願成寺ホームページは、 こちら(http://ganjoji.com/)です。

次回配信日は、4月16日です。




圓光大師堂法然上人(1)


圓光大師堂法然上人(2)


名誉住職 土屋光道上人

 東日本大震災で延期されていた「法然上人八百年大遠忌法要」が、東京芝増上寺において、4月1日より11日間にわたって厳修された。
 私も50年に1度の特別法要であり、日ごろ本山に出かけることも少なかったので、この度は1週間にわたって出仕させていただいた。大法要への随喜とともに、法然上人をおまつりしてあるお堂「圓光大師堂(えんこうだいしどう)」でお念仏をさせていただきました。元禄10年(1697)、法然上人は東山天皇より圓光大師の大師号を賜りましたところから、圓光大師堂と申します。平成18年、総本山知恩院様から法然上人「御身柄(おみがら)」一粒を拝受致し建立されましたお堂です。ちなみに800年遠忌には、今上天皇より大師号「法爾大師」が加諡(かし)されました。

 4日間にわたって、お堂にて不断念仏を唱えさせていただきました。1日8時間、昼食とお手洗い以外は、ひたすら「南無阿弥陀仏」のお念仏をお唱えいたします。正座してもあぐらをかいても、足と腰の痛さは変わりません。板の間に比べまして、畳がこれほど柔らかく座布団のように感じたことはありません。決して強制されてお称えしているわけではありませんので何時止めてもよいのですが、自分で決めたことですのでそうはいきません。いろいろな雑念や妄想が頭の中を駆け巡り、自分との戦いとなります。しかし、最後は無心にお念仏を申すことが肝要です。

 お念仏を申しておりますと、脳裏に観智院土屋光道上人が現れました。このメルマガに寄稿して下さった土屋正道上人のお父さまにあたります。諏訪唐沢山阿弥陀寺で大正大学の僧侶をめざす学生の指導をした折、光道上人の下でお手伝いをさせていただきました。これが縁となり、私にとりましてはお念仏の先生にあたり、30年にわたりご指導を受けて参りました。理論と実践の両輪を備えられているところにひかれました。
 「よく決心をして、お念仏をしているなー」と褒めて下さっているようでもあり、「そんなお念仏ではだめだ」と叱咤されているようでもあります。どちらであっても、何年かぶりにお念仏のなかでお会いできたことが嬉しく思いました。

 次の日です。本物の光道上人にお会いいたしたのです。「魚尾君の顔が見えたので会いに来た」といいます。息子を紹介させていただき、歓談をさせていただきました。
 昨日、お念仏の中でお目にかかっているだけに驚きました。そしてご上人がお元気で、なおかつ闊達であられることが嬉しいのです。わたしにとりましては、すばらしい遠忌法要であり、お念仏であり、そして出会いでありました。

【随喜】 ずい‐き [名](スル)
 1 仏語。他人のなす善を見て、これに従い、喜びの心を生じること。
 2 ありがたく思い、大いに喜ぶこと。「―して迎える」(大辞林)

【諡号】 しごう
 貴人・僧侶などに、その死後、生前の行いを尊んで贈る名。贈り名。

【大師号】
                 天皇     年号       回忌
 円光(えんこう)大師   東山天皇   元禄10 1697
 東漸(とうぜん)大師   中御門天皇 宝永8  1711  500回忌
 慧成(えじょう)大師    桃園天皇   宝暦11 1761  550回忌
 弘覚(こうかく)大師    光格天皇   文化8  1811  600回忌
 慈教(じきょう)大師    孝明天皇   万延2  1861  650回忌
 明照(めいしょう)大師  明治天皇   明治44 1911  700回忌
 和順(わじゅん)大師   昭和天皇   昭和36 1961  750回忌
 法爾(ほうに) 大師   今上天皇   平成23 2011  800回忌

【不断】 ふだん
 絶えないこと。いつまでも続くこと。また、そのさま。

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久








 桜も咲き、すっかり春めいてまいりました。境内の桜も満開となっております。桜の咲くこの4月には、法然上人の御忌会が行われる季節でもあります。
 東京芝にある大本山増上寺では、4月1日から11日まで『宗祖法然上人800年御忌法要大会』が厳修されております。4月2日には、静岡教区の御殿場のお寺さんが御忌会法要の御導師を勤められることから、御檀家さんと共に御参りさせていただきました。
 昨年発生した、東日本大震災により増上寺は800年御忌法要を1年延期しており、今年は、東日本大震災で亡くなられた方々の御回向と共に御忌法要が勤められております。

 増上寺は、徳川の庇護を受けて芝一体に僧房や徳川家の墓所などがありましたが、戦災により三門以外を焼失してしまいました。現在のプリンスホテルなどは、徳川の墓所があった場所であり、駅名にもなっている御成門が現在もプリンスホテルの敷地内に現存しています。今回は、普段は見ることの出来ない三門も見学できるということで、大変興味深く参拝させていただきました。
 私は僧侶になる為の修行を増上寺にて受けましたし、大学が近いことから頻繁に増上寺を訪れておりますが、三門の中は初めて入りました。東京は戦災によって歴史的な建造物などが焼失してしまっており、増上寺の大殿(本堂)や徳川墓所もその内の一つです。しかし、三門は奇跡的に焼失を逃れ、江戸時代の名残を残しています。
 最近では、NHKの「ブラタモリ」でも増上寺が取り上げられていました。それによると、この三門は江戸の展望台として人気を集めたとのことですが、現在の高層ビルが建ち並ぶ芝では、微かに大門の先、浜離宮の森を見ることが出来る程度でした。

 311以降、地震を意識して生活することが多くなったかと思います。耐震や免震といったことも建物に求める人が増えたのは当然であり、関心が高くなるのは必然だったでしょう。地震大国の日本において、建物の耐震性は一番重要な要素です。しかし、近代の建物だけでなく、増上寺の三門のように幾たびの震災や戦災に耐え残ってきた建物が今でも残っていることを思い出してみてください。案外、寺院というのは色々な災害を乗り越えて残っていることが多いのです。
 311の時も、増上寺は帰宅困難者の受け入れを行っていました。お寺という場所は、困っている人を受け止める場でもあります。そして、災害があっても乗り越えてその土地に建っています。災害時にも、お寺がもっと活用できる、活用してもらえる場になる、そして寺院が幾たびの災害を乗り越えている象徴が、増上寺の三門のように見えてきます。
 もちろん、災害はない方がいいのですが、何かあったときに頼りになるお寺を目指していきたいものです。

 天主君山現受院願成寺副住職
魚 尾 和 瑛


三門下にて


増上寺大殿とお練り行列


三門をくぐるお練り行列









第311回 辻説法の会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
4月20日(金) PM6:00〜7:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
十輪寺 菊地 博英 師
参 加 費
無料 (飲み物は各自でお支払いください)
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
5月18日(金) 同時刻  養雲寺 青野 溥芳 師

 

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。



ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

  「燃えないゴミ(ビン・カン)」
 市のゴミに出します
  「土に返すゴミ(花・香花)」
 寺にてチップにして土に返します
  「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
 寺にて土に返します
  「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
 市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。








▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開 催 日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場  所
 願成寺庫裡
費  用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。







 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久


 







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