皆さま、いよいよ夏が近づいてきました。今夏は節電と暑さ対策が急務であると思いますが、いかがお過ごしでしょうか。
去る6月11、12日に北海道大学にて「宗教と社会学会」が開催され、私も宗教学を学ぶ一卵として参加してきました。本来は東北大学で催されるはずでしたが、東日本大震災の影響で、北海道へと変更になりました。
さて、学会の内容などはおもしろい・おもしろくないと、賛否が分かれるところだと思いますので、北海道へと向かったことを書いてみようと思います。今回の学会と同時期によさこいが札幌であったため、飛行機がいっぱいでどうしたものかと困っていた所、ちょうど震災の影響で運行中止していた「北斗星」が運行再開するという、報道を見ました。これはチャンスとかねてから乗ってみたかった、北斗星にて札幌へと向かうことにしました。
北斗星は、上野から郡山、福島などを経由して青函トンネルを抜けて、函館、札幌と走っていきます。ちょうど被災地を通過していくのですが、車窓から見ると、やはり街の明るさや人の流れというものが昨年福島などを訪れた時よりも少ないように見受けられました。また、津波が平野部まで来た仙台若林区なども線路は通っており、迂回こそしませんでしたが、速度を落としての運行となっていました。また、瓦礫などは、夜の通過ということであまり見えませんでしたが、まだある程度残っているようでした。
私自身、初めて寝台特急に乗ったのでどのような部屋で、どのような雰囲気なのかをまったく知らなかったのですが、行きに乗ったB寝台ソロにはトイレやシャワーもついておらず、トイレは共用、シャワーはシャワールームを6分150円で借りて利用するようになっていました。6分で浴びることができるのか?と思ったのですが、頭を短くしているので、案外時間を残して出ることができました。しかし、改めて水やお湯は貴重であると実感させられました。震災においても水道などのインフラが止まってしまい、自衛隊のお風呂が利用できるまでお風呂が使えなかったなどを考えると、水の大切さを北斗星に乗って改めて実感するとは思いませんでした。
今回の学会においても、宗教や宗教者はどのように震災に関わっているのか、関わっていけるのかと言う話が多く聞こえてきました。私にとっても、願成寺においても震災や災害というものに対する姿勢や、来ると言われている東海地震にむけてどのようなことができるのか考えていきたいと思います。
天主君山現受院願成寺副住職
魚 尾 和 瑛
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