願成寺ホームページは、 こちら(http://ganjoji.com/)です。

次回配信日は、5月1日です。




安養寺全景


本堂


清水良将です、よろしくお願いします。

 今月より連載を担当させていただきます、清水良将(しみず りょうしょう)と申します。今年で29歳になります。正式に僧侶の資格をいただいたのは、22歳の時なので、僧侶になってから約7年ほどで、まだまだ駆け出しです。
 出身は、福井県河野村で、現在は、兵庫県神戸市のお寺にいます。また、毎年11月〜3月は、インド・ブッダガヤというお釈迦さまが悟りを開いた場所にある仏心寺という日本のお寺に滞在し、管理や修行をする生活を5年ほど続けています

 福井のお寺は、本当に田舎で山に囲まれた集落にあり、一方で、神戸のお寺は、街のど真ん中にあり、インド・ブッダガヤのお寺は、インドでも有数の貧しい地域にあります。それぞれ違った場所で、違った良さや違ったことを感じるので、それぞれの場所の話や感じたこと、生活習慣の違いなどをメインに、これから連載していきたいと思います。
 また、神戸のお寺は、阪神大震災の際に全壊しており、今でも建物がありません。ちょうど今年再建工事が始まったところで、今は、木造の本堂の柱を組んで行っている状態です。約2年後に完成予定です。昔ながらの建て方していて、本堂を一から建てていく様子は、大変珍しいと思うので、そのことも写真付きで紹介させてもらおうと思います。

 ところで、皆さん福井県の場所は知っていますか?意外と知らない方が多く、「どこですか?」と聞かれることが多い県です。
 日本海側にあり、滋賀県の北、石川県の西側に位置する、象の顔に似た形の県です。有名なものだと、座禅で有名な永平寺や独特の形の絶壁がある東尋坊があります。また、冬になると、「越前ガニ」という高級なカニがテレビで特集される県です。他にも、自然が豊かで、山や海、水が綺麗なこともあり、伝統工芸の刃物や和紙、漆器や陶器などもあります。
 そして、これは是非知ってもらいたいのですが、幸福度ナンバー1の県です。昨年に、ブータンの国王さまが来て、世界一幸福な国としてブータンは有名になりましたが、日本国内では、福井県が幸福度ナンバー1なんです。

 その福井県でも、田舎の河野村という小さい村の、そのまた小さい集落のお寺で高校まで育ちました。
 四方を山で囲まれ、その谷間に30件ほどの家がある集落です。その山の中腹にお寺があり、まさに日本昔話などで出てくるような山寺「THEお寺」という感じの雰囲気のお寺です。
 今でも、朝夕には鐘を鳴らして時間を知らせています。
 山の中なので、四季をよく感じることができ、春は暖かくなるにつれて、花が咲き、山菜やタケノコが採れます。夏になると、山からの風が心地よく感じ、夕方になるとヒグラシの声が心地よく聞こえます。秋には紅葉を見、冬になると雪に覆われます。

 福井のお寺に手伝いで戻ると、神戸と比べると何もない場所で、今でもバスは朝晩の一本ずつ、近くのコンビニまで車で20分近くかかるような不便な場所ですが、住んでいるときには当たり前だった、集落独特のみんながゆったりと過ごす時間の流れや、静けさ、風や水の流れる音・鳥の鳴く声の心地よさを実感します。
 また、お寺の本堂のドアを開け、座っていると、何ともいえない心地よさ、安心感、落ち着く気持ちを感じることができ、また夜になり空を見上げると、神戸では見ることができない満点の星空をみることができ、自然のすばらしさを実感します。
 そして、お寺の建物の雰囲気と自然が合わさって、日々の慌ただしさをふっと忘れさせてくれる、田舎のお寺の良さを実感しています。

 是非、福井県そして、田舎のお寺に興味を持ってください。

 安養寺  清 水 良 将








 お寺の境内は、地目として考えると、おおかた「境内」「墓地」「雑地」となる。したがって境内地に少し空き地があるからといって、勝手に墓地にしてよいわけではない。墓地とするには地目の変更を経て、行政より墓地の許可を取得して初めて可能となる。
我が寺でも境内の整備にともない、墓地の隣に墓地2つ程の地目上境内地ができたのである。したがって墓地を作ることはできないのであるが、見た目にはよい墓地の区画に見えてしまう。そこで誤使用を避けるために植栽をすることにした。

 ひと言で木を植えるといっても、何の木を植えるかはなかなか難しい。幸いにも田舎の寺であるので、都会とは違って境内が広いためいろいろな木が植えられており、四季折々に目を楽しませてくれるとともに参考になる。自分の好きな木を植えるというのも、ひとつの選択肢かもしれないが、いささか問題がある。寺を管理している住職という立場になると、そう簡単にはいかない。

