1月25日は浄土宗を開かれた法然上人のご命日でありますことから、近在のお寺さんの御忌法要に参り、1月のメルマガに書きました「三嶋大社」での初詣のお話をさせていただきました。
嘘や狡(ずる)は、仏さまと神さまとお日さまには通用しないことを、合掌して一生懸命お参りしている姿をしても、そこに心がこもっておりませんと単なる手合わせになってしまい、仏さまと神さまとお日さまには判ってしまうことをご理解願いました。
法要も終わり、参詣された皆さんと会食となりました。1年に1度のことで、40年来のお付き合いですので、話に花が咲きます。
三嶋大社のお参りに、往復30キロの道のりを歩いての参詣であるとのこと、大変に驚きました。朝6時に自宅を出発して12時に帰宅して、奥さまとの朝食になるそうです。1時間に5キロ歩くには、相当の早足ということになります。
車で行くのは簡単ですが、昔の人たちと同じ方法でお参りをしてみようと思われての参詣、大変なだけに価値があるとのことです。
お念仏の十念も数時間にわたるお念仏も、その本質は同じことなのでしょうが、長時間にわたるお念仏は大変なだけに達成感を観じますのは、人間だからでしょうか。
お酒がすすむほどに、失敗談も出てきます。
ある時、スピード違反で警察に捕まったとのことです。20キロオーバーの事実を告げられ、その方は我に返ったそうです。そして警察官に「ありがとうございます。」「今日ここで捕まらなかったら、安全を無視した運転を続け、いつか重大な事故を起こしてしまったかも知れません。今我に返って安全運転に戻ることができて良かったです。」と、お礼を述べたのです。
すると警察官が「取り締まりをして、お礼言われたのは初めてです」と。
「人が見ていなければ」「急いでいるから」というような心持ちであったら、仏さまと神さまとお日さまは寂しいお顔をなさっていることであろうと。
とても良い御忌法要と会食の席でした。
【御忌】ぎょ‐き
(1)天皇、皇后などの忌日に行なわれる法会(ほうえ)。また、貴人、仏教各宗派の開祖などの忌日の法会。ごき。
(2)特に、浄土宗の開祖、法然上人の忌日に行なわれる法会。浄土宗では、もとは陰暦正月一から二五日まで、明治以降は四月一九日から二五日までの七日間これを行なうのを例とする。京都、知恩院の行事は特に有名で知恩講といい、昔は京の人々はこれを遊覧の初めとして美しいきものを着、弁当を持って参詣し、これを弁当始めと称した。
【十念】じゅう‐ねん
(1)一〇種の心念。すなわち、念仏・念法・念僧・念戒・念施・念天・念休息・念安般(ねんあんぱん)・念身非常・念死の総称。
(2)阿彌陀仏の相好を一〇遍つづけて観想すること。またはその御名を一〇遍唱えること。十念称名。
天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久
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