願成寺ホームページは、 こちら(http://ganjoji.com/)です。

次回配信日は、1月15日です。




お正月

 新春をお迎えいたしましたこと、心よりお慶び申しあげます。三島では風もなく暖かいお正月となりました。毎年三嶋大社には、約60万人の初詣の人出と報道されています。三島市の人口がおよそ11万人ですから、その人出は凄いものです。
 拙寺でも例年4日には修正会(しゅしょうえ)を開催しております。本堂で初参りをして、書院で新年会をいたします。新年祈願は毎年のことですが、昨年からは「東日本大震災物故者霊位追善菩提」と、震災で亡くなられた方のご供養を申しあげました。

 ところで、宗祇は古今集の奥義であります『古今伝授』を東常縁(とうつねより)より、願成寺で伝授されましたことはたびたび申しあげておりますが、『古今伝授』はさらに宗祇から公家で歌人でもあります三条西実隆に伝授されて参ります。そこで今年の年賀状には、その三条西実隆の日記『実隆公記』文明16年(1484)お正月の賀詞を引用させていただきました。

 「万物一新の節、四海安泰の春、吉祥すべからく今春に在るべし」

 実隆の新春におけます大きな期待が感じ取られる句です。この時代は群雄割拠の時代で、京の都にあっても戦乱の場となることがしばしばあり、足利幕府も皇室も国を掌握できず、混沌とした時代でありました。実隆をはじめ公家たちは、荘園の崩壊から貧窮のどん底にあったと思われます。それだけに新しい年の「安泰」「吉祥」を祈る気持ちは強かったと想像されます。

 毎年のことですが、世界の、日本の、願成寺の、檀信徒の皆さまの、家族の、そして自身の安穏を祈ります。

【東常縁】とうつねより
室町時代の武家、歌人。法号は素伝、別に昼錦居士と号した。応永8年(1401)生まれる。父は下野守益之。家系は桓武平氏、千葉氏の一族で、常縁の俗弟正宗竜統に、父益之の『故左金吾兼野州太守平公墳記』文明5年(1473)があり、この中に東氏一族についての詳しい記述がみえる。(中略)主に古今伝授など二条派歌学の伝承に関するもので、特に連歌師飯尾(いのお)宗祇に対して、文明元年京都において、ついで同3年には伊豆国三島において、二度にわたって『古今和歌集』を講じたことが「古今伝授」の創始としてよく知られている(『古今和歌集両度聞書』)。(後略)
”とうつねより【東常縁】”, 国史大辞典, ジャパンナレッジ (オンラインデータベース), 入手先<http://www.japanknowledge.com>, (参照 2013-01-07)

【三条西実隆】さんじょうにし‐さねたか[1455〜1537]
室町後期の公家・歌人。内大臣に至る。号、聴雪、出家して逍遥院尭空。飛鳥井雅親(あすかいまさちか)に和歌を学び、飯尾宗祇から古今伝授を受け、古典の普及に努めた。また、能書家としても知られる。著「源氏物語細流抄」、歌集「雪玉集」、日記「実隆公記」など。”さんじょうにし‐さねたか【三条西実隆】”, デジタル大辞泉, ジャパンナレッジ (オンラインデータベース), 入手先<http://www.japanknowledge.com>, (参照 2013-01-07)

【四海】 し‐かい
1 四方の海。よものうみ。
2 《四方の海の内の意》国内。世の中。天下。また、世界。
  「―を掌握する」「―同胞」

3 仏語。須弥山(しゅみせん)を取り巻く四つの外海。(大辞林)

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久








 あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。昨年は、修士論文執筆の為に、お休みさせていただきましたが、今年はまた毎月1日に執筆させていただきます。

 今年は、伊勢神宮の式年遷宮の年になります。式年遷宮とは、20年に一度、本殿などを建て直し、神座を遷す行事のことです。我が願成寺は、三嶋大社との結びつきが強いので、このような神社の行事について触れる機会が多いです。実は、この式年遷宮の意味というのは、よくわかっていないようで、詳しい記録が伊勢神宮にも残っていません。ただ、推測される理由というのがあり、20年で造り替えていくことが、神道が重要視する、「清浄」を表していると言われています。

 昨年には、2月と9月に伊勢を訪れ、伊勢神宮を参拝させていただきましたが、あのような大きな社殿や橋などが新しくなるというのは、驚きと新鮮さの両方を感じました。では、なぜ式年遷宮の話を書いているのか、と申しますと、遷宮にあやかって自分も作り直しの年にしようと思ったからであります。私も27歳になり、健康だけでなく、学問や、お寺についてなど、様々に考え直してみようと一念発起をしようと思っています。
 現在、大学院に行っている私にとって、学問や勉強というのは、大切なものです。2年前に宗教学を学びに大学院に入学し、昨年12月に修士論文を提出することができました。しかし、自分で納得できていない点や、もっと調査をした方がよかったという点が見返していると、次々に出てきています。この修士論文を土台にして、更に学問を修めたいと提出後から、ずっと考えていました。そこで、式年遷宮にあやかって勉強し直そうと、初詣の際にふと思い、メルマガに書こうと思いました。

 一人で思っていても、人間は忘れてしまうことや怠けてしまうことがあります。でもメルマガで書き、三嶋大社で神様の前で言ったことは、怠けるわけにはいきません。ここに書くと言うことは、自分を律する意味もあります。
 来年の1月、もしくは今年の12月に、きちんと報告が出来る一年にしたいものです。

 天主君山現受院願成寺副住職
 魚 尾 和 瑛


五十鈴川


宇治山田駅









第320回 辻説法の会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
1月18日(金) PM6:00〜7:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
善教寺 土山 和雅 師
参 加 費
無料 (飲み物は各自でお支払いください)
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
2月15日(金) 同時刻  三明寺 大嶽 正泰 師

 

宗祇法師の会 (1月例会)

 日大名誉教授藤岡武雄先生を中心といたしまして、宗祇法師の顕彰と研究をする会です。
どなたでも参加できます。申込は不要ですので当日お出掛けください。

日   時
1月21日(月) PM1:30〜3:30
会   場
願成寺 TEL:055-975-1763
参 加 費
無料
主   催
三島ブランド 宗祇法師の会

 

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。



ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

  「燃えないゴミ(ビン・カン)」
 市のゴミに出します
  「土に返すゴミ(花・香花)」
 寺にてチップにして土に返します
  「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
 寺にて土に返します
  「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
 市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。








▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開 催 日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場  所
 願成寺庫裡
費  用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。







 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久


 







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