願成寺ホームページは、 こちら(http://ganjoji.com/)です。

次回配信日は、12月1日です。





ニューヨークでのプロテスト。「私の身体、私の意見」や「嫌うな、恐れるな。(アメリカには)意味はウェルカムなんだ」などのスローガンが飛び交った。


パレスチナ自治区の和平プロテストにオブザーバーとして参加した時の光景。イスラエル軍が使用した催涙ガスのカニスターに花を植えたものが飾られていた。


プロテストの仕方は沢山あるが、バンクシーというイギリスとグラフィティアーティストは、意味深いグラフィティを世界の物議をかもすような場所にすることで有名。このグラフィティも、パレスチナ自治区に建てられた「壁」にしてあるものだ。

 政治的な事柄には触れないようにしてきたし、私個人の政治的思考は持ち込みたくない。しかし、今回のなんとも言葉にし難いアメリカ大統領選挙を、政治的な目でなく哲学や人間論的に見てみたいと思う。

 家にはテレビがないため、8日火曜日の夜、投票のカウントが始まって夜中の3時ごろに勝敗が決まるまで、友人宅のテレビの前に張り付いて、決まってからしばらく呆然とし、次の日はずっと涙が止まらなかった。自国の選挙にすらこんなに感情が揺さぶられたりしないのに、どうしてわたしはこんなに影響を受けているのだろう?とすごく考えさせられた。次の日の学校の帰り、同じクラスの女性達と共にプロテストに参加した。今まで、私はプロテストに対してあまり好感を持ってはいなかった(大抵は「愛」や「善」を育むものでなく攻撃性の高い場合が多いのと、状況の変化を起こすのにはプロテストよりもっと有効に時間とエネルギーを使う方法があると思っていたから)のだが、行ってみて、 何千人と共に掛け声を出しながら歩むことがどんなにもパワフルなのかを体感した。結果、感じた事を今回書いてみたい。

 弁論術というものがある。古代ギリシャの哲学者、アリストテレスが教えたものであり、思いっきり要約すると、人の心を動かすにはロゴス(論理)、エソス(信頼・人柄)そしてパソス(感情・共感)を要するという説だ。いい演説や説得は、せめて2つもの項目を得ていないといけない、と公的パフォーマンスを重要視する欧米社会では教えられている。
 しかし、私はその3つが同じように影響を及ぼしているとはどうしても考えられない。今回の選挙の結果も、一方がどれだけ政界で成果を上げてきて論理に訴えたところで、もう一方はロゴスにはほぼ全く見向きもせず、「忘れ去られ、時代に置いてきぼりを食らっている」と感じていた人たちのパソスに大きく触れた結果勝利したと思う。そして、論理的に考え、誰が大統領になろうと米国の政界構造的に全てがひっくり返りえないようになっているのはわかっていても、たった4年だとわかっていても、もう片方が素晴らしく誰にも慕われるような候補者でなかったにしても、私のパソスとエソスはどうしても反発する。
 私が人生をかけて戦っている全てを否定するような言動を行う人が勝った、ということが、まるで私個人への攻撃かのように感情を揺さぶるのだ 。「こんな下らない言い分に揺さぶられてはならない」「無知に対して怒っては負けだ」と私のロゴスがどれだけ言い聞かせても、目の前で繰り広げられる言動に、攻撃に、私は傷つき、そして怒った。

 そしてプロテストに行ってみて気づいたこと。参加者はみな、もちろんなにか現状に満足しておらず、変化を求める人が集まるのだが、みんな無意識的にでもかけ声を出すことや30ブロック歩いたところで選挙結果が変わるとは思っていないだろう。ここにある価値は齎す変化ではなく、様々な感情の表現、連帯感、そして結果的に芽生える肯定感なのではないかと思う。
 プロテストに及ぶまでに人は何をどれだけ否定され続けてから行動に移すのか。感情は常に論理に基づいて生まれるものではない。頭では感情的にならない方が得だ、正しい、とわかっていても、そして感情に踊らされるような行動を起こさなかったとしても、感情自体を無視し続けるのは決して健康とは言えない。特に傷ついている事や怒っていることなどは、全体的な健康、連体制、社会性などに必ず影響を及ばしてくる。私は怒りや悲しみを抱えている人間に対して「大丈夫だよ。」や「そのうち良くなる」などという言葉を今まで何回かけただろうかと不安になった。変化や結果でないのだ。今悲しい。今傷ついている。今怒っているという事を、もし自分も含めた誰も肯定してあげなければ、どこか見えないところに沈んで溜まっていくしかなくなる。だからこそ、プロテストでなくても、「今そうなんだね、苦しいんだね」とただただ肯定される機会が必要なのではないだろうか。
 子供には当たり前に与える「感情」や「心」に対する肯定を、私たちはお互いだけではなく、自分にすらしなくなってしまっているのではないだろうか。もちろん、感じる想いや苦しみに対していちいち行動を起こす必要はない。周りに変化を毎回求める必要もない。実際に、嬉しいことも悲しいことも、全ては過ぎ去るものだという事は痛いほどに知っているから。だけれど、傷ついている人に対して(相手が自分でも)、ただ共感し、ただ「そうである」場所を提供することの大切さに今回は気付かされた。常に合理的で論理的である必要はないのだ。

