願成寺ホームページは、 こちら(http://ganjoji.com/)です。

次回配信日は、5月15日です。




大正大学

 私は大学の非常勤講師をしており、若い世代と接することが多く、こちらも若返ったような気持ちになる。いいもんである。

 出席をとっていると、その名前の変化に驚く。まず女子に「○○子」という具合に、「子」の付く学生がほとんどいないことである。男女とも15名くらいのクラスであるが、「子」の付く学生は1〜2名、時として誰もいない場合もある。私の同級生はおおかた「○○子」であったように思う。妻もまた真理子である。ちなみに昨年度の「名前ランキング女子ベスト100」には、「莉子(りこ)」が第5位をとっているが、他には「○○子」はないのである。「莉子」が多いのは、タレントや女優に「莉子」と名の付く人が活躍したからであろう。

 それから、どうも名前の漢字に、そう重きをおかれていないようにも思われる。想像ではあるが、まず音感の良い名前が決められ、その後に好きな漢字が当てはめられているようである。漢字が表意文字として使われるのではなく、表音文字として使われているのである。漢字は表意文字であるところにその特色があると思われるのだが。
 女子ランキング1位の「陽菜」は、AKBの小嶋陽菜やキャラクタの悠木陽菜に由来するのであろうが、一昔であれば「春菜」であろう。「はるな」の音から想像されるのは、「榛名山」、榛名山からとられ名が踏襲されている護衛艦「榛名」、タレントの「はるな愛」などがあるが、小嶋陽菜や悠木陽菜なくして、「陽菜」は生まれなかったように思われる。
 そういえば、明治生まれの女性は、平仮名や片仮名の2字の名前、「こと」「とり」「ちよ」「クニ」「ウメ」などであった。
 時代が変わった、流行が変わったといってしまへばそれまでであろうが。

 今ひとつ気になることがある。鉛筆の持ち方である。正確にはシャープペンシルの持ち方である。これは男女の区別なく、4〜5割の学生が正しく持っていない。正確に言うならば、「正しく持っていない」のではなく、私には違和感が感じられる。昨今やたらに「正しくない」と言うと、「差別だ」「誰が正しい持ち方と決めたのか」と、抗議を受けるからである。これが小学生であると、親から抗議を受けることになろう。「きちっと書ければ良いのではないか」、「この書き方で不自由したことはない」との論理が働いているようである。
 意思の疎通ができるようになった学生に、おそるおそる聞いてみる。「自分のペンの持ち方は人と違うと思うか?」、「箸も同じか?」、「親も同じか?」と。おおかた「はい」である。

 ペンや箸の持ち方などは、長年の経験則のなかから、正確で早く操作できるスタイルが誕生してきたと思われる。そしてそれが基準となって来たのであろうことを考えると、違和感を持つのである。
 そう他人に迷惑を掛けることではないことを、どこまで声に出して良いのであろうか。仏さまはどのように感じられるのであろうかと、考えてしまうのである。

【名前ランキング】
明治安田生命「生まれ年別の名前調査 名前ランキング2011」による。

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久








 4月も終わり、最近は急に暑くなってきました。
 4月末に、後輩の結婚式で奈良に行っておりましたが、天気予報では最高気温が28℃と表示されており、もうすでに近畿地方は夏に向かっているようでした。さて、奈良にせっかく訪れたので、特別公開されている金峰山寺の秘仏本尊の蔵王権現を見学しに行って参りました。奈良でも奈良市や平城京跡などには、訪れることが多々あるのですが、吉野には初めて訪れました。
 蔵王権現は、金峰山寺の御本尊で、正式には金剛蔵王権現といいます。修験道の祖、役行者が千日の修行の末、感得された権現仏で、三体の蔵王権現はそれぞれに釈迦、千手観音、彌勒菩薩の権化であると言われています。権現とは、仏が仮の姿で衆生の前に現れるという意味です。
 私自身、前の研究室では十王信仰について研究していたので、権現や本地垂迹については今でも興味深く、今回の御開帳は是非訪れたいと思っていました。十王信仰においても、蔵王権現にしても、像の顔は憤怒形をしています。所謂、お不動さんの顔を思い描いていただければと思います。これは単に怒っているのではなく、その迫力威力をもって煩悩を去らせ、悪を懲ずるという意味から憤怒の顔をしています。金峰山寺の蔵王権現は約7メートルあり、上から憤怒形で見られているというのは、迫力もあり、また自分の内面も見透かされているようでした。また、尊像の色が青、ラピスラズリのような色でしたが、これは慈悲を表す色だとも説明がありました。
 奈良や鎌倉の大仏のように大きい仏像は多々ありますが、憤怒形の仏像でこれほどの大きさのものは、日本でも数少ないかと思います。大仏さんのように、見守って下さるような雰囲気とは別に、荒々しく、私たちを厳しくでも慈悲の心をもって導いているような雰囲気は、僧侶として、研究者の卵として様々に寺社、宗教施設へと行っていますが、初めての体験でした。
 これから10年間、毎年御開帳があるようですが、是非とも又訪れたいものです。その時には、迫力だけでなく慈悲というものを、権現様から感じられるようになりたいものです。

 天主君山現受院願成寺副住職
魚 尾 和 瑛


金峰山仁王門


権現堂


吉野山を登るケーブルカー









第312回 辻説法の会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
5月18日(金) PM6:00〜7:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
養雲寺 青野 溥芳 師
参 加 費
無料 (飲み物は各自でお支払いください)
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
6月15日(金) 同時刻  福泉寺 岩佐 善公 師

 

大施餓鬼会のお知らせ

 本年もお施餓鬼会法要を、下記のごとく厳修いたしたくご案内申しあげます。ご先祖の供養とともに、一日ではありますが、みほとけの教えにふれます良い機会ともいたしたく存じますので、お誘いのうえお申し込み下さい(当日ご参加できません方には、当寺にてお塔婆をお墓に立てさせていただきます)。

日   時
5月30日(水)  【14時】法要
法   話
安井 隆秀 師 (藤枝市養命寺副住職)
「本当の信仰」
供 養 料
3,000円
申 込 み
お参りの折、電話、FAX、E-mail(前日までに)

 

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。



ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

  「燃えないゴミ(ビン・カン)」
 市のゴミに出します
  「土に返すゴミ(花・香花)」
 寺にてチップにして土に返します
  「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
 寺にて土に返します
  「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
 市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。








▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開 催 日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場  所
 願成寺庫裡
費  用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。







 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久


 







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