにも御文もない。御文のないことをあさましいと思うこともなくて、落ち込んでいるのもかわいそうである。

 あのつれない空蝉も落ち着いた様子であるが、光源氏のお気持ちもいい加減とは思われないご様子であるのを、昔のままのわが身であったならば,取り返すことのできないことではあるが、忍ぶことができないので、先ほどの光源氏の畳紙の片端に、

  空蝉の 羽におく露の 木がくれて
            しのびしのびに ぬるる袖かな
  (空蝉の羽におりる露のように、木陰にかくれ人目をさけて
   袖がぬれる)

たとう‐がみ【畳紙・帖紙】(タタミガミの音便)
@檀紙・鳥の子などの紙を横に二つ、縦に四つに折ったもの。幾枚も重ね、懐中に入れておき、詩歌の詠草や鼻紙に用いる。ふところがみ。かいし。折紙。枕草子36「みちのくにがみの―の細やかなるが」
A厚い和紙に渋や漆を塗り、四つに畳むようにして折目をつけた包み紙。和服、結髪の道具などをしまう。(広辞苑)

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


青表紙本源氏物語「空蝉」(新典社刊)


「空蝉」本文


 

第269回 辻説法の会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
10月17日(金) PM7:00〜8:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
長源寺 高木 泰孝 師
参 加 費
無料
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
11月21日(金) 同時刻  西福寺 矢弓 尚善 師

 

十夜法要のご案内

 本年もお十夜の季節となりました。一日ではありますが、ご先祖のご供養とともに、み仏の教えにふれますよい機会ともいたしたく存じますので、お誘いのうえお申し込み下さい。
 お檀家の皆さまには、10月下旬に郵便にてご案内申しあげます。

日   時
11月23日(日)13時より
会   場
願成寺 本堂
法   話
「未定」
講   師
増上寺布教師 大井 潔空 師
塔婆供養料
3,000円
申 込 み
専用ハガキ、電話、FAX、E-mail (前日までに)

 

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。


ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

「燃えないゴミ(ビン・カン)」
市のゴミに出します
「土に返すゴミ(花・香花)」
寺にてチップにして土に返します
「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
寺にて土に返します
「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。


 

▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
 現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
 ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開催日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場所
 願成寺庫裡
費用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。

 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


 

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