3月になりインド、ブッダガヤは一気に暑くなりました。
日に日に気温が上昇していくのがわかるくらい変化していき、3月の初旬は寒かった夜も中旬になると半袖でも寝苦しいぐらい暑くなりました。日中は肌がじりじり焼けていくのを感じるぐらい日差しが強くなり、地元の人は日差しを避けるため昼間出歩かなくなり、「暑いから人もこない」という理由で12時頃から2時頃までお店を閉めて休憩をする人もでてきました。
さて、先月号では、「インド=暑い」というイメージが違うということを書きましたが、今回はインドの食について書きます。
日本でもたくさんのインド料理屋ができて、気軽にインド料理を食べることができるようになったのではないでしょうか。私の周りの友人でもインドにいったことがないが、インド料理が大好きという人が多いです。そんな友人からこのようなことを聞かれたことがあります。
「インドでは、毎日カレー?」
答えは「Yes」
ただ、インド人にはカレーというより、カレー味が大前提であり、その中で食材や調理の仕方でそれぞれ別の料理として考えられています。
例えば
ジャガイモのカレー
カリフラワーのカレー
キャベツのカレー
ジャガイモのカレー味で炒めた物
チキンカレー
ダール豆カレー
等、膨大な数があります。
これらの種類から数種類を一緒に食べるのが一般的な食べ方で、レストランへ食べにいってメニューを見ても、「ジャガイモ」「カリフラワー」「鶏肉」など食材の名前しか書いてありません。
また、道ばたなど露天で食べることができる「ターリー」といわれる一皿に盛られて出てくる安いカレーセットがありますが、その場合でも、数種類が日替わりででてきます。このように様々なカレーがありますが、その中でそれぞれちゃんと役割があります。ダール豆のカレーは、黄色い色で豆の甘さがするカレーで、インド人はお味噌汁的な役割のカレーだといいます。豆なので健康にもいいですし。
そして、主食としての野菜やお肉のカレーがあり、付け合わせ的な存在の、炒めたカレーがあります。
もちろん、お漬け物的な食べ物もあり、野菜や果物をマサラにつけ込んだ「アチャール」といわれる物を、カレーを食べるときに一緒に食べます。結局どれもマサラを使っていて、カレー味ですが。
では、レストランのカレーと道ばたにある露天のカレーとでは何が違うのかというと、露天のカレーは、サラサラであっさり味。レストランのカレーは、油やマサラがふんだんに使われていて、ドロドロで濃厚です。
一般的に日本で食べられているインドカレーは、インドではレストランで食べるカレーです。毎日あのような濃いカレーをインド人が食べているのかというと、そういうわけでもありません。現地の人が食べるカレーは、もっとあっさりしていて食べやすく、野菜の甘さなどを感じます。個人的には現地の人が食べるカレーの方が好きです。
そして、インドカレーといえば、ナンがセットだと思っている人もたくさんいるはずです。これが一番の勘違いです。
現地の人は、毎日ナンを食べません。ナンはレストランで食べるものであり、一般的に毎日食べるものは「チャパティ」と呼ばれる全粒粉と水を練って、薄く伸ばしフライパンで焼く物です(北インドの場合)。素朴で小麦の味がする食べ物で、これとカレーがまたすごくマッチします。
カレーにはいろいろ種類があるとお話をしましたが、「じゃあ、それだけ種類があれば飽きないの?」と聞かれると、毎日食べたら間違いなく飽きます!私も飽きました!!でも、少し時間を空けるとまた食べたくなるのが、インドのカレーの不思議なところです。
安養寺 清 水 良 将
|