7月10日。インド・ブッダガヤの仏心寺でこの記事を書いています。
今年3月に帰国してから、約4ヶ月ぶりのブッダガヤ。到着して、お釈迦様が悟りを開いた場所「マハボディーテンプル」へお参りに行くと、またこの地に戻ってくることができたことへの感謝の気持ちがこみ上げてくると共に、僧侶としての気持ちが引き締まる感覚になりました。私自身僧侶としての初心を確認できる大切な場所がこのブッダガヤです。
現在の気温は日中が約36度。夜でも30度代をキープしており、それに併せてすごい湿気なので、ちょっと外を歩くと汗がとまらず、極力昼間の外出はさけるインド人スタイルで生活をしております。道端を歩いていると、木陰で昼寝する人をたくさんみることができます。暑いから休む。これが人間の素直な生活なのかな?と感じたりもしています。
ブッダガヤには世界中の仏教国のお寺があり、様々な国の僧侶と交流が出来ます。日本のお寺の隣に、ブータンのお寺があり、その横にはタイやチベットのお寺がある。世界中探してもこのように様々なお寺を見られる場所はないはずです。一歩お寺に入るとその国の特色がでていて、庭の造りや建物、色使いも違い、その国に行った気分になれます。また、その国の僧侶がおもりをしているので、お寺に入ると気軽に話しかけてきてくれ、お茶やご飯などを振る舞ってくれます。
そんな中、たまたま道端で会った友達のブータン僧に、ブータン料理が食べたいとお願いして作ってもらいました。
王様と王女様が来日され「世界一幸せな国」として、日本で有名になったブータン。
決して裕福な国ではないですが、質素な生活の中で仏教の教えを元に、限られたものの中で満足し幸せを感じている国です。
ただ、世界中から注目を浴び観光客が増え、経済発展も進む中で、若者の中で少しずつ仏教離れが進んでいるという話も聞きました。
ブータン料理と聞いてぱっと浮かんでくる方は少ないのではないかと思います。私もインドに来るまで知りませんでした。
ブータン料理は、別名「世界一辛い料理」と言われています。
主食は、日本と同じお米で、赤みがかったレッドライスといわれるものです。
日本のお米のように甘くもちもちはしていないが、タイ米のようにパサパサしすぎているわけでもなく、ちょうど中間のお米です。
そのレッドライスに、とうがらしがたっぷり入ったチーズベースのスープ(エマダッチィー)をかけて食べます。
スープの具はさまざまで、具がチリのみのものもあれば、じゃがいもを入れたもの、乾した牛肉を入れたものもあります。他には、唐辛子で乾し肉を炒めたものもあります。
ただ、どれも大量のチリが入っていて、とにかく辛いです。ブータンの人が食べているものをもらうと、辛すぎて食べることができません。
今回はチリを少なくして作ってくれましたが、それでも食べていると辛く汗が止まりませんでした。けれど、辛いだけでなく本当においしいです!よく発酵させたチーズを混ぜてスープを作るので独特の深みがあり、チーズドリアに似た味がします。
乾し肉も丁寧に処理されていて、臭みがなく、あっさりとしています。
今回ご飯を作ってもらったお寺は、ブータンの国が運営するお寺で、お願いした人はそこを管理している偉い僧侶です。日本だとそのような偉い方にご飯作ってなどと言えないですが、ここではそのような縛りはなく、気軽に同じ僧侶として接することができます。
これもブッダガヤの一つの魅力です。
安養寺 清 水 良 将
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