去年は忙しい1年で、人生のことをあまり考える余裕もなく過ぎてしまいました。心の余裕がないことは、よくないと思いながら忙しい毎日に振り回されていました。それではいけないと思い、12月末に3ヶ月ほど京都から離れて人生、そして自分と言うものを見直すことに決心しました。3ヶ月も時間をとる事は、非常に贅沢で、学生あるいは裕福な家庭でなければ普通考えられないことかも知れません。ですが、たまに外の風に触れることも必要であると思って、時間をとる事にしました。幸いに翻訳の仕事はコンピューターとインターネットがあれば、世界のどこからでもできます。旅行しながら多少仕事もすることにして、思い切って時間を取りました(もちろん、大きいプロジェクットの場合は日本にどうしてもいなければなりません)。
最初は、ハワイの実家に家族と年末年始を過ごすために帰りました。お寺は、年末年始は忙しいのでバタバタしましたが、家族と楽しい時間を過ごせました。翻訳の仕事も結構入って来ていたので、ハワイではいつものペースで仕事をしました。結果として、気分転換にはなりませんでした。
その後、サンフランシスコに行き、少し仕事を受け取りながら、友達と会ったり、楽しい毎日でした。だが、今回本当の目的地はブラジルでした。ブラジルは、世界で一番多く日本人が移民した国で、浄土宗のお寺も4ヶ寺あります。ハワイの浄土宗のお寺で生まれた私にしては、とても興味深いところで、ブラジルに1ヶ月ほど行く事にしました。来月からは、ブラジルのお寺のことを何回かに渡って報告したいと思います。その前に、ブラジル経由でサンフランシスコから、ワシントンDCに四日間ほど寄りましたので、DCのお話をしたいと思います。
二十年ぶりのDCだったで、とてもワクワクしました。オバマさんが大統領になってからのDCで、画期的な前向きな雰囲気も感じました。世の中を大きく変える風が、通っていました。アメリカのほかの街は、不景気で困っているはずなのに、DCでは皆おしゃれして、平日の夜でもレストランは結構にぎやかでした。やはりアメリカの首都だと思わされる堂々とした都市です。ここには、アメリカの政治と社会的なエリートが集まっている雰囲気を感じます。建築から人の服装がそれを語っています。だが、もう一方では、ホームレスや人種差別の問題もあります。これからオバマさんは、大変です。だが、やはりオバマさんのチャレンジ精神が階級を超えて皆に伝わり、影響しています。これから増々景気が悪くなり、社会的にも大変ですが、逆境に目をそらさず、前向きで頑張っていく、そして夢をなくさないことが大切だと思います。オバマさんのDCでは、そのような風が吹いていました。
法然さまが生きていた時代は、これより大変な苦難がありましたが、苦しい中でどのようにして皆が救われるかを教えてくれました。お念仏することは、ただ臨終の時ではありません。毎日の生き方を物事を明らかに見ることを教えてくれます。わたしは旅で色々と楽しまさせていただいていますが、一方ではリストラでくびになったり、生活をどのようにして行くかと心配を抱えている友人も少なくはないです。その中では、やはり信仰を持っていたり、自分に自信がある人は、問題にぶつかっても、心が激しく揺れません。手を合わせてお念仏を唱える時、心の中の平安を見つけることが、今日大切ではありませんか?
原 真 理
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