願成寺ホームページは、 こちら(http://ganjoji.com/)です。

次回配信日は、2月15日です。




ひとつの花のなかにも、盛と衰

 大阪市立桜宮高校の生徒を自殺に追い込んだ事件は、解決の糸口すら見えない状態である。さらに日本女子柔道の暴力パワハラ事件がトップ選手15人によって告発された。暴力とはいわないまでもパワハラ事件は、学校ばかりでなく社会では恒常化されているのではなかろうか。この2つの事件から、さらなる告発がされるように思う。

 そもそも桜宮高校の体育科とはどのような学科であろうか。同校のホームページには次のごとくの説明がある。

   全員が運動部に所属し、体育活動の実践を通し高度な技術を学
  び、「知・徳・体」の調和のとれた人格形成ならびに体育の振興発
  展に寄与する人材の育成を目指します。
   また、将来は社会の各分野で体育活動の指導者となるため、大
  学へ進学し、見識を広めることを目指します。

 体育を主体として人格形成をするというのであるが、報道されているところからは、その本来の目的である人格形成としての体育教育の位置付けが見えてこない。体育科入試の中止に在校生や父兄の発言は、将来プロスポーツ選手になるための手段として桜宮高校の位置付けであるように思われる。高校にはいわゆる商業科や農業科などの特科があるが、体育科は同列にはならない。
 商業科が将来商業に従事すべき人材の育成を目的とするならば、体育科は体育に従事すべき人材の育成ということになる。体育に従事することはプロスポーツ選手を意味するのであろうか。ここに問題がある。どの職業でも競争はあるが、決して1番を目指しているのではなく、その職業に専念できる人間性と技術を求めているのである。
 しかし、プロスポーツ選手は常に1位だけを目指す。優勝しなければ意味のない世界なのである。ここに教育を逸脱した根性主義や過度の指導が生まれ、強いては暴力やパワハラとなっていくと思われる。

 私は中学の時、音楽の先生に混声合唱団に入るよう進められた。声楽部がコンクールに出場するために男子生徒が必要だったからである。声だけはよく通るが、じつは凄い音痴である。個別指導も受けたが、そう簡単にできるものではない。
 コンクール出場の前に先生に呼ばれ、当日の見学を言い渡された。確かに音程をはずすのは、私ともう1人の生徒であった。自分でもわかっていたので、出場できないことを羨む気持ちはなかった。そこには先生と私との間に、十分な努力と、納得のいく説明があったからである。
 今考えるに、先生には大変な思いがあったようだ。コンクールに参加する以上、優勝を目指すのは当然である。しかし、そのために外した生徒へのエネルギーも半端なものでなかったからこそ、私にはよい思い出として残っているのである。

 大方のスポーツは1番を目指すものであるが、1番になれるのは1人、または1チームだけである。あとの生徒たちは目標に到達できなかったことになる。こうしたとき、指導者は、1番をとれなかった生徒を如何に体育を通して人格形成を育成するかに、時として1番の生徒を育てる以上のエネルギーが必要であることを理解できていないようである。
 スポーツで挫折して、自分の人生までも挫折した事例に多く接する。一部のことであるが、1番をとった選手が、人間としては失格する報道も少なくない。

 きっと1番をとったものが、優秀な成績のものが、よき指導者であると思われているに違いない。

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久









第321回 辻説法の会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
2月15日(金) PM6:00〜7:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
三明寺 大嶽 正泰 師
参 加 費
無料 (飲み物は各自でお支払いください)
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
3月15日(金) 同時刻  延命寺 高橋 俊行 師

 

宗祇法師の会 (2月例会)

 日大名誉教授藤岡武雄先生を中心といたしまして、宗祇法師の顕彰と研究をする会です。
どなたでも参加できます。申込は不要ですので当日お出掛けください。

日   時
2月25日(月) PM1:30〜3:30
会   場
願成寺 TEL:055-975-1763
参 加 費
無料
主   催
三島ブランド 宗祇法師の会

 

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。



ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

  「燃えないゴミ(ビン・カン)」
 市のゴミに出します
  「土に返すゴミ(花・香花)」
 寺にてチップにして土に返します
  「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
 寺にて土に返します
  「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
 市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。








▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開 催 日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場  所
 願成寺庫裡
費  用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。







 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久


 







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