願成寺ホームページは、 こちら(http://ganjoji.com/)です。

次回配信日は、9月15日です。




京都国立博物館

 もう30年も昔のことであるが、お檀家さんと中国のお寺へ参拝に出かけた。法然上人が師と仰いだ善導大師修行の地である太原の玄中寺、終焉の地である西安郊外の香積寺を始め、中国で最初にできたお寺である白馬寺、玄奘三蔵ゆかりの大慈恩寺や興教寺等、数々のお寺に参詣した。しかるべきお寺では、お経を読んでの法要をさせていただいた。
 当時の中国では、そう簡単に法要などができるわけもなく、事前の許可をとるべく飛び回ったのも今となってはよい思い出となった。政府および中国仏教協会に法要実施の許可申請をしての法要であった。通訳や中国旅行社の人以外にも中国共産党員と名乗る人の同行があり、いろいろと便宜を図ってくれるのであるが、なにか監視されているようにも思えたのは考えすぎであろうか。
 ただ私どもには、お念仏のふるさとにお参りできましたことが、とても感動的でありました。

 ところでどの寺院でも、気になったことある。特に白馬寺や寒山寺などは、多くの中国の人々も訪れているが、仏さまに手を合わせる人がほとんどいないことである。なかには帽子をかぶりパンをかじりながら、仏さまを見ている。まったく仏教信仰のない中国の人にとっては、仏さまは礼拝の対象ではなく、観光や見物の対象なのであろう。ある意味では仕方のないことであろうが、わたしは多少違和感を覚える。
 日本人とて確たる信仰を持っている人は少なくなったが、たとえ観光地であっても仏さまに手を合わせる人が多いように思う。やはり仏さまは信仰の対象であり鑑賞の対象ではないのである。

 我が国でも、仏さまが博物館に入るとその内容が一変する。唐招提寺展では鑑真和上を、興福寺の阿修羅展では阿修羅像を、正面ばかりでなく後ろからもと360度から見られることがセールスポイントなっている。お寺にあったならば皆が手を合わせたであろうが、博物館では手を合わせる人は極端に少なくなる。仏さまが仏像となり鑑賞されるのである。博物館は信仰の場ではないので仕方がないと言ってしまえばそれまでであるが、それならば仏さまが博物館に行くのであろうか。お寺の再建や修復の費用稼ぎとするならばあまりにも可哀想である。

 奈良の仏さまを、東京の博物館でもお参りできるという風にはならないのであろうか。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久








 今年も夏が終わろうとしています。最近では、夕方になると少しは暑さが和らいでいるような気がします。

 さて、去る8月28日に陸上自衛隊の富士総合火力演習へと行ってきました。これは、御殿場市東富士演習場で行われる実弾演習で国内最大の火力演習かつ、一般公開される演習となっています。もちろん、迫力のある演習なども見所だと思いますが、今回特に東日本大震災にて実際に使用された災害派遣用の装備や、自衛隊の災害派遣について何か知ることができないかと思い、足を運びました。

 演習は前段演習・後段演習・装備展示の3つになっており、前段演習では、陸自の持つ装備のそれぞれを紹介し、後段演習では模擬戦闘を行い、装備展示では戦車やヘリなどを間近で見られる様に展示し、自衛官の方が随時説明を行っていました。
 写真を撮るのが趣味なので写真を撮ることも1つの目的でしたが、自衛官の真剣な眼差しや、東北への支援を書いた装備品が多く見ることができたことも大きな収穫でした。装備品の展示や子供たちへの説明、見えない子を持ち上げて見せてあげるなどといった、普段見ることない自衛官達の一面も見ることもできました。

 今回の演習で東日本大震災に使用された装備は、ボートとファイバースコープ、油圧式の切断機などでした。これらの装備の一部は自衛隊用ではなく、一般にも売られているものを利用しているとのことで、阪神淡路大震災以降に大規模災害用の装備として配備されたと隊員の方から聞くことができました。また、福島第一原発にて使用するはずだった、原子力災害にも利用可能な装甲車なども展示され、原子力災害への備えについても説明されていました。

 演習や自衛官の活動や活動の報告を実際に見てみると、いち早く被災地へと入り、多くの命を救っている人たちが、これほど近くにいるのだと再認識させられました。宗教者はどのように震災や災害に向き合うかということを研究している私にとって、自衛隊の活動も含めて改めて考えてみるべきと感じた一日でした。

 天主君山現受院願成寺副住職
 魚 尾 和 瑛


原発に海水を投下したのと同型のヘリ、チヌーク


津波で浸水した地域へ配備されたボート


津波や地震で倒壊したガレキの中から生存者を救出するための
ファイバースコープと切断機










東北地方太平洋沖地震義援金のご報告

 お彼岸のあいだ玄関でお寄せいただきました「東北地方太平洋沖地震義援金」 と 観音堂大祭の経費の一部を、浄土宗を通し見舞金といたしまして被災された方々にお送りいたしました。誠にありがとうございました。

「義援金箱」
      77,303 円
「観音堂大祭経費」
     100,000 円

 

第304回 辻説法の会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
9月16日(金) PM7:00〜8:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
本法寺住職 清水 俊匡 師
参 加 費
無料 (飲み物は各自でお支払いください)
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
10月21日(金) 同時刻  大泉寺東堂 小島 捷亮 師

 

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。



ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

  「燃えないゴミ(ビン・カン)」
 市のゴミに出します
  「土に返すゴミ(花・香花)」
 寺にてチップにして土に返します
  「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
 寺にて土に返します
  「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
 市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。








▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開 催 日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場  所
 願成寺庫裡
費  用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。







 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久


 







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