 梅は春一番に花を咲かせ春の訪れを伝えてくれ、そして何よりもその香りは抜群で、ウグイスも訪れ、この時期はウグイスの鳴き声で目を覚ますなどは最高の贅沢なのであろうか。しかし毎年の剪定がじつに大変なのである。
 桜の花は、庭に1本でもあると華やかになる。たしかに「梅切らぬ馬鹿、桜切る馬鹿」のことわざの通り、剪定はまったくいらないのであるが、夏場になると10pほどの大きな毛虫が付き、参拝者に嫌われる。その食欲はものすごく、一瞬のうちに丸坊主にしてしまい、管理の悪さの象徴のようになり、顰蹙を(ひんしゅく)を買うこと間違いない。
 藤も花と香りを楽しませてくれる花木として申し分ないが、棚からはみ出す蔓伐り(つるきり)が6月から秋まで続き、剪定に手間のかかる木である。そして何よりも、落ち葉の掃除が大変である。8月頃から落葉が始まり、11月まで毎日少しずつ散っていくのである。モクレンなどは霜の降りた日、1日でおおかたの葉を落としてしまうのとは実に対照的である。

 考えてみれば、私に都合のよい木などはないのである。すべての植木にメリット、デメリットがあるわけで、デメリットを克服させる「プラスα」を見いだしたとき、そして植木は一度植えたならば簡単な理由で伐採することがないので、何年も持続する「プラスα」を持つ必要がある。
 10数年前、選択されたのが「関山(かんざん)」という八重桜である。毛虫に打ち勝つ原動力は、何よりも五分咲きの花を塩漬けにして、「桜湯」を楽しむことができるからである。幸いに、丈夫な種で、毛虫の発生もない。桜ご飯も楽しいものである。

 今年もたくさんの花をつけている。少し摘まさせていただいている。いつかは、慶事に「願成寺の桜湯」として利用したいと思っている。

【梅切らぬ馬鹿、桜切る馬鹿】
 桜は枝を切るとそこから腐りやすくなるので切らないほうがよく、梅は枝を切らないとむだな枝がついてしまうので切ったほうがよいとされることから。
 また、桜の枝は切らずに折るほうがよく、梅の枝は折らずに切るほうがよいことからともいわれるが、桜は折ることもよくない。「桜伐る馬鹿、梅伐らぬ馬鹿」とも書く。(故事ことわざ辞典)

【関山】かんざん
 四月中旬から五月上旬にかけて花期を迎える。花や蕾の色は濃い桜色であり、八重咲きである。花弁は多い場合は50枚を超える。花は大輪であり生育条件が整えば5cmを越えることもある。雌しべは2本葉化しており、花の中心から突き出ている。花の時期には葉が生えている場合が多い。また、花が長い期間持つことも特徴であり、長い期間楽しむことができる。
 樹高は小高木程度であり、大きくとも10数メートル程度。枝は最初は真横に伸びていき、徐々に上の方向へ向かっていく。樹木として虫、病害、環境変化などに強い傾向がある。生え始めの葉は赤みを帯びている。
 ヤエザクラでは非常に一般的な種であり、育てやすいことなどから街路樹や公園の植木などとしても植えられていることが多く見る機会も非常に多い。また、花期の長さからソメイヨシノ等の桜の散った場合に備え、小学校などで植えられる事も多い。花の大きさや色などから欧米などでも好まれ広く育てられている。
 その他には、塩漬けの桜にされ桜湯の素となることも多い。(ウィキペディア)

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久


関山(八重桜)


塩漬けに摘まれた関山









第323回 辻説法の会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
4月19日(金) PM6:00〜7:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
十輪寺 菊地 博英 師
参 加 費
無料 (飲み物は各自でお支払いください)
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
5月17日(金) 同時刻  万松院 吉田 宏得 師

 

宗祇法師の会 (4月例会)

 日大名誉教授藤岡武雄先生を中心といたしまして、宗祇法師の顕彰と研究をする会です。
どなたでも参加できます。申込は不要ですので当日お出掛けください。

日   時
4月22日(月) PM1:30〜3:30
会   場
願成寺 TEL:055-975-1763
参 加 費
無料
主   催
三島ブランド 三島宗祇法師の会

 

大施餓鬼会のお知らせ

 本年もお施餓鬼会法要を、下記のごとく厳修いたしたくご案内申しあげます。ご先祖の供養とともに、一日ではありますが、みほとけの教えにふれます良い機会ともいたしたく存じますので、お誘いのうえお申し込み下さい(当日ご参加できません方には、当寺にてお塔婆をお墓に立てさせていただきます)。

日   時
5月30日(木)  【14時】法要
法   話
願成寺副住職 魚尾 和瑛
未定
供 養 料
3,000円
申 込 み
お参りの折、電話、FAX、E-mail(前日までに)

 

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。



ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

  「燃えないゴミ(ビン・カン)」
 市のゴミに出します
  「土に返すゴミ(花・香花)」
 寺にてチップにして土に返します
  「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
 寺にて土に返します
  「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
 市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。








▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開 催 日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場  所
 願成寺庫裡
費  用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。







 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久


 







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