願成寺ホームページは、 こちら(http://ganjoji.com/)です。

次回配信日は、2月1日です。




増上寺大門


増上寺本堂

 新年初めての原稿になります。平成23年の新春、皆さまはどのように過ごされましたか。私ども浄土宗の僧侶にとっては、この新春は法然上人800年大遠忌の幕明けでした。

 例年、各地の総大本山では主に4月に法然上人のご命日追悼法要が、数日間にわたって厳修されます。今年は800年の節目であり、格別盛大に執り行われます。
 この法要を「御忌」と呼ぶことは、ご存知の方も多いと思います。菩提寺のご案内で、団体参拝に参加した方もおいででしょう。

 しかし、法然上人の実際のご命日は1月25日だということは、ご存知でしたでしょうか。つまり願成寺のメルマガでいえば、この原稿の掲載号と次号の間に本来のご命日が参ります。
 それでは何故4月に御忌法要を厳修するかといえば、明治の初めに諸般の事情から、変更されてそのまま現在まで定着しているからです。

 多少なりとも関心のある方ならば、つとにご承知のことをわざわざ書いております。それは、やはり正当日の1月25日に、しっかりとお念仏をお称えいただきたいと思うからです。浄土宗の檀信徒ならば当たり前、とお叱りを受けそうですが、人間「当たり前」のことを当たり前にするということは、実は大変難しいことですから。

 さて、この場をお借りして少し宣伝をさせていただきます。この1月25日、法然上人800回目のご命日に向けて、大本山増上寺で1月15日から24日まで、10夜連続で別時念仏が行われます。主催は増上寺ではなく、幾つかの有志団体が中心で運営されます。

 期間中16日から25日は「芝大門燈籠会」も催され、増上寺本堂から大門まで、300基の灯籠が用意されます。時間は午後7時から8時半まで、参加費用はご志納(お気持ち)です。随時に奏楽や写経なども行われます。

 ご関心のある方は
 http://www.ne.jp/asahi/sakura/fuji/  にて、詳細ご確認下さい。
 是非ご一緒にお念仏申しましょう。

 浄安寺住職  八 幡 正 晃








 願成就院が注目を浴びている。伊豆の国市韮山にある高野山真言宗の寺院で、北条政子の父親北条時政が、源頼朝の奥州平泉討伐の戦勝祈願のため建立したといわれるが、北条氏の氏寺(うじでら)というべきであろう。子の義時、孫の泰時の造営とで壮大な伽藍を有する大寺院として栄華を誇ったが、度重なる戦乱でそのことごとくを失ってしまった。しかし運慶作の阿弥陀如来坐像(重要文化財)、眷属の不動明王ニ童子像、毘沙門天像は現存しており、運慶の東国での活躍を物語っている。

 ところで、願成就院と拙寺願成寺とは少なからず関係があったと考えている。まずその第一が山号である。「天守君山 願成就院」、拙寺は「天主君山 願成就寺」、過去帳によると古くは、「願成寺」ではなく「願成就寺」であったことがわかる。拙寺は、旧鎌倉街道にに面しているところから、願成就院の別院として、街道筋に建てられたのかと思われるが推測の域を出ない。
 また現在は浄土宗であるが、草創期は願成就院と同じく真言宗であったと思われる。

 その信仰の中心はお不動さんであった。境内には浪切不動尊(なみきりふどう)の石像と数メートルにおよぶ碑文がある。不動尊は大正元年に再興されたものであるが、明治から大正にかけては浪切不動信仰が盛んであったという。現在の沼津市口野内浦の漁師さんたちは、海の安全の祈願に願成寺浪切不動尊に詣で、多くの絵馬を奉納していたのである。
 建立当時を知る老人は、子供のころお寺に来ると正面に立つ真っ赤なお不動さんが怖かったという。また、大漁であると、漁師さんたちが魚を奉納に来たので、魚には不自由しないお寺であったという。
 そもそも浪切不動尊とは、弘法大師が長安の青龍寺恵果阿闍梨から授かった霊木に、空海自らが刻んだ不動明王像といわれ、空海が唐からの海上で激しい暴風に見舞われた時、明王は剣を抜き波風を切り、無事帰国することができたと云われている。爾来海上の安全を祈願する信仰が全国に広まったという。そんなお不動さんが寺の歴史を物語る。

 古老たちは、まずお不動さんに拝礼してから、自分の墓参りに行っているようである。海の安全を願うというよりも、怖かったお不動さんに対する素朴な畏怖の念からとでもいったのがよいだろう。
 じつは本堂の位牌壇にも木彫のお不動さんが祀られている。大方の人はその存在すら気がつかないようであるが、時たま私は手を合わせることがある。何の法要もしないことの後ろめたさを懺悔するがごとくの合掌である。同時に寺の歴史に思いを馳せるのである。

 「よし、改めて拝そう」と、まずお身拭い(おみぬぐい)である。祭壇より何十年ぶりかに下りていただき、長年の埃(ほこり)をお祓いする。矜迦羅(こんがら)・制?迦(せいたか)童子を脇侍(わきじ)に配した典型的な三尊形式である。ガラスの眼が入れられ、お不動さまの特色である一方の眼は天を視つめ、もう一方は地を見つめている。歯で上下の唇を噛んでいること、左側に弁髪を有することなど、子細に拝させていただいた。
 新年早々、改めて寺の歴史に思いを寄せ、お不動さんに手を合わせ、気持ちのよいものであった。

【氏寺】うじ‐でら
氏族が、一門の繁栄、先祖の追善、死後の幸福などを祈るために建てた寺。蘇我氏の向原寺、藤原氏の興福寺など。(大辞林)

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久


浪切不動尊(木彫)


浪切不動尊









第296回 辻説法の会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
1月21日(金) PM7:00〜8:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
善教寺住職 土山 和雅 師
参 加 費
無料 (飲み物は各自でお支払いください)
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
2月18日(金) 同時刻  三明寺住職 大嶽 正泰 師

 



お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。



ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

「燃えないゴミ(ビン・カン)」
市のゴミに出します
「土に返すゴミ(花・香花)」
寺にてチップにして土に返します
「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
寺にて土に返します
「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。








▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開催日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場所
 願成寺庫裡
費用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。







 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久


 







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