願成寺ホームページは、 こちら(http://ganjoji.com/)です。

次回配信日は、1月15日です。



お飾り


煮しめ

 あけましておめでとうございます。穏やかな新春を迎えただけに、今年こそよい年であるようにと強く感じられます。申すまでもなく昨年1年間があまりにも不安を駆り立てるものであっただけに。良きにつけ悪しきにつけ、自然の摂理からも、昨年を引きついて行かなければならないだけに、安心を祈念する次第です。
 法然上人800年遠忌にむけての準備が佳境に入りますが、お檀家さんのご支援とご協力によって順調であることが、とても嬉しく思います。今年もなりふりかまわずがんばる所存です。ご指導とご鞭撻をおねがいもうしあげます。

 どこのお寺も同じであろうが、暮れになると臨戦態勢となる。まずお檀家さんは1年間のご挨拶と新年を迎えるための墓地の清掃にとお寺参りに見えるので、その応対に余念がない。
 同時にお寺自体のお正月の準備である。まず本堂を始めすべての建物に「お飾り」を飾る。毎年お檀家の波多野敏雄さんが作ってきてくれる。仏さまには、お正月なのでいつもより赤い色の多い花を、そしてやはりお檀家さんが持ってこられる鏡餅をお供えする。鏡餅はお正月が過ぎると、四斗樽に水をはり、その中に漬けられる。水餅として、冬場の貴重な食料となる。おやつは無論のこと、時には昼飯の代行を立派に努めるのである。子供の頃には四斗樽2杯はあったが、今はほんの数飾りであるがありがたい。

 そんな折、29日夜、長年のあいだ寺の警備と寺族の相手を務めてきたラブラドールの「桃太郎」が、しずかに息をひきとった。15歳6ヶ月であった。
 15年前泥棒にはいられ、刑事さんの「犬を飼うのもいいですよ」の一言から、番犬として寺務員として寺に入った。報酬は1日2度のドッグフードと牛乳で契約、文句ひとつ言わずに無事故で勤めあげた。
 彼の15年間は、決して平坦なものではなかった。4度にわたる耳血腫の手術、5歳頃からであろうか「発作的けいれん」に襲われ、亡くなるその日まで発作止めの薬を切らしたことがない。散歩の途中で発作を起こすと、35キロを超える桃太郎をつれて帰れなくなるので、散歩はほとんど行かない。境内を見回るのが唯一の外の世界。脱走は2回、お墓にお参りに来た人を脅かしたこと(本人は遊ぼうよと思ったのであるが、真っ黒で大きな図体が相手に脅威をあたえたこと)、警備を依頼していない本堂に出かけていき、それも導師の座る座布団で昼寝をしたことである。どちらも警備責任者である住職にこっぴどく叱られた。
 彼がここまで務められたのには、長年にわたり、桃太郎をサポートしてくれた林動物病院の林重治先生とスタッフのみなさんのおかげである。彼は、注射や手術であっても、先生のところに喜んでいったものである。感謝でいっぱいである。
 忙しいなかではあるが、31日荼毘にふして、とりあえず遺骨を居間に安置した。

 暮れには、所沢の知り合い中村晴一さんからお正月の煮しめ用の里芋がたくさん届く。今回は、八頭芋のほこほこ感と里芋のねっとり感のコラボレーションに心を注いたがどうであろう。桃太郎の精進落としの煮しめにならないように努めたが、涙がはいったわけではないだろうが、どうも塩味が………。


けっ‐しゅ【血腫】
内出血の結果、血液が一局所に多量に溜り、腫瘤状を呈するもの。(広辞苑) 

やつ‐がしら【八頭・九面芋】
サトイモの一品種。親芋の肥大が早くとまり、数個の同大の子芋を生じ、これらは癒合して直径10センチメ-トル余の塊をなす。芋は濃密・粘質で美味だが、収量は少ない。八頭芋。(広辞苑)

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


 新年あけましておめでとうございます。 2009年、平成21年になりましたね。1月1日、元旦は、不思議な一時だと思います。たった昨日までが、2008年だったのに、次の日には「来年」になっています。すべてが、魔法のように変わり、新しく感じます。不思議な現象だとしか思えません。ほとんどの人も、たぶん言葉に表せなくても、同じように、元旦には気持ちや心構えが変わったと感じると思います。山の頂上に達する、爽やかな風が吹いてくるようなものです。人それぞれですが、何となく心が新しくなった気持ちになります。

 大晦日の夜から、「翌年」に対する夢や希望、新たな可能性で、ワクワク感じる人が多いと思います。これは、ある境界を超えるので、新たな心構えを持つようになるのではないでしょうか?

 現在、この原稿を書いている平成20年12月28日はラハイナ浄土院のお餅つきが終わり、ちょっとホッとしているところです(昨年のように、大勢のお檀家さんが集まりました)。明後日からは除夜の鐘の法要の準備があります。ラハイナ浄土院の除夜の鐘は賑やかで、108の鐘を打ち終わったら、爆竹を千発鳴らします。まわりも、爆竹を鳴らすので、町中がパチパチパチと盛り上がり、夜明けまでお祭り騒ぎです。

 だが、必ず、元旦の朝は嵐が去ったような静かで、清らかな、素晴らしい夜明けが来ます。マウイには神社がないので、初詣はしませんが、家はお寺なので、家族でお参りをし、阿弥陀さまの前で、「どうぞ、今年も良い一年でありますように」と手を合わせて願います。朝食は、ハワイなりのお節料理、お雑煮やお餅を食べます。そして、日本では、皆どのようにお正月を過ごしたかと思ったりし、午後になると、日本の親戚や友人たちに電話したりします。(日本は19時間ほど時差で進んでいるので、もちろん、電話する段階では既に日本では元旦ではないですが、やはり日本では日本の元旦、ハワイではハワイの元旦。その場のリアル・タイムで起こらなければ、なんとなく起こった感じがしません。)

 元旦は、どこにいても、夢や希望や願いの気持ちが心の底から湧いてくる特別な一時でしょう。それが故に、お正月にはアメリカでは New Year's Resolution(新年の決意)を立てたり、日本では年明け早々「初稽古」など初めてのことに挑戦します。これはやはり新しい気持ちで一年をスタートする希望から出てくるものだと思います。

 これから世界の不景気で、いろんな面で、大変な一年になると思いますが、アメリカの新しい大統領オバマさんの宣言のように、 「Yes, we can.」と言う夢と希望と願いの心を忘れてはいけないと思います。このために、信仰があるのではないでしょうか?一人でできないこと、一人で乗り切れないことを、阿弥陀さまが心の安らぎを与えてくれます。自力でやっているつもりは、実は他力、阿弥陀さまのお力で、やらさせていただいていることを気づくことが大切です。この新しい年をどのように過ごしますか?どのような心構えで、新しいことに挑戦しますか?手を合わせて、願う心、そして夢と希望を持つ心をどうぞ忘れないように。そして、どうぞこの一年は良いお年になるようにと願っています。

 原 真 理


ラハイナ浄土院でのお餅つき


マウイのハレアカラ火山の曙(写真:Jack Mora)


 

第272回 辻説法の会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
1月16日(金) PM7:00〜8:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
善教寺住職 土山 和雅 師
参 加 費
無料 (飲み物は各自でお支払いください)
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
2月20日(金) 同時刻  講師未定

 

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。


ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

「燃えないゴミ(ビン・カン)」
市のゴミに出します
「土に返すゴミ(花・香花)」
寺にてチップにして土に返します
「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
寺にて土に返します
「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。


 

▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
 現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
 ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開催日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場所
 願成寺庫裡
費用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。

 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


 

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