11月22日からインド、ブッダガヤ、仏心寺へ戻ってきました。季節の変わり目のブッダガヤは、朝晩の気温差が15℃以上で、日が落ちるとダウンジャケットを着て過ごしております。今年で6年目のブッダガヤ、仏心寺滞在、最初に往復しだした時は20代でしたが、今年で30歳になりました。月日が流れるのは本当に早いものです。
例年3月まで滞在していますが、今回は2月の中旬には日本に帰る予定をしております。メルマガで神戸のお寺の再建模様を何度も書きましたが、来年2月中旬にやっと再建も終わり、3月8日に落慶法要(完成祝いの法要)を行うので、その手伝いの為例年より1ヶ月ほど早く帰国します。
こちらに到着して毎年すぐ迎える行事が12月8日の「成道会」。私が今いるブッダガヤにある菩提樹の下で、お釈迦様が悟りを開かれたことを祝う日です。ただ、この日にお祝いをするのは、日本だけです。他の国のほとんどの仏教徒では、5月にお釈迦様の誕生、成道、涅槃の法要を行います。
朝方、明けの明星という朝方金星が輝く時間に悟りを開いたと言われているので、なるべくその時間に合わせ、薄暗いマハボディーテンプル(大塔)へ。道中空を見上げると、薄暗い空に月が輝いていました。前日が満月だったということもあり、ほぼまん丸の月は大変明るく感じました。
マハボディーテンプルに到着すると、塔の横に輝く月と薄明るい空の風景がなんとも言えない雰囲気をかもちだしていました。
大塔本尊のお釈迦様にお参りをした後、菩提樹の下に移動し、しばし目を閉じて座ってみました。周りには早朝にもかかわらずたくさんの参拝者で溢れていました。瞑想をする人、本を読む人、お経をあげている人、ずっと塔の周りを回り続ける人。それぞれの国・宗派のスタイルでお参りをしています。
頭上にはの菩提樹が大きく広がっており、そこに留まっている鳥が「ピーピー」と鳴く中に、様々な国のお経が聞こえてくる。朝の冷たい空気が肌を刺激し、心地よさを感じ、自然と背筋が伸びる。
そんな中、お釈迦様がこの場所に座り、たくさんのことを感じ、悟りを開いたことに思いを馳せました。この場所にいる縁、この場所に集まっている人との一体感、様々な目に見えない繋がりの中で生きている私自身。言葉ではわかっていても、自然とそこから考えが離れてしまっていく日々の生活。
様々なことが頭をよぎっていく中で、「感じる」ということの大切さがふと浮かび、頭がすーと軽くなったように感じました。
その後はお寺に戻り、宿泊者(台湾人、ブラジル人)と共に小さいながらお祝いの法要を行いました。10時からは、学校の子供達と一緒に勤行。11時からは、隣の日本寺という日本の大きなお寺で、各国の僧侶を招いての法要。最後にご飯をいただいて終了です。
バタバタと過ぎていった成道の日。
私自身、毎年この場所にいることが当たり前に感じていますが、一仏教徒として、改めてこの場所にいることができる事への感謝の気持ちがわいてくると共に、様々な不思議な繋がり、働きの中で生活している自分自身を見直すきっかけになりました。
安養寺 清 水 良 将
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