願成寺ホームページは、 こちら(http://ganjoji.com/)です。

次回配信日は、6月1日です。



神社全景


歩行状況

 このたびより、浄土宗国内開教使となられました八幡正晃上人に、ご執筆をお願いいたすこととなりました。上人は、開教使として相模原市を中心に布教活動をおこなっております。また佛教情報センターの相談員といたしましても、長くご指導をなされておられます。
 学芸員としてのご勤務の経験もあられ、フィールドの広いお話をうかがえますことを楽しみにいたしております。

 願成寺 魚 尾 孝 久


特別寄稿 「十人十色」

 今回からしばらく拙文を載せていただくことになりました 八幡正晃 と申します。身の回りの出来事で思ったこと、感じたことを、雑録風に書いていきたいと思っています。気軽にお読み下さい。

 さて、先日の朝、近くのお宮さんの前を通ったときのこと。少年野球チームか何かの集合であるらしく、鳥居のまわりに子供たちがたくさん集まっていました。そこは歩道の幅が狭く、結果的に子供さんが歩道を塞いでしまって、そのままでは通れない状態です。
 楽しそうにしているところだし、前後一本の見晴らしの良い道に車はなし、ということで、私は車道に下りてお宮さんの前を通り過ぎたのですが、その途端に大きな声が聞こえました。

 「すげえ 坊さん道の真ん中だよ!」

 私の住んでいる地域はお寺が少ないので法衣を着けた僧侶が珍しく、常に人目を惹きますが、特に子供さんには興味深いようです。話には聞いたことがあるけれど始めて見る存在、という点で、動物園で珍獣を見たときの反応に近いかもしれません。
 もう少し年長の学生さんくらいになると、非常に場違いなものがいる、という顔をします。住宅街に狸出没、といった感じでしょうか。ふと気付くと、外国の方に写真を撮られたりしています。

 話がそれてしまいましたが、その日の私はご法事へ行くところでしたので、法衣を着ており一目で僧侶とわかる格好でした。それが、堂々と(そう見えたのでしょう)車道を歩いて行くことに対しての大変率直な感想でした。

 そのときは特段何も思わなかったのですが、じつは後から色々と考えさせられる一声でした。
 子供があのような発言をするのは、普段から車道を歩いてはいけません、と教えられているからではないだろうか。とすると、折角の教えに反する悪い例を、しかも堂々としてしまったことになります。
 お坊さんというのは真面目な人達だから決まり事は必ず守るはず、という認識もあったのかもしれません。実際にお坊さんを見かけたら悪いことをしている、ということになります。

 子供さんの邪魔をしないようにと、軽い考えというより反射的に行動しただけですが、思いがけない反応にちょっと当惑しています。
 道をあけておくように諭すべきだったのか、と思う一方で、ちょっとした気配りというものを見てもらうことも必要なことだという思いもあります。

 ともあれ今回の一声で、

「自分の思いがどうであれ、受け止め方は十人十色」

と、わかっているつもりだったことを改めて教えられました。そういう意味で個人的にはありがたいことでしたが、あの子供たちはどんなつもりだったのか、少々気になっています。

 国内開教使 林海庵中 八 幡 正 晃


(前話は、願成寺ホームページ「メルマガお申し込み」のバックナンバーにあります。)

第4巻「夕顔」その6(六条の方を訪れる光源氏)

 秋にもなった。みずからのことであるが、藤壺への思慕で深く物思いにふけっていたので、大殿(葵の上のところ)では、絶え間の多いことを恨めしく思っていらっしゃる。
 六条の方にも、受け入れられなかったお気持ちをなびかせてからは、繁く通って行かないことはいたわしいことである。しかし、深くおなりになる前の夢中になったときのようなことのないのは、どのようなことであろうか。
 女(六条御息所)はたいそう思いつめになるご性分で、このことが人に知られると年齢がかけはなれているのも似つかわしくないのに、こうした君のよがれに眠ることもできず、思い悩まれるのであった。

