願成寺ホームページは、 こちら(http://ganjoji.com/)です。

次回配信日は、2月1日です。





本堂にて新年のお勤め


鍋を囲んで


旅行者さんと

 ちょっと遅いですが、あけましておめでとうございます!
今年も一年よろしくお願いいたします。

 毎年恒例ですが、今年もインド、ブッダガヤで新年を迎えました。
日本で、大晦日・新年と言えば、一年で特に盛り上がる時期ではないでしょうか。大掃除・年越しそば・除夜の鐘・初詣・初売りなど様々な行事があり、家族や友人と楽しい時間を共有した方も多いと思います。
 インターネットのお陰でブッダガヤにいても、日本の情報がたくさん入ってくるので、正直日本の楽しそうなニュースを見て、羨ましい気持ちになりました。

 一方、ブッダガヤでの年越し・新年の様子はというと、大変静かでした。
年末、年始の日本のような街が飾り付けられて盛り上がる感じや、新年のワクワク感?という雰囲気は一切なく、12月31日、1月1日は普通の一日でした。しいて言えば、1月1日は休みなので、インド人で観光に来る人が多かったかな?という感じです。
 というのは、ヒンドゥー教でのお正月は、11月に行われる「ディワーリー」というお祭りとされています。日にちは毎年変わりますが、「ディワーリー」の前には家のペンキを塗り直し、服を新調する人がほとんどで、新しい物を買うのもこの時期に集中しており、まさに日本お正月のように活気づくのが「ディーワーリー」の特徴です。
 「ディワーリー」は、「ラクシュミー」という女神にお祈りをするお祭りで、この時期にお金を使うと縁起がいいとされ、買い物をする人が多く、また至る所で賭け事をします。ちなみに、「ラクシュミー」は、仏教に吉祥天という名で取り込まれています。

 私が居る仏心寺では、毎年15人前後の人が新年を迎えています。31日には宿泊者に年越しそばを振る舞い、日付が変わると同時に特大の花火を上げ、新年のお勤めをおこなうのが通例です。例年だと、宿泊者は日本人が3分の1で、大半が海外の人でしたが、今年はなんと20人ほどの人が集まり、その9割を日本人が占めました。またその大半が、「仏教の聖地ブッダガヤで年越ししてみたい!」とこの場所を選んで来た人達でした。
 今年はこれだけの日本人が集まったということで、みんなで鍋をすることになり、旅行者さん総出で準備をして、一年最後の食卓を賑やかに囲みました。
 その後、恒例の特大の花火を上げて、本堂でお勤めへ。深夜にもかかわらず、18人が参加して、12時過ぎから20分程の新年のお勤めを行いました。その大半が、日本では子供の時に法事に参加しただけという人や、除夜の鐘などもついたことない人だったことに正直びっくりしました。しかし、この場所を選んでくれたと言うことは、仏教に興味が少なからずあるということなので、一僧侶として大変うれしく、日本では若者の仏教離れが言われるなか、そんなことはないということを再確認しました。
 年齢も職業も出身地も違う人達が、ブッダガヤで同じ鍋を囲み、一緒に新年を迎え、しかもお寺でお勤めをしたという「縁」の不思議さ、大切さ、貴重さというものを私自身も再確認し、また一年一僧侶としてがんばっていこうと心に決めた年末年始でした。

 みなさん今年の年末は、ブッダガヤで年越しをしてみませんか?

 安養寺  清 水 良 将








 大寒が近いためであろうか、このところ日本海側の大雪、北海道内陸での厳寒情報が報道されている。
 この12日には北海道の日本海側に「大雪に関する異常天候早期警戒情報」が、また道内全域を対象に「低温に関する異常天候早期警戒情報」が出された。10日には朝から列車の進路を切り替えるポイントが断続的に動かなくなり、また除雪作業が降雪に追いつかなくなるなど、道内全体で計109本が運休したという。また秋田では除雪作業中に4人の死傷者が出ている。

 わたしの住む静岡県三島市では、たまに雪が舞うことはあるが、積雪となると3年に1度ぐらいで、1pほどであろうか。気温も13,14日とも玄関前にある睡蓮の水鉢も凍ることもなく、車のフロントガラスにも霜が降りていなかった。やはり温暖な地域ということになり、寒さの厳しい地域の人々のご苦労というものは、実感として今ひとつ理解できないのが正直な気持ちである。

 ところで仕事の必要から、このところ三条西実隆の日記『実隆公記』を読んでいる。我が願成寺から始まった古今伝授が、宗祇法師から実隆に伝授されており、宗祇法師の動向を知るには、この『実隆公記』が最良だからである。
 日記にしばしば「青女(せいじょ)」という言葉が見られる。初見は文明11年(1479)4月28日である。

