願成寺ホームページは、 こちら(http://ganjoji.com/)です。

次回配信日は、12月15日です。




生桜えび

 どのような条件下であっても食事とは楽しみである。家族そろっての食事から、ひとりでの食事もまた良いものである。

 時として昼ひとりで「天ぷらのざる蕎麦」を作って食べることがある。主婦層に話すと、「昼にそんな面倒なことを」と、変わり者のように言われるが。基本は買い物に行かないことである。冷蔵庫に残っている野菜を天ぷらとするが、時には奮発して冷凍庫に買い置きしてある生桜エビでかき揚げを作る。桜エビは春と秋に解禁となり、2キロほど購入し小分けして冷凍庫に眠らせてある。干し桜エビのアイテムもあるが、駿河湾に面して生活している以上、かき揚げにしろ、桜エビのお好み焼きにしろ、冷凍物と言われようと全体に生桜エビで、その味は10倍ほど違うからである。三つ葉や刻み葱などは混ぜず、贅沢に桜エビだけのかき揚げである。いや正確ではない、 桜エビだけのかき揚げのが、調理が一番美味くいくからである。たとえば三つ葉と桜エビのかき揚げは、2つの素材の揚がる温度が違うので、三つ葉に合わせると桜エビがカラリと揚がらず、桜エビに合わせると三つ葉が揚がりすぎて、ときには三つ葉のきれいな緑色が台無しになってしまう。蕎麦は一応お気に入りの乾麺を茹で、薬味を用意する。おいしい蕎麦ほど、少しの薬味で良い。逆の場合は、たくさんの薬味でいただくと良い。
 ゆったりとした時間の流れのなかで、ひとりゆっくりと食する。昼であるが、良い酒の1合もあると至福のときとなるであろうが、とんでもないことである。おおかた私が天ぷら蕎麦を作るときは、メルマガの原稿などが切羽詰まっており、本来ならば食事も簡単に済ませて机に向かうべきである。でも楽しい食事である。

 この原稿を途中にして、仕事に出かける。やはり今日の昼は立ち蕎麦で天ぷら蕎麦であろう。それはそれなりに美味しくいただいていると、カウンターの調理の人の話が聞こえてくる。調理の段取りの声は気持ちが良いが、会社の人のことであろうか悪口批判で最低な私語である。それなりの蕎麦が急に不味くなった。
 そういえば何年前のことであろうか、銀座の一流割烹に連れて行っていただいた。カウンターで板前さんと食べ物談義に花が咲く。そこに若い板前さんが入ってくると、やたら叱るのである。内容はわからないが、じつに不愉快である。一所懸命作った料理の品々を同じ人物が台無しにしてしまっているのである。

 そこで思い出すのが人気テレビドラマ「味いちもんめ」である。藤村という高級割烹での話。
 味覚の鋭さは天才的だが努力や地道が大嫌いな伊橋悟は、料理学校をトップの成績で卒業して料亭「藤村」に板前見習いとして就職する。だが、そこは封建的な世界、自信過剰の悟は下働きの扱いに反発して他の板前たちとケンカがたえない。しかし、花板である熊野の料理で自分の未熟さを思い知らされ、心を入れ替えて一流の料理人を目指そうと決意する(Wikipedia)。
 伊橋悟役の中居正広は追い回しとして登場、はちゃめちゃな行動で、しばしば花板である熊野役の小林稔侍に叱られる場面が多い。無論カウンターのお客さんの前ではなく、板場の裏庭であった。

 それ以来、「叱る」ときは人の居ないところで、そして食事中はしかり。空腹の時より食後のが、ただ迫力に欠けるかもしれない。

【板場の役目】(Wikipedia)
花板(はないた)
板場の責任者。献立を決めるのが、一番大きな仕事。カウンターがある店ではカウンターに立つことが多い。“しん”とも。
立板(たていた)
魚をさばき、刺身を引くのが主な仕事。カウンターがある店ではカウンターに立つことが多い。“にばん”とも。
煮方(にかた)
煮物担当。板前は煮方になれば一人前とも言われるらしい。作中のボンさん曰く、「落語家で言えば真打」。
脇鍋(わきなべ)
煮方になるための修行中の人。
向板(むこういた)
立板の補助役。魚をさばくのが仕事。本作では谷沢しか描かれていない。
脇板(わきいた)
向板になるための修行中の人。
焼方(やきかた)
魚を焼いたりするのが仕事。田楽を焼くこともある。焼場(やきば)とも言う。
油場(あぶらば)
天プラを揚げるのが主な仕事。揚場(あげば)とも言い、焼方と大体同じ地位。
八寸場(はっすんば)
盛り付け。本作では登場しない。藤村では下記の「追い回し」が兼任。名前の由来は「八寸」から。
追い回し(おいまわし)
専ら雑用係。盛り付けなども行なう。芋剥きなども追い回しの代名詞であり、「ボウズ」「ボウヤ」「アヒル」とも言う。

