願成寺ホームページは、 こちら(http://ganjoji.com/)です。

次回配信日は、3月16日です。



ホワイト・ハウス


DCの地下鉄


ホームレスの人たちにセーターを配っている団体

 去年は忙しい1年で、人生のことをあまり考える余裕もなく過ぎてしまいました。心の余裕がないことは、よくないと思いながら忙しい毎日に振り回されていました。それではいけないと思い、12月末に3ヶ月ほど京都から離れて人生、そして自分と言うものを見直すことに決心しました。3ヶ月も時間をとる事は、非常に贅沢で、学生あるいは裕福な家庭でなければ普通考えられないことかも知れません。ですが、たまに外の風に触れることも必要であると思って、時間をとる事にしました。幸いに翻訳の仕事はコンピューターとインターネットがあれば、世界のどこからでもできます。旅行しながら多少仕事もすることにして、思い切って時間を取りました(もちろん、大きいプロジェクットの場合は日本にどうしてもいなければなりません)。

 最初は、ハワイの実家に家族と年末年始を過ごすために帰りました。お寺は、年末年始は忙しいのでバタバタしましたが、家族と楽しい時間を過ごせました。翻訳の仕事も結構入って来ていたので、ハワイではいつものペースで仕事をしました。結果として、気分転換にはなりませんでした。

 その後、サンフランシスコに行き、少し仕事を受け取りながら、友達と会ったり、楽しい毎日でした。だが、今回本当の目的地はブラジルでした。ブラジルは、世界で一番多く日本人が移民した国で、浄土宗のお寺も4ヶ寺あります。ハワイの浄土宗のお寺で生まれた私にしては、とても興味深いところで、ブラジルに1ヶ月ほど行く事にしました。来月からは、ブラジルのお寺のことを何回かに渡って報告したいと思います。その前に、ブラジル経由でサンフランシスコから、ワシントンDCに四日間ほど寄りましたので、DCのお話をしたいと思います。

 二十年ぶりのDCだったで、とてもワクワクしました。オバマさんが大統領になってからのDCで、画期的な前向きな雰囲気も感じました。世の中を大きく変える風が、通っていました。アメリカのほかの街は、不景気で困っているはずなのに、DCでは皆おしゃれして、平日の夜でもレストランは結構にぎやかでした。やはりアメリカの首都だと思わされる堂々とした都市です。ここには、アメリカの政治と社会的なエリートが集まっている雰囲気を感じます。建築から人の服装がそれを語っています。だが、もう一方では、ホームレスや人種差別の問題もあります。これからオバマさんは、大変です。だが、やはりオバマさんのチャレンジ精神が階級を超えて皆に伝わり、影響しています。これから増々景気が悪くなり、社会的にも大変ですが、逆境に目をそらさず、前向きで頑張っていく、そして夢をなくさないことが大切だと思います。オバマさんのDCでは、そのような風が吹いていました。

 法然さまが生きていた時代は、これより大変な苦難がありましたが、苦しい中でどのようにして皆が救われるかを教えてくれました。お念仏することは、ただ臨終の時ではありません。毎日の生き方を物事を明らかに見ることを教えてくれます。わたしは旅で色々と楽しまさせていただいていますが、一方ではリストラでくびになったり、生活をどのようにして行くかと心配を抱えている友人も少なくはないです。その中では、やはり信仰を持っていたり、自分に自信がある人は、問題にぶつかっても、心が激しく揺れません。手を合わせてお念仏を唱える時、心の中の平安を見つけることが、今日大切ではありませんか?

 原 真 理


 唐突ですが、みなさんは「アランセーター」をご存知ですか。最近はあまり着ている人を見ることが少なくなりましたが、60年代頃から「カウチンセーター」とともに流行したものです。アランセーターはその名の通り、アイルランド西方のアラン諸島が発祥といわれる。いわゆる海で仕事をする漁師たちの仕事着でフィッシャーマンズセーターの一種である。縄状のケーブル網みが特徴であり、厳寒のなかでの漁師の仕事柄、防寒と防水に優れている。アラン島は、石灰質の岩盤から成る島でほとんど土がない。したがって作物はほとんどできないが、人々は石ばかりの畑に海藻を敷きつめ土の代わりにして、わずかばかりのジャガイモを作る。やはり生計は海での漁に頼らねばならず、冬の荒れ狂う海へと出かけていく。命がけであるが、それしか生きていく道がないのである。

 女たちは、伝統のアラン模様のセーターを編み、現金収入を稼ぐ。そして、夫や我が子の着るセーターには、特別な模様が編み込まれた。過酷な海での仕事には遭難がつきものであるが、皮肉にもその独特のアラン模様が身元の確認となるのである。素敵なアランセーターには、悲しい歴史が潜んでいたのである。

 妻がハワイアンキルトを刺す。暖かい島国独特の模様を縫いながら、ベットカバーや壁掛けをつくる。

 現在は装飾的になってしまったが、キルトもまた厳しい生活のなかで培われてきた民族衣装といえよう。保温のために布地に綿をはさんだもの、あまり布をつないで作ったもの、結婚のお祝いとして作られたもの、慈善事業としてつくられたもの、その誕生の歴史はそれぞれであるが、そのひと針ひと針に女たちの思いが込められている。なかには、亡くなられた人を埋葬するときの包み布として、その最後をともにするキルトもあるという。いずれの国、いずれの民族、いずれの文化であろうと、女たちは家事のあいまに生計を助けるために、そして家族を愛するがゆえに、針をにぎり続けたのである。

 そのひとつひとつ女たちの心は、家族を思う温かい宗教の世界そのものであろう。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


アランセーター


ペンケース(キルト)


 

観音堂大祭(諸祈願)のお知らせ

 春のお彼岸に観音堂の大祭を厳修いたします。寺伝によりますと、頼朝公が三嶋大社に百日祈願の折、当願成寺を宿舎といたし、その願が成就いたしたことから「願成就寺」の寺号を賜りました故事により、諸願成就の祈願をおこないます。当日ご参加できません場合には、お札は郵送申しあげます。また、当日前年のお札等を炊きあげますのでご持参ください。当日は「餅まき」「模擬店」「野菜青空市」等を予定いたしておりますので、お誘い合わせてお出かけ下さいませ。

日   時
3月20日(春分の日) 【11時】法要、【12時】餅まき
祈 願 料
3,000円 特別祈願料 1万円
申 込 み
お彼岸のお参りの折、電話、FAX、E-mail (前日までに)

 

第274回 辻説法の会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
3月20日(金) PM7:00〜8:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
参 加 費
無料 (飲み物は各自でお支払いください)
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
4月17日(金) 同時刻  

 

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。


ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

「燃えないゴミ(ビン・カン)」
市のゴミに出します
「土に返すゴミ(花・香花)」
寺にてチップにして土に返します
「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
寺にて土に返します
「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。


 

▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
 現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
 ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開催日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場所
 願成寺庫裡
費用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。

 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


 

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