「ナマステ」は、ヒンディー語の「こんにちは」などのあいさつです。ちなみに、別れ際のあいさつも「ナマステ」といって、合掌します。
6月号・7月号にもインドについて書きましたが、今年もまた11月20日〜3月中旬までの予定でインド、ブッダガヤ、仏心寺に駐在しています。「日本は寒いので、暖かいインドにいけていいね!」とよく言われますが、そんなことはありません!
インド=暑い!というイメージが強いですが、私が居るブッダガヤはインドでも北東にあり、これから1月にかけて一年で最も寒い時期になります。南インドの方は一年を通して暖かい地域がありますが、今私は、上下ヒートテック、フリースなどを着て暖かい格好でこの記事を書いています。現在、昼間は20℃近くまで気温があがりますが、朝晩は1桁になります。
また季節は乾期なので、11月20日に到着してからまだ一度も雨が降っていません。
これから2ヶ月ほどは、ブッダガヤが一年で一番賑わい、大きな法要が続くお参りのシーズンになります。
先頭をきって行われるのが、「ティピティカチャンティング」と言われる小乗仏教の集まりです。毎年12月2〜12日ぐらいに行われ、小乗仏教各国(インド、スリランカ、タイ、ミャンマーetc)が、お釈迦様が悟りを開いた菩提樹の下に各国のブースを作り、朝から晩まで各国のスタイルで、世界平和を願ったお勤めが行われていました。
正確な数はわかりませんが、お坊さんが数千人ほど集まり、各国の信者さんも毎日かわるがわるお勤めに参加されていました。普段は静かなブッダガヤですが、大変賑やかになり、各国のブースからコンサートのように、スピーカーから大音量でお経が聞こえ、失礼ですが、それぞれの国で競っているようにも感じました。
それらの法要を見て日本の法要と比べてみると、同じ仏教でもここまで違うのかと感じます。
特に感じる部分は、僧侶の袈裟。日本の僧侶は法要のスタイル、普段のスタイルなど分かれていますが、小乗の人は大きな一枚の布でできた袈裟のみです。それ以外の服は持っていません。あるタイの僧侶に「普段は違う服が着れてうらやましいね!何でもばれずにすきなことが?できるし」と笑いながら言われたのが印象的です。
また、法要を見ていると、日本人目線では、あり得ないことがたくさんあります。例をあげると、お勤めに遅れて参加。法要中に電話にでる。法要中おもむろに立ち上がり、会場を歩き回ってカメラで写真を撮る。きょろきょろあたりを見渡す。
逆にすごいと感心することもあります。その一つがお布施です。
法要期間中は、法要に参加する全ての人に、無料で朝・昼ご飯がだされます。小乗仏教の僧侶は、お昼12時以降は食事を食べないので、朝・昼ご飯のみの供養になります。それも豪華なブュフェで食べ放題です。このお金は全て、各国の信者さんからのお布施でまかなわれます。その中には、ドイツやアメリカなどの仏教徒の人からのお布施も見られました。
「お坊さんにお布施をすることは、徳を積むことなので喜んでする」と参加中の信者さんからの言葉が印象的で、実際、法要に参加しているお坊さん1人1人に、お布施を手渡しで配る信者さんも多々見られました。
前半に書いたお坊さんの姿と、そのお坊さんに布施をする信者さんの姿は一見あわないですが、でも、外見ではなく、心が大切なのかなと自分なりに解釈しています。
仏教の中心地で、仏教を肌身でもって体験させてもらう毎日です。
安養寺 清 水 良 将
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