 私は政治家でも演説家でもないから、ロゴス・エソス・パトスを完全に理解する必要はないのだけれど、今のアメリカのようにこんなに社会的溝が深まった場所で、私はどれだけ人の論理だけでなく、エソスとパトスを認めることができるだろう。自分の論理の下の、人間的なパトスを肯定してあげられるだろうか。

 きょうこ 









朝日テレビカルチャースクール三島(第3期)

「 源氏物語」を味わう  〜 光源氏が誘う平安貴族の世界 〜

 源氏物語は、今から千年もの昔に作られた物語ですが、そこに描かれている世界は色あせることなく、現在に生きる私たちに数々の感動を与えてくれます。光源氏の案内で、恋の世界・親子の世界・夫婦の世界、そして死の世界を訪ねてみましょう。きっと新しい人生観を垣間見ることができますよ。

開 催 日
第1・3金曜日 13:30〜15:00
会   場
朝日テレビカルチャースクール三島校(随時入学可、一回受講)
講   師
願成寺住職、大正大学非常勤講師  魚尾 孝久
受 講 料
3ヶ月 全6回 ・・・ 14,256円   1回 ・・・ 下記へお問合せ下さい
申   込
TEL:055-971-4041

 

第366回 辻説法の会

 お茶を飲みながら、法話をお聴きになりませんか!

日   時
11月18日(金) PM6:00〜7:30
会   場
茶房「 欅(けやき) 」 2F TEL:055-971-5591
講   師
興禅寺 松本 好寛 師
参 加 費
無料 (飲み物は各自でお支払いください)
主   催
県東部青少年教化協議会(この会は、特定の宗派にこだわらず、
ひとりでも多くの方々に仏教を伝えることを目的に活動する団体です。)
次   回
12月16日(金) 同時刻  大泉寺 小島 健布 師

 

十夜法要のご案内

 本年もお十夜の季節となりました。一日ではありますが、ご先祖のご供養とともに、み仏の教えにふれますよい機会ともいたしたく存じますので、お誘いのうえお申し込み下さい。
 お檀家の皆さまには、10月下旬に郵便にてご案内申しあげます。

日   時
11月20日(日)14時より
会   場
願成寺 本堂
法   話
「ハワイ移民と仏教」
講   師
副住職
供 養 料
3,000円
申 込 み
専用ハガキ、電話、FAX、E-mail (前日までに)

 

宗祇法師の会 (11月例会)

 日大名誉教授藤岡武雄先生を中心といたしまして、宗祇法師の顕彰と研究をする会です。
どなたでも参加できます。申込は不要ですので当日お出掛けください。

日   時
11月21日(月) PM1:30〜3:30
会   場
願成寺 TEL:055-975-1763
参 加 費
無料
主   催
三島ブランド 三島宗祇法師の会

 

暮れの墓地大掃除のお知らせ

 毎年12月の第2日曜日は、暮れの墓地および境内地の大掃除となっております。お忙しい折とは存じますが、ご家族でご参加下をお願いいたします。当日は「温かい芋汁」を用意いたしておりますので、お掃除終了後お召し上がり下さい。

日   時
12月11日(日) 9時より (小雨決行)
お 願 い
できますならばお掃除の道具をご持参下さい。
駐車場が少ないのでご注意下さい。

 