 「天陰、時々雨降、青女今日令参詣鞍馬寺」

 天陰は曇り空のこと、時々雨が降り、「青女」すなわち妻が鞍馬寺に参詣したことを記しているのである。またその9月には、「又古今集歌十餘首宛青女可諳誦之由命之了」と、妻に古今集の歌十数首を暗記させている。どのような歌を暗記させたか興味は尽きないが、知るすべはない。
 本来、「青女」は年齢が若く世慣れていない女を云うようであるが、ここで使われている「青女」は、自分の妻をへりくだっての呼称といえよう。妻の謙称には、「山妻」(田舎育ちの妻の意)、「拙妻」、「荊妻(けいさい)」(粗衣の妻の意)、「愚妻」と続くが、尊称や謙称にうるさい時代であるなかで、さすがに実隆と思うのである。

 実隆の知識は、「青女」の使われ方が謙遜の妻の意だけに止まらない。文明15年(1483)11月5日の日記である。

 「霽、青女如雪白水始結氷、頗難忍者也」

 「霽(セイ)」は晴れ、青女は雪のごとく、白水は氷り、寒威(カンイ)は厳しい寒さで、忍びがたいとある。11月と云っても旧暦であるので厳寒期であり、晴れた空に雪が舞い、氷も張って忍びがたい寒さを表現している。しかし、雪を青女と呼び、清く澄んだ水を白水とするセンスは高く評価したい。ますます実隆に思い入れる今日この頃である。

 今日我が家の青女は、お稽古に出かけた。
 

【大雪に関する異常天候早期警戒情報】
概ね1週間後からの7日間を対象に北陸地方など地域で平均した降雪量が平年より「かなり多い」可能性が30%以上である場合に発表します。「かなり多い」とは統計的に10%の確率(その時期として10年に1回程度)でしか発生しない現象です。地域や時期により「かなり多い」降雪量は大きく異なります。

【低温に関する異常天候早期警戒情報】
火曜日と金曜日に予測資料を検討し、7日間平均気温が「かなり高い」または「かなり低い」となる確率が30%以上と見込まれる場合に情報を発表します。
(気象庁ホームページより抜粋)

【古今伝授】こきん‐でんじゅ
中世、古今集の難解な語句の解釈などを、秘伝として師から弟子に伝授したこと。東常縁(とうつねより)から宗祇(そうぎ)に伝えられたのが始まりで、以後、堺・奈良・二条の各伝授に分かれた。
(デジタル大辞泉)

【謙称】けん しょう
自分および自分側の人をへりくだって呼ぶ呼び方。小生・てまえ・愚妻・豚児などの類。⇔敬称

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久


晴れて凍てつく









第332回 辻説法の会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
1月17日(金) PM6:00〜7:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
善教寺 土山 和雅 師
参 加 費
無料 (飲み物は各自でお支払いください)
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
2月14日(金) 同時刻  三明寺 大嶽 正泰 師

 

宗祇法師の会 (1月例会)

 日大名誉教授藤岡武雄先生を中心といたしまして、宗祇法師の顕彰と研究をする会です。
どなたでも参加できます。申込は不要ですので当日お出掛けください。

日   時
1月20日(月) PM1:30〜3:30
会   場
願成寺 TEL:055-975-1763
参 加 費
無料
主   催
三島ブランド 三島宗祇法師の会

 

大本山増上寺参拝と落語と鹿芝居(落語家のお芝居)観劇

 大本山増上寺参拝と落語と鹿芝居(落語家のお芝居)観劇のバス日帰りの旅をおこないます。ぜひともご参加をお待ちいたしております。(詳しいパンフレットをご請求下さい。)

日   時
2月12日(水) 日帰り
内   容
【午前】
  大本山増上寺参拝

【午後】
  国立演芸場観劇
    ≪落語≫ 林家 彦丸、金原亭 馬吉、金原亭 馬治、蝶花楼 馬楽
    ≪お楽しみ≫ 金原亭 世之介、古今亭 菊春
    ≪リレー落語≫ 『お富与三郎』 「木更津見染め」 林家 正雀
    ≪リレー落語≫ 『お富与三郎』 「赤間の仕返し」  金原亭 馬生
    ≪獅子舞≫ 金原亭 世之介、古今亭 菊春
     ― 仲入り ―
    ≪大喜利 鹿芝居≫
    『与話情浮名横櫛』 〜 源氏店 〜
        「切られ与三郎」 金原亭 馬生
        「横櫛お富」    林家 正雀
参 加 費
8,500円 前後
申 込 み
電話、FAX、E-mail (受付期日までに)

 

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。



ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

  「燃えないゴミ(ビン・カン)」
 市のゴミに出します
  「土に返すゴミ(花・香花)」
 寺にてチップにして土に返します
  「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
 寺にて土に返します
  「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
 市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。








▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開 催 日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場  所
 願成寺庫裡
費  用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。







 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久


 







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