 天主君山現受院願成寺住職
 魚 尾 孝 久








 今年も残すところ1ヶ月となりました。本年2011年は東日本大震災という、日本を揺るがす大きな災害があり、311以前以降というような言われ方をするように、大きな変化のあった年であったと思います。

 私は今、宗教者災害支援連絡会(宗援連)というところでお手伝いをさせていただいております。これは、東大の島薗進教授を代表として、東日本大震災で宗教団体、宗教者がどのような支援活動をし、その経験や報告を交換し合い、宗教者が連携して被災地・被災者・避難者の支援を行えるようにと設立されたものです。2ヶ月に一度情報交換会をおこない、被災地や被災者への支援をおこなっている宗教団体や宗教者をお招きして、活動報告などをしていただいております。
 私自身も、大学院では台風災害と宗教というテーマで研究をしており、災害に宗教団体や宗教者がどのように支援をしていけるのかということに大変興味を持っており、各回の報告は僧侶としても、院生としても勉強になっています。

 我が願成寺は、静岡県にあることから来るべき東海地震のことは常に考えております。しかし、実際に東日本大震災があるまで我が身のことと、なかなか思えなかったところがありました。
 科学が進歩しても地震の予知は、正確にはできません。いつ来るかわからないということが、多分来ないだろうという、妙な安心感になってしまい、東海地震がいつか来るということは頭に残っていても、現実味を帯びて考えていなかったように思われます。毎日、地震があるか否かなどと考えているのは現実的ではありませんが、地震があった時にお寺はどうするべきなのか、自分はどう行動するべきなのかを家族やお檀家さんを含めて考えていくことが必要ではないかと思います。

 東日本大震災が起きた時に生きていた一人として、東日本大震災の教訓や次への対応などを考えていくことは、地震国日本で生きていく私たちに必要なことであり、また、これまで地震で亡くなっていった方々への追悼にもなるのではないでしょうか。

 天主君山現受院願成寺副住職
 魚 尾 和 瑛


お十夜法要での震災者供養









東北地方太平洋沖地震義援金のご報告

 お彼岸のあいだ玄関でお寄せいただきました「東北地方太平洋沖地震義援金」 と 観音堂大祭の経費の一部を、浄土宗を通し見舞金といたしまして被災された方々にお送りいたしました。誠にありがとうございました。

「義援金箱」
      77,303 円
「観音堂大祭経費」
     100,000 円

 

暮れの墓地大掃除のお知らせ

 毎年12月の第2日曜日は、暮れの墓地および境内地の大掃除となっております。お忙しい折とは存じますが、ご家族でご参加下をお願いいたします。当日は「温かい豚汁」を用意いたしておりますので、お掃除終了後お召し上がり下さい。

日   時
12月11日(日) 9時より (小雨決行)
お 願 い
できますならばお掃除の道具をご持参下さい。
駐車場が少ないのでご注意下さい。

 

第307回 辻説法の会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
12月16日(金) PM7:00〜8:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
大泉寺 小島 健布 師
参 加 費
無料 (飲み物は各自でお支払いください)
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
1月20日(金) 同時刻  未定

 

修正会(新年会)のお知らせ

 恒例の新年の初参り、護持会総会、新年会を開催いたします。ご申込は、暮れのお参りの折、またお電話にて前日までにお願いいたします。

日   時
1月4日(水) 11時より
内   容
初参り、護持会総会、福引き、会食
会   費
2,000円
申 込 み
暮れのお参りの折、電話、FAX、E-mail (前日までに)

 

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。



ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

  「燃えないゴミ(ビン・カン)」
 市のゴミに出します
  「土に返すゴミ(花・香花)」
 寺にてチップにして土に返します
  「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
 寺にて土に返します
  「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
 市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。








▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開 催 日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場  所
 願成寺庫裡
費  用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。







 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久


 







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