願成寺ホームページは、 こちら(http://ganjoji.com/)です。

次回配信日は、4月15日です。





本日の桜(願成寺)

 戦後間もない頃の話である。ある少年は、高校になると図書館から本を借りてむさぼり読んだという。
 また同時に家業の農家の仕事の手伝いにも精を出したという。畑でのゴボウ掘りで、ゴボウの先端がすこし折れただけでも商品価値が下がってしまうので、細心の注意が必要だったという。腰を曲げてやるきつい作業で、あと一押し辛抱強く掘り下げ、慎重に根回しするときれいに抜けたという。高校から大学と、家事の農業を手伝いながらの青春時代を回想している。
 社会に出てあと一歩の詰めが必要なとき、このゴボウ抜きの精神は、大いに役立ったというのである。

 私はどうであったであろうか。無論、寺に生まれ育ったのでゴボウ抜きの経験はない。小学生時代は、父とともに毎朝境内地の掃除をしたものである。30分ほどであったが、今となっては楽しい思い出となった。
 学校から帰るとランドセルを放り投げ、暗くなるまで野山を駆け巡り遊んでいた。中学高校生になると、掃除をするどころか、朝食もろくに取らずに家を出た。2時限が終わると早弁を食べ、昼には購買でパンを買って食べた。
 「おやつ」といえば、寺であるので仏さまに上がった餅であり、農家からいただいたサツマイモである。決して裕福な状態ではなかったが、食べ物の量はおおかた満足のいくもので、そう不自由を感じることもなかったように思う。

 本といわないまでも文章を読むということは、その作者筆者との邂逅(かいごう)を意味することであろう。すなわち筆者の体験や意見を、我が身に置き換えて追体験をすることのようにも思う。
 自分で体験できることには量的限界があるが、文章を通しての出会いや追体験には限度がない。テレビのよいドラマやドキュメンタリーを見て、涙を流したり自分の人生をも揺すぶられることがあるが、テレビを見ることと活字を読むこととは別と考える。

 人間生きていると少なからずいろいろなことが起きるものであり、それを教師とするか反面教師とするかは別として、自分の糧(かて)とすることができるかが問題であろう。
 ゴボウ抜きは分からないが、父との境内の清掃を大切にしたい。境内の掃除を、我が子と一緒にしなかったことが後悔として残る。

 明日から2泊3日で大本山増上寺に別時念佛に行ってくる。増上寺の阿弥陀さまがどんなお顔でお迎えして下さるかが楽しみである。

【邂逅】かいごう
(1)(─する)思いがけなく出会うこと。めぐりあうこと。
(2)(形動)まれなさま。また、偶然のさま。たまさか。希有(けう)。
(日本国語大辞典)

【別時念仏】べつじ‐ねんぶつ
仏語。念仏行者が特別の時に念仏すること。また、これに尋常と臨終を分け、尋常では特に一日・二日ないし七日・一〇日あるいは九〇日など、日を限って行なう念仏のことにもいう。別時の称名。別時の念仏。別時。べちじねんぶつ。
(日本国語大辞典)

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久









朝日テレビカルチャースクール三島

「 源氏物語」を味わう  〜 光源氏が誘う平安貴族の世界 〜

 源氏物語は、今から千年もの昔に作られた物語ですが、そこに描かれている世界は色あせることなく、現在に生きる私たちに数々の感動を与えてくれます。光源氏の案内で、恋の世界・親子の世界・夫婦の世界、そして死の世界を訪ねてみましょう。きっと新しい人生観を垣間見ることができますよ。

開 催 日
4月17日(金) スタート 第1・3金曜日 13:30〜15:00
会   場
朝日テレビカルチャースクール三島校
講   師
願成寺住職、大正大学非常勤講師  魚尾 孝久
受 講 料
4ヶ月 全6回  14,256円
申   込
TEL:055-971-4041

 

第347回 辻説法の会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
4月17日(金) PM6:00〜7:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
十輪寺 菊地 博英 師
参 加 費
無料 (飲み物は各自でお支払いください)
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
5月15日(金) 同時刻  万松院 吉田 宏得 師

 

宗祇法師の会 (4月例会)

 日大名誉教授藤岡武雄先生を中心といたしまして、宗祇法師の顕彰と研究をする会です。
どなたでも参加できます。申込は不要ですので当日お出掛けください。

日   時
4月20日(月) PM1:30〜3:30
会   場
願成寺 TEL:055-975-1763
参 加 費
無料
主   催
三島ブランド 三島宗祇法師の会

 

大施餓鬼会のお知らせ

 本年もお施餓鬼会法要を、下記のごとく厳修いたしたくご案内申しあげます。ご先祖の供養とともに、一日ではありますが、みほとけの教えにふれます良い機会ともいたしたく存じますので、お誘いのうえお申し込み下さい(当日ご参加できません方には、当寺にてお塔婆をお墓に立てさせていただきます)。

日   時
5月30日(土)  【14時】法要
法   話
未定
未定
供 養 料
3,000円
申 込 み
お参りの折、電話、FAX、E-mail(前日までに)

 

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。



ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

  「燃えないゴミ(ビン・カン)」
 市のゴミに出します
  「土に返すゴミ(花・香花)」
 寺にてチップにして土に返します
  「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
 寺にて土に返します
  「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
 市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。








▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開 催 日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場  所
 願成寺庫裡
費  用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。







 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久


 







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