 君が訪れた霧深い朝、たいそう促されて、ねぶたげな気持を嘆きながらお帰りになるに、中将のおもとが、格子を上げてお見送りになるようにと御几帳を引かれたので、女は顔をあげて外をご覧になる。
 前栽のいろいろと咲き乱れているのをやり過ごすことができず佇んでいる君のご様子は特別なものであった。廊の方においでになると、中将の君がお供をする。紫苑色の季節にあったものを身につけて、薄絹の裳をきちっと結んでいる腰つきは、しなやかで美しい。ふり返って隅の間の高欄にしばしお座らせになった。すきのない対応、髪の下がり具合などたいそう美しいとお思いになる。 

  源氏「咲く花に うつるてふ名は
        つつめども 折らで過ぎうき けさの朝顔」
  (咲いている花のようなあなたに心が移って、噂に
   なることは慎まなければならないが、花を折らず
   に過ぎてしまうことはつらいことであるな。)

いかようにしたらよいのであろうか」と、手をお取りになると、たいそう慣れていて、すぐに、

  中将「朝霧の 晴れ間も待たぬ
        けしきにて 花に心を とめぬとぞ見る」
  (朝霧の晴れるのもお待ちにならずにご出発になら
   れるのに、花に心を止めていらっしゃらぬとお見
   受けいたします。)

と、私的なことではなくご返事になる。

 美しい童がこのましい姿で、特別な指貫の裾に露をつけながら、花の中で朝顔を折ってくるなど、絵に描きたい風情である。


お‐もと【御許】
@御座所。おそば。
*A女性、特に女房を親しんで呼ぶ称。二人称の代名詞的にも用いる。源氏物語空蝉「―は、今宵は、上にやさぶらひ給ひつる」
B御許人おもとびとの略。
C女性の手紙の脇付わきづけ。「花子様―に」(広辞苑)

せん‐ざい【前栽】
*@庭前の花木・草花の植込み。また、その草木。せざい。伊勢物語「人の―に菊うゑけるに」
A前栽物の略。(広辞苑)

こう‐らん【高欄】カウ‥
*@宮殿・社寺・廊下・橋などの、端の反りまがった欄干らんかん。
高欄
A牛車ぎつしやの前後の口の下に張り渡した低い仕切りの板。
B椅子のひじかけ。(広辞苑)

おおやけ‐ごと【公事】オホ‥
@公けに仕えること。公務。また、租税・賦役。更級日記「―もなさせじ」
A朝廷で行われる政務・儀式・節会せちえなどの称。くじ。伊勢物語「―どもありければ、えさぶらはで」
*B私事でない、表だったこと。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


青表紙本源氏物語「夕顔」(新典社刊)


「夕顔」本文


 

大施餓鬼会のお知らせ

 本年もお施餓鬼会法要を、下記のごとく厳修いたしたくご案内申しあげます。ご先祖の供養とともに、一日ではありますが、みほとけの教えにふれます良い機会ともいたしたく存じますので、お誘いのうえお申し込み下さい(当日ご参加できません方には、当寺にてお塔婆をお墓に立てさせていただきます)。

日   時
5月15日(金)  【13時】法要
法   話
未定
未定
供 養 料
3,000円
申 込 み
お参りの折、電話、FAX、E-mail(前日までに)

 

第276回 辻説法の会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
5月15日(金) PM7:00〜8:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
慶昌院住職 磯田 浩一 師
参 加 費
無料 (飲み物は各自でお支払いください)
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
6月19日(金) 同時刻  福泉寺住職 岩佐 善公 師

 

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。


ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

「燃えないゴミ(ビン・カン)」
市のゴミに出します
「土に返すゴミ(花・香花)」
寺にてチップにして土に返します
「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
寺にて土に返します
「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。


 

▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
 現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
 ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開催日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場所
 願成寺庫裡
費用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。

 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


 

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