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次回配信日は、11月2日です。



建物外観


屋内見取り図


控室

 秋の開教委員会で審査の結果、春の委員会まで経過を見守るという結果になりました。実際のところは、「春までに準備が整っていれば認められる」という含みのある結論です。
 そこですぐに移転先を探し始めました。それまでは都内に住んでいましたが、春までに相模原で活動する準備を整えるとなると、まずは市内へ移らなければなりません。

 できうるならば、不動産を購入してしまうことが望ましいのですが、残念ながらとても不可能でしたので、賃貸の物件を探すことにしました。これが結構難しく、大概の場合、お寺として使いたいと話した段階で断られてしまいます。その上に、お寺として使う以上、求められるいくつかの条件があります。

 仏間として使用できる和室があることや、少人数のご法事が勤められるくらいの空間のあることは当然必要になります。それから、生活空間とお寺の空間が、ある程度分かれているほうが望ましい形ですし、またご近所の状況や、公共交通機関からの距離も考えなければなりません。
 あれやこれやで何とか見つけるまでに、結局3ヶ月ほどかかりました。

 何とか建物が決まった段階で、仏間にする部屋の大きさに合わせて、ご本尊様を造立することに致しました。さらにご本尊に合わせて、仏具も順次発注していきます。本来は、まだまだ揃えなければならないものも多いのですが、とても手が回りません。後のことは移転してから考えることにして、市内に移ってきたのが1月末でした。

 話は変りますが、法律上お寺は「宗教法人」という法人として扱われます。実際に宗教法人としての許可が下りるまでには、様々な条件を満たす必要があり、通常の場合最も速くて5年程はかかります。
 ですから、私のような場合にはしばらくの間、「見做し宗教法人」という、いわば見習いのような位置付けで運営していくことになります。

 とはいえ、「法人に準じる団体」ということですから、運営規則ですとか役員の任命ですとか、いろいろなことを整備しなければなりません。もちろん、自分の知識だけではどうにもなりませんので、諸先輩や担当者にひとつひとつ教わりながら、どうにかこうにか準備を進めてまいりました。
 この調子ではたして準備が完了するのか、不安になった部分もありましたが、最終的に書類も品物も、1週間前には全て無事に整えることができました。

 この時に「おかげさま」ということをしみじみと実感いたしました。物事がこれだけ順調に運ぶためには、私の知らない部分でいろいろな方がご尽力してくださったに違いありません。
 「おかげさま」という言葉は、みなさまの見えないお力添えをもって、という意味ですから、文字通り、おかげさまで無事に準備が終了したと感じた次第です。

 浄安寺住職  八 幡 正 晃


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第5巻「夕顔」その11(夕顔をともなって外出する光源氏)

 明け方も近くなった。鶏の声などは聞こえず、御嶽精進のためであろうか、ひたすら翁じみた声で五体投地する声が聞こえてくる。大儀そうにお勤めをしているようである。たいそう哀れに朝の露と異なることはないこの世であるのに、我が身に何をもとめての祈りであろうかと、お聞きになる。
「南無当来導師」と拝んでいる。
「あれをお聞きなさい。この世のことだけとは、思っていないのですね。」と関心をもたれて、

  優婆塞が 行ふ道を しるべにて
           来む世も深き 契りたがふな
  (優婆塞がおこなう仏道のお勤めをしるべにて、
   来世も二人の深い契りをたがうことがないよう
   にして下さい。)

玄宗皇帝と楊貴妃とが契った愛がが成就しなかった長生殿のふるい例しは不吉であるので、比翼の鳥のことは避けて、彌勒の世のことをお考えになる。来世のお約束はたいそう大げさである。

  前の世の 契り知らるる 身のうさに
           行く末かねて 頼みがたさよ
  (前世の契りから知られる我が身の拙さから、
   行く先を頼むようなことはできません。)

 このような仏道のことは、やはり心もとないものであった。


みろく‐の‐よ【弥勒の世】
弥勒菩薩がこの世に現れて衆生を救うと信じられている未来。源氏物語(夕顔)「―をかね給ふ」

みたけ‐しょうじ【御嶽精進】
熊野のに詣でるために百日の精進潔斎をおこなうこと。

ごたい‐とうち【五体投地】
〔仏〕両膝・両肘・額を順に地につけて、尊者・仏像などを拝すること。最高の礼法。接足礼。頂礼(ちょうらい)。日本霊異記(下)「五体を地に投げ」

とうらい‐どうし【当来導師】
来るべき世に出現する導師、すなわち56億7000万年を経た後、この世界に出現し、成道して衆生を化導するという弥勒(みろく)菩薩。

うばそく【優婆塞】
〔仏〕(梵語 up saka)在俗の男子の仏教信者。信士(しんじ)。清信士。源氏物語(夕顔)「―が行ふ道をしるべにて」⇔優婆夷(うばい)。

ちょうせい‐でん【長生殿】 チヤウ‥
唐代の宮殿の名。華清宮の一つで、太宗が驪山(りざん)に設けた離宮。玄宗が楊貴妃を伴って来訪したことで有名。
清代の有名な戯曲。洪昇作。50幕。玄宗と楊貴妃の愛情を主題とする。
干菓子の一つ。長方形の紅白の落雁で、金沢市の名物。

ひよく‐の‐とり【比翼の鳥】
[爾雅]伝説上の鳥で、雌雄各1目・1翼で常に一体となって飛ぶというもの。また、翼をならべて飛ぶ鳥。男女の深い契りのたとえ。白楽天の「長恨歌」で有名。平家物語(6)「天に住まば―、地に住まば連理の枝とならんと」
風鳥(ふうちょう)の別称。

みろく‐の‐よ【弥勒の世】
弥勒菩薩がこの世に現れて衆生を救うと信じられている未来。源氏物語(夕顔)「―をかね給ふ」

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


青表紙本源氏物語「夕顔」(新典社刊)


「夕顔」本文


 

第281回 辻説法の会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
10月16日(金) PM7:00〜8:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
長源寺住職 高木 泰孝 師
参 加 費
無料 (飲み物は各自でお支払いください)
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
11月20日(金) 同時刻  西福寺住職 矢弓 尚善 師

 

暮れの墓地大掃除のお知らせ

 毎年12月の第2日曜日は、暮れの墓地および境内地の大掃除となっております。お忙しい折とは存じますが、ご家族でご参加下をお願いいたします。当日は「温かいおでん」を用意いたしておりますので、お掃除終了後お召し上がり下さい。

日   時
12月13日(日) 9時より (小雨決行)
お 願 い
できますならばお掃除の道具をご持参下さい。

 

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。


ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

「燃えないゴミ(ビン・カン)」
市のゴミに出します
「土に返すゴミ(花・香花)」
寺にてチップにして土に返します
「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
寺にて土に返します
「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。


 

▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
 現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
 ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開催日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場所
 願成寺庫裡
費用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。

 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


 

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