お正月も一段落して、妻と御殿場に買い物に出た。ちょうど昼時であったので、御殿場でお蕎麦を食べるべく、ネットで有名店を検索、出発となった。
風もなく穏やかで、富士山もくっきりとその雄姿を充分に表現している。三島より一廻り大きい富士山も、また見ごたえがある。だが、気温は三島より数度低いためか、寒さが再認識される。
カーナビにしたがって30分ほどすると、国道から外れた畑のなかが到着点とあり若干の不安もあったが、民家の隣に大きな駐車場があり数台の乗用車が止まっており、そこが目指す蕎麦屋であることはすぐに分かった。早速受付を済ますと、30分待ちとのこと、そして昼の予約はあと一組であることをしった。並んで待って食事をするのは嫌いであるが、他へ行くといっても昼の営業時間を過ぎてしまい、昼飯に有りつけないことになると困るので待つことにした。
待合室の石油ストーブを囲んで、10人ほどの人達が談笑している。我が夫婦は別段話題もないので、携帯に相手をして貰う。携帯でゲームをするという選択肢はないので、ニュースを見て、携帯の整理をする。いわゆる不必要になった履歴やメールを削除しての大掃除である。
そしてこのお蕎麦屋さんの「食べログ」に、沢山の感想というよりも、独断といったのがよいであろうか。それと同時に掲載されている200枚を超える写真と「お品書き」で注文を決める。我が家では鰊(にしん)蕎麦以外は温かい蕎麦は食べないので、したがってざる蕎麦となる。私的には大ざるであるが、いつものごとく妻からの分与あるので。ブログや写真から天ぷらはボリュームがあるので一人前でシェア、エビが2本入っていることを確認する。さらに妻は蕎麦スウィーツへと走るが、同調はしない。
それなりに美味しく堪能させていただいた。思ったよりボリュームのある食事で満腹である。
用件を済まして、マーケットに晩の食品を買いに寄る。店に入ると私の頭は、突如として高速回転を始めるのである。「晩のおかずは何がいいか」、「今宵の酒の肴は何にするか」、昨日のおかず、一昨日のおかず、冷蔵庫に残っているもの、そして何よりも目の前にある食材から、今宵のおかずと肴が決定される。するとつぎつぎとバケットのなかに食品が入れられていく。妻が選ぶよりも、わたしの選ぶ食材のが多いのではないだろうか。
ところが今日はいつもと様子が違う。ほとんど頭が回転していない、どうも妻も同じようである。お腹がいっぱいである、よって食欲がない、よって食材に興味がわかない、よって真剣に夕食に思考が届かないという公式となるのである。夕食の都合もあって最低限の食品を購入となった次第である。
日ごろ、買いすぎる傾向があるのは、空腹時での食品購入にある。見るもの、触るもの、みな美味しそうに見えて、つぎからつぎへと買い物かごに収まっていくからである。
ダイエット、エコのためにも、都合が付くならば昼食後しばらくしての買い物をお勧めする。
天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久
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