修正会(新年会)のお知らせ

 恒例の新年の初参り、護持会総会、新年会を開催いたします。ご申込は、暮れのお参りの折、またお電話にて前日までにお願いいたします。

日   時
1月4日(水) 11時より
内   容
初参り、護持会総会、福引き、会食
会   費
2,000円
申 込 み
暮れのお参りの折、電話、FAX、E-mail (前日までに)

 

 


お 願 い

 今まで、お塔婆や香花等は、寺にて焼却しておりましたが、法改定により、平成14年12月1日から「野焼き」や「簡易焼却炉」によります、すべてのごみ等の焼却ができなくなりました。現在、願成寺にあります3基の焼却炉もすべて使用禁止となり、撤去いたしました。
  したがいまして、今後、墓参の折いらなくなりましたお花などのゴミにつきましては、下記のごとく、ご処理をいたしたく存じますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。



ゴミの分別

 ゴミは、次の4種類に分別してお出し下さい。

  「燃えないゴミ(ビン・カン)」
 市のゴミに出します
  「土に返すゴミ(花・香花)」
 寺にてチップにして土に返します
  「土に返すゴミ(草・落ち葉)」
 寺にて土に返します
  「燃えるゴミ(紙・ビニール)」
 市のゴミに出します

いらなくなりましたお塔婆は、寺にてチップにして土に返しますので、ゴミ箱の脇にお置き下さい。
ゴミ箱は水屋(水道)の近くに用意いたします。
飲物や食べ物は、動物が散らかしますので、お参りの後はお持ち帰り下さい。
お手数をおかけいたすことばかりでございますが、ダイオキシンをなくし、きれいな地球環境のため、切にご理解とご協力をお願い申し上げます。








▼ 文学講座のお誘い
 願成寺公開文学講座といたしまして、『源氏物語』を読んでおります。写本(青表紙本、新典社刊)と活字本とを対校しての講読ですが、参加者全員で声を出しての読みますので初心者の方でもご自由に参加いただけます。
現在、「須磨」の巻に入ったところで、朧月夜との事件から都に居られなくなった光源氏が、須磨へと旅立つところです。
ご一緒に、光源氏とともに須磨への旅を始めましょう。

開 催 日
 毎月 第1,3土曜日(変更あり)
開催時間
 10時〜11時30分
場  所
 願成寺庫裡
費  用
 無料(教科書はお求めいただきます。 1000円〜2000円)
申し込み
 電話、FAX、E-mail

※ご参加をご希望の方は、檀家、非檀家を問わず、どなたでもご参加いただけます。







 ラジオが唯一の情報源であった時代から、新聞やテレビが加わり、小学生までがパソコンや携帯電話を利用している時代となった。ひと昔前の学生の楽しみというと麻雀とお酒が定番であったが、町から雀荘が消え泥酔した学生の姿は少なくなった。これも学生たちの娯楽に選択肢が増えたからであろう。世の中はあらゆる選択肢が増え、情報のアイテムが氾濫し、多様性の時代といえよう。

 教化活動の基本としては、葬儀や年忌法要を始め、修正会、彼岸法要、施餓鬼会、十夜法要と、あらゆる法要での説法であろう。印刷技術の発達によって掲示板伝道、文書伝道ハガキ伝道がおこなわれるようになった。拙寺でも「ハガキ伝道」や「テレホン説法」の経験があり、教化活動も多様化してきたなかで、時代のニーズにあった教化活動の一つとして、「 願成寺メールマガジン 」と名付けてメールマガジンを発行することにした。

 寺院という特質から、教化の対象となるのはお年寄りという現実は否定できない。また檀信徒全体からすれば、どれほどの人が、インターネットを利用しているかと考えるとその効用ははなはだ微少と思われるが、新しい形での教化活動として実験的に発信することにした。

 インターネットによるメールマガジンの配信は、お寺に足を運ぶことの少ないあらゆる世代の皆さまに語りかけることができるであろう。また拙寺のお檀家さま以外の皆さまとも、お寺とのつながりを持たせていただく方法としては最良と考えております。

 毎月二回とは申せ、浅才なわたくしにとってはかなりの重圧となっていくであろうことは想像にかたくない。三回で中止するわけにもいかず、発信を決意するのに一年もかかった始末である。

 諸大徳の応援をお願いいたしながら、皆さまとの交流の場としていきたいと存じます。よろしくお願い申しあげます。

 天主君山現受院願成寺住職
魚 尾 孝 久


 







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