新年あけましておめでとうございます。 2009年、平成21年になりましたね。1月1日、元旦は、不思議な一時だと思います。たった昨日までが、2008年だったのに、次の日には「来年」になっています。すべてが、魔法のように変わり、新しく感じます。不思議な現象だとしか思えません。ほとんどの人も、たぶん言葉に表せなくても、同じように、元旦には気持ちや心構えが変わったと感じると思います。山の頂上に達する、爽やかな風が吹いてくるようなものです。人それぞれですが、何となく心が新しくなった気持ちになります。
大晦日の夜から、「翌年」に対する夢や希望、新たな可能性で、ワクワク感じる人が多いと思います。これは、ある境界を超えるので、新たな心構えを持つようになるのではないでしょうか?
現在、この原稿を書いている平成20年12月28日はラハイナ浄土院のお餅つきが終わり、ちょっとホッとしているところです(昨年のように、大勢のお檀家さんが集まりました)。明後日からは除夜の鐘の法要の準備があります。ラハイナ浄土院の除夜の鐘は賑やかで、108の鐘を打ち終わったら、爆竹を千発鳴らします。まわりも、爆竹を鳴らすので、町中がパチパチパチと盛り上がり、夜明けまでお祭り騒ぎです。
だが、必ず、元旦の朝は嵐が去ったような静かで、清らかな、素晴らしい夜明けが来ます。マウイには神社がないので、初詣はしませんが、家はお寺なので、家族でお参りをし、阿弥陀さまの前で、「どうぞ、今年も良い一年でありますように」と手を合わせて願います。朝食は、ハワイなりのお節料理、お雑煮やお餅を食べます。そして、日本では、皆どのようにお正月を過ごしたかと思ったりし、午後になると、日本の親戚や友人たちに電話したりします。(日本は19時間ほど時差で進んでいるので、もちろん、電話する段階では既に日本では元旦ではないですが、やはり日本では日本の元旦、ハワイではハワイの元旦。その場のリアル・タイムで起こらなければ、なんとなく起こった感じがしません。)
元旦は、どこにいても、夢や希望や願いの気持ちが心の底から湧いてくる特別な一時でしょう。それが故に、お正月にはアメリカでは
New Year's Resolution(新年の決意)を立てたり、日本では年明け早々「初稽古」など初めてのことに挑戦します。これはやはり新しい気持ちで一年をスタートする希望から出てくるものだと思います。
これから世界の不景気で、いろんな面で、大変な一年になると思いますが、アメリカの新しい大統領オバマさんの宣言のように、
「Yes, we can.」と言う夢と希望と願いの心を忘れてはいけないと思います。このために、信仰があるのではないでしょうか?一人でできないこと、一人で乗り切れないことを、阿弥陀さまが心の安らぎを与えてくれます。自力でやっているつもりは、実は他力、阿弥陀さまのお力で、やらさせていただいていることを気づくことが大切です。この新しい年をどのように過ごしますか?どのような心構えで、新しいことに挑戦しますか?手を合わせて、願う心、そして夢と希望を持つ心をどうぞ忘れないように。そして、どうぞこの一年は良いお年になるようにと願っています。
原 真 理
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