東北地方太平洋沖地震の全ての犠牲者・被災者の方々へ
衷心からの祈りを捧げます。
この原稿を執筆している3月14日の夕刻の時点で、犠牲者は2千人に迫り、行方不明者は万を以って数え、しかもなお増大することが予想されています。
近代日本史上空前、この100年の世界でも3指に入る大災害が発生いたしました。私の姻戚でも松島、石巻在住の一族とは未だ連絡がとれず、同期生の住職も安否不明です。
皆さんの中にも家族親族、友人知己の消息不明の方も多くいらっしゃることと思います。
如何に身を案じても、私たちにできることはごくごく限られています。現在も各種の専門家、各国の救援隊などが日夜を分かたず、必死の救助作業に当たってくれています。また在日米軍も全面的な支援を提供、10万人体制に拡大した自衛隊に加え、政府は初の予備自衛官招集も決定いたしました。
救助に当たる方々の安全をお祈りし、その努力に心からの感謝を申し上げたいと思います。同時にひとつでも多くの命が救われることを切に望みます。
「東北壊滅」 「原発危機的状況」 「集落全滅」 「国難」
前日までの世界が空間が日常が、遠い昔のことに思えるほどです。
この状況下にあって、浄土宗は本日、本年4月に予定されていた法然上人800年大遠忌の行事全てを、延期することを決定いたしました。当然のことですが、今は宗門の全力を挙げてこの事態に対応するべきである、との判断が下されたのだと思います。
「念仏の声するところ みなこれ我が遺跡 一人一人の念仏こそが私の遺産だ、私の遺した足跡だ。」とおっしゃられた法然上人が今の状況を御覧になれば、必ずその判断を良しとされるでしょう。
実は、2年間担当させていただいた小欄も今回が最後となります。最後は明るい話題をと思っていたのですが・・・
今はただひたすらに祈りを。
浄安寺住職 八 幡 正